【新連載】異動!? 1年半前に別れた元カレが同じ支店にやってきて……
Story4 ★不確かな未来
そんな「仕事仲間」としての、
栄太との飲みが1時間半も続いて、
わたしはもう、すっかり納得してしまった。
この関係が、もうすっかり終わっていることを。
昔、浮気をしていたかどうかなんて、
今さら聞き出すこともできないほど、
わたしたちはもう、他人だ。
じゃあ、この宴も、そろそろ終わりにしよう。
「わたし、抹茶アイス頼みたいんだけど、
長峰くんは、お茶漬け頼む?」
ひさしぶりだ。栄太を苗字で呼ぶのって。
今まで、あえて名前を呼ばなかったけれど、
今日からこの人は、長峰くんだ。
「あ、じゃあ、梅茶づけを……。
で、杉本さん、今、付き合っている人いるの?」
驚いて顔を上げると、
そこには今まで見たことのない、
自信なさげに微笑む栄太がいた。
「ん、特に誰もいないけれど」
わたしもきっと、自信なさげに答えたと思う。