お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【新連載】壊れたスマホに入っていたのは、昔の彼のメールアドレス……

そんな薄暗い店の赤や緑のライトの中、
ジュークボックスとピンボールの灯りだけが、
わたしの気持ちをホッとさせてくれた。

「よっ!」
それでも隼人が入っていくと、
お店にいた常連さんらしき9人のお客さんが、
いっせいにこちらを振り返った。
カウンターの中の女性以外は、
ほとんどが男性で、女性は1人だけだった。

「何、そのコが例の彼女?」
カウンターに座るとお店中の人が、
わたしたちのまわりに、集まってきた。
ちょっと怖かった。

「飲み物、何にします?」
お店の人にたずねられ、
わたしは隼人と同じハイボールをオーダーする。

「緊張しなくていいから。
ほとんどが、おれの高校の時の友だちなんだ」
そう言って笑った彼の横顔を見たとき、
わたしは隼人と付き合ってはじめて不安になった。

次のページを読む

SHARE