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【新連載】異動!? 1年半前に別れた元カレが同じ支店にやってきて……

「アタマに来たけれどメールの最後に
『自分がされたらどう思うか考えて』とあって、
まあ、たしかにおれはダメだったなと思った」

「うん、わたしも同じ理由で別れたかったもん」
「あ……そういえば、そんなこと言われたような」

なによ、覚えてないの! とムッとしたけれど、
だからこそ次の彼女にも同じことをして、
もっとひどく振られたのだろう。

それからわたしたちはレジで1円単位まで、
しっかりワリカンにすると、店を出た。
外はポツポツ、小さな雨粒が落ちかけていた。
ふたり、暗くてよく様子の知れない空を見上げる。

「もしヒマだったら、
来週もまた、いっしょに飲みに行かない?」
栄太に言われて、わたしは「うん」とうなずく。
本当はとても驚いたけれども、平静を装った。

もう一度、付き合うことになるのかな……。
でもそれは、彼がどのくらい大人になったのか、
そしてわたしもどのくらい、
言いたいことを言えるようになったのか、
その両方を見極めてから、決めようと思った。

※おわり

※この記事は2014年04月03日に公開されたものです

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