実は冬こそ注意が必要! 冬に起こる脱水症状とは?
夏だけじゃない! 冬の隠れ脱水に注意
「脱水症」は、摂取水分と食物の代謝で産生される水分に比べて身体から出ていく水分量が多い場合に起こります。
体内の水分量やナトリウム、カリウムなど電解質の調整は主に腎臓が担っていますが、脱水状態になると十分な調整ができなくなってしまいます。また電解質バランスの乱れが極端になると筋力低下やイライラ、けいれん、不整脈などを引き起こす可能性があります。
脱水症の原因とは一体……?
脱水症の主な原因は、
・食事や水分が十分に摂取できない状態
・下痢やおう吐など飲水量に比較して多くの水分を失ってしまう状態
・発汗量が多い状態が続く
などが挙げられます。
冬場でおう吐や下痢をきたす原因としては、ノロウイルスやインフルエンザが有名ですね。ノロウイルスは感染者の吐物や便中に多量に含まれ、その扱いは非常に慎重にしなければいけません。換気をしっかりし、汚染されたものは90度で90秒以上の殺菌か、0.1%に薄めた次亜塩素酸液で消毒し、捨てる場合はビニール袋にくるんで密閉する必要があります。ごく少量のウイルス量で感染してしまうので非常に厄介です。
また電気毛布などでの夜間の発汗・不感蒸泄などが多いと、脱水になってしまうことがあります。
ある程度身体を温めるのはいいことですが、温めすぎると夜間に発汗し、脱水となります。脱水状態となると気道の異物を排除する機能が低下してウイルスを除去できなくなり、風邪を引きやすくなります。
“脱水”のサインを見逃すな!
脱水しているか否かは、皮膚の湿り気状態や尿の濃縮度や量、体重などが参考になります。
水分を摂取せずにいると1日で300g程度は自然に体重が落ちるといわれています。決して痩せたわけではなく、一時的な脱水です。
治療などで利尿剤を用いている人もハイリスクなので、医師の指示のもと、気をつけましょう。
まとめ
脱水症状は夏に起こるものと思われがちですが、前述のように冬でも十分に起こりうる症状です。こまめに水分を摂り、脱水予防に努めましょう。
(文:36歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2015年02月15日に公開されたものです