インフルエンザの治りを早くする漢方薬「麻黄湯」って?
丸山先生「病院で抗インフルエンザ薬を処方してもらったのですね。汗はまだかいていないみたいですね。ほかに気になる症状はありますか?」
P美「頭痛がするのと、咳が少し出ます」
丸山先生「なるほどなるほど」
P美さんの体質や症状をまとめると……
・昨日の午後から悪寒と全身のひどい関節痛がある
・体温は38.2度
・インフルエンザの可能性が高い(翌日検査した結果インフルエンザ検査で陽性)
・頭痛と咳の症状も
・普段は比較的体力があり、元気
丸山先生「P美さんには麻黄湯(まおうとう)を処方します。簡単に説明すると、葛根湯よりも少し強い漢方薬です」
丸山先生の初心者講座1
葛根湯も実証寄りの人に用いる漢方薬ですが、麻黄湯はさらに症状が激烈な時に用います。
P美「魔王……? あ、麻黄と書くんですね。漢方薬ってインフルエンザにも効くんですか?」
丸山先生「漢方薬がインフルエンザウイルスを殺すわけではないんです。インフルエンザの場合は抗インフルエンザ薬と併用することが多いです。麻黄湯には麻黄と桂枝(けいし)という生薬が含まれているのですが、この生薬は強力に体を温めて汗をかかせ、解熱する作用があります」
丸山先生の初心者講座2
麻黄と桂皮のほか、咳を鎮める杏仁(きょうにん)、発汗しすぎを抑える甘草(かんぞう)、合わせて4つの生薬が入った漢方薬です。
P美「そういう作用があるんですね」
丸山先生「はい。治るまでの日数を、漢方薬によって1~2日間縮めることができると考えてもらえるとわかりやすいと思います」
P美「わかりました。飲んでみます」
丸山先生「発汗したら気化熱で解熱してくると思いますので、発汗したら飲むのをやめてください」