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【新連載】何この子? 彼と親し気な彼女の存在が気になって……

大地はいつも、今の8時近くが帰宅時間らしい。
わたしはWeb制作の仕事が不規則なので、
遅くなる日の方が多い。
並んで歩くとすぐに、大地はため息をついた。

「ああ、おれも年越したら、29歳か」
「何言ってるの。
大地は早生まれだから、やっと29歳でしょ。
わたしなんか、夏からずっと29歳なんだから」

心が、ピリッと痛んだ。
年のことは、考えないようにしているのに。

「でも智のトコなんか、もう息子が3つだろ?
美也も2人目が産まれるっていうし。
同級生だけじゃなく……これ、まだナイショだけど、
義姉さんにも子どもができたんだ」
「うそ、おめでとう!」
「ありがとう。
でも……おかげで、少し家に居にくくて。
両親とも『おまえ結婚の予定ないのか』ってね」

わたしの心が、さらにピリッと痛んだ。
ウチでは父も母もその話題は出さないが、
やはり同じことを心配しているんだろうな、
と考えてしまい、憂鬱になる。

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