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【新連載】何この子? 彼と親し気な彼女の存在が気になって……

「そんなこと言われても、ね」
「ホント。そんなこと言われても、だよ」
「そうだ。今度の中学の同窓会、行くよね」

わたしは憂鬱な話題を避けようと、
強引に共通な話題を見つけて、話を変えた。

「うん、もちろん。でさ……」
大地が答え、ふたりが角を曲がった時、
急に「あっ、杉村先輩!」と甲高い声が聞こえた。
そこには、ギャルっぽい派手な服の女性が、
笑顔で立っていた。

「お、珠美。元気か」
「元気ですよぉ。杉村先輩、おひさしぶり」

そう言って珠美という人は、
大地の腕を何度も、なでるように叩いている。
その、あきらかに媚を含んだ仕草が、
わたしを妙にイライラさせた。

「あ、そうそう。コイツは小林珠美。
高校の時のハンドボール部の後輩なんだ」
「ども、はじめまして」
……といいつつ、この小林さんは、
わたしの顔をまったく見ない。

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