「年の差カップル」がうまくいくコツ~何歳差から? メリット&デメリット~
夫婦円満コンサルタントに聞く! 年の差結婚のリアル
一般男女の年の差結婚に対するイメージを見てきました。続いては、数々の夫婦の相談に乗ってこられた、夫婦円満コンサルタントの中村はるみ先生に、年の差婚のリアルについて、詳しく聞いてみたいと思います。
中村先生が考える「年の差結婚」
まずは、中村先生の年の差結婚に対する考え方や、知見を伺いました。
年の差結婚に関する知見や、見解は以下の通りです。
・学生時代の話や流行などの話が通じなくなるのが年の差が8歳以上~。
・通例では年の差婚は、年齢差が10歳前後、あるいはそれ以上離れているカップルのこと。
・ほとんどの夫婦に年の差はある。結婚で大切なことは年の差でなく、相性と考え方。
・「70歳と60歳の熟年結婚」、「30歳と20歳の結婚」では他人の受け取り方が違う。
・年の差結婚と年の差恋愛の違いは、結婚は生活をすることが前提。
年の差婚は親の反対にあう?
続いて、年の差婚は親の反対にあいやすいなどとも聞きますが、一体なぜなのかについて伺いました。
男性が年上の場合、女性が年上の場合に分け、男性・女性の親別に、反対する原因(心情)をご紹介します。
◆男性が10歳以上年上の場合
☆男性側の親心=妄想
◎財産目当てでは
◎性的心配⇒子どもを作れるの?
◎ジェネレーションギャップを心配
☆女性側の親心=妄想
◎経済的不安
・結婚してから夫の定年までの年月が短い
・夫の死亡後、妻の生存年月が長い
・夫の介護生活が長い可能性あり
・子どもが大学を卒業するとき夫の年は?
・バツイチ? 子持ち? 養育費などの金銭的負担は? 夫死亡後の財産分与は?
◎性的心配⇒子どもを作れるの?
◎夫の両親の介護!?
◎親の想像していた娘婿の年とのギャップ
◎自分と近い年齢者が娘の夫だと生理的に嫌悪感と反発
◆女性が10歳以上年上の場合
☆男性側の親心=妄想
◎性的心配⇒孫が抱けるの?
◎息子は騙された
◎バツイチ? 子持ち? 他人の子どもを育てるの?
◎女性が年を重ねたときのイメージをする
◎自分と近い年齢者が息子の妻だと生理的に嫌悪感と反発
☆女性側の親心=妄想
◎娘が年齢を重ねたときの心配⇒夫の浮気・娘の容姿の変化など
◎財産目当てでは
以上のような妄想に基づき、親は反対するのだと考えられます。
年の差婚は後悔しやすい? 起こりやすいトラブルとは
親の反対にもあいやすい年の差結婚。それだけに、やはり後悔しやすいものなのでしょうか? 後悔するとしたらどういったことが原因なのでしょう。中村先生に伺いました。
誰と結婚してもトラブルはありますので、年の差結婚が後悔しやすいと断定はできません。互いの個性の違いをプラスに受け止めることが人生を楽しむ秘訣です。
その上で、後悔するポイントとなりうる、年上結婚に起こりがちなトラブルをご紹介します。
◆年上結婚での3つのトラブルと世間
1)食事の好みの違いのトラブル
年齢を重ねると若者より、淡白なものを好み、食事の量が減る傾向があります。
2)年上=大人という幻想によるトラブル
・年上男の「懐が深いフリ」の演技を放棄するのが結婚後。人は年齢を重ねるほど自己主張も強くなり、今までの主義・方法を変え歩み寄る柔軟性が減ります。さらに知識・経験も豊富であるゆえの自信による上目線で指導。世の中の価値観の変化を頭ではわかっていても、心が追いつかないのが年長者。結婚前の伴侶のイメージが崩れると後悔します。
異性の友達の付き合い方にジェネレーションギャップがあり、妻が若いと、外での付き合いに嫉妬をすることも。
・年上=甘えられる幻想を年下夫が持つときもトラブルが起こりがち。夫が甘え、結婚した自覚を育てていないことが原因です。年上の妻でも夫に甘えたいし、夫の世話より子供の世話で忙しいことを理解できない年下夫がトラブルを起こすことも。
3)年上の伴侶の年令経過による自信喪失トラブル
年上の伴侶が年を重ねることで起こる、以下のようなトラブルもあります。
1.リタイヤなどで男性の経済力・体力が維持できなくなる⇒経済力が低下すると自信がなくなる⇒男の器が小さくなる⇒嫉妬し束縛する
2.伴侶の老化現象に若い伴侶が嫌気をさす(加齢臭・アナログ人間)
3.体力がなく子育て時にランニングやサッカーなどの相手ができない。学費支払い時期に定年・リストラの可能性もある
4.【世間・社会の雑音】高齢の夫の年齢が住宅ローンのネックになる。夫の両親も自分の両親より高齢のため、介護問題が早く来る。子供の参観日に行くと、祖母・祖父と間違えられ子どもが嫌がる。夫婦二人は普通の夫婦の感覚だが、周りの野次馬の反応・雑音が煩い、惑わされることがある(財産狙い・お父様ですかなどの周りの雑音)
年の差婚の離婚率とは?
年の差婚ゆえに起こりうるトラブルがたくさんあることが分かりました。となると離婚率は高いのでしょうか?
日本においての年の差婚の離婚率の統計は出ておりません。
「アメリカのエモリー大学の研究がさらに明らかにしたのが、年齢に大きな差があるカップルは離婚する確率がかなり高いことだ。10歳の年の差がある夫婦は、同年齢の夫婦よりも離婚する可能性が39%も高い(20歳では95%高い)」
と、150年以上の歴史を持つ正統派評論誌『アトランティック』誌が伝えています。調査結果PDFなどは見つかりませんが信じてよいと考えます。
https://www.theatlantic.com/health/archive/2014/11/why-to-marry-someone-your-own-age/382520/(出典)
一言で言うならば、子供がいない夫婦の場合、ライフスタイルに共通点が少ないことが多いので、将来設計に齟齬が生じ、離婚しやすいと言えます。
実際に年の差婚の方の私への相談では、「経済的問題」と「性的問題」と「大人という幻想問題」が多いです。
年の差婚は子供が大変?
年の差婚では、子供を持つことも、持ってからも大変、なんて声が耳に入ってきます。そのあたりのところは、実際どうなのでしょうか? 対策についてもお聞きしました。
結婚後は独身の時のように趣味などにお金をかけることはできなくなります。40過ぎまで独身だった男性の場合、その切り替えが難しいことがあります。年上男性が経済的に豊かとは限りません。そのため、子供を育てていくことが難しい場合もあります。
◆対策できること
経済面と体力面に関する以下の3点です。妻・夫のどちらが年上でもこの3点は必須です。
1)教育費・子育て費用の工面をしておくこと。子供が25歳になるまでの教育費を考えることが大事です。夫が死んでも教育費・子育て費用の工面ができるようにしておくことが肝心。理系の場合、院に進学する時代です。浪人することもあります。そのため25歳まで考えておくことをオススメします。
2)父親が子育てに関わる姿勢と体力を持つこと。健康に気をつけて早死にしないようにしましょう。
3)子供世代の気持ちに対する情報と理解を持つことと、過保護に育てない意識を持つこと。
◆対策できないこと
妊娠出産は、高齢になるほど難しくなってきます。男性が年上の場合も同様で、精子も年齢を重ねすぎていると劣化することを覚えておきましょう。
年の差婚は老後も大変?
年の差結婚は老後も大変、なんて声も挙がりましたが、実際のところどうなのでしょうか?
夫が年上の年の差婚の課題は以下の3点です。
1)経済:年上夫の結婚から退職する日程が早く、経済面で苦しくなる。
2)健康・意識:年上伴侶の健康上の問題が起きやすい。老後、「濡れ落ち葉夫」になりやすく、妻にまとわりつく。
3)介護:夫の両親の介護、夫の介護が早くに来る。