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専門家 不調

マスクだけでは防げない! インフルエンザの「接触感染」にご用心

流行期に入ったインフルエンザ。毎年12月~3月にかけて流行しますが、とりわけ1月下旬から2月上旬にかけてがピークとされています。主な感染ルートとして知られているのは咳やくしゃみによる飛沫感染。インフルエンザにかかっている人が咳やくしゃみをすると、ウィルスを含むしぶき(飛沫)が空気中に飛び散ります。その数は1回の咳で約10万個、くしゃみで約200万個と言われます。また、飛沫が届く距離は約1~2m程度。これらを鼻や口から吸い込むことによって感染するのが飛沫感染です。「(インフルエンザに)かかっていなくても、マスクをつけたほうがいい」と言われるのは、まさにこの飛沫感染を防ぐためです。

飛沫感染と接触感染

しかし、インフルエンザ感染ルートは「飛沫感染」だけではありません。インフルエンザに感染した人が咳やくしゃみを手で押さえ、その手で周囲にさわると手を介してウィルスが付着します。ウィルスは紙や衣類のように表面に凹凸が多いものであれば約8~12時間、凹凸が少ないものであれば約24時間~48時間も生存すると言われます。そうと知らずに、ウィルスに汚染されている場所に触れ、その手を目や鼻、口などに無意識に持っていくことで感染する。これを「接触感染」と呼びます。

接触感染も飛沫感染とともに重要なインフルエンザの感染経路になります。電車のつり革や階段の手すり、ドアノブ、電気スイッチなど不特定多数の人が触れる場所は、インフルエンザウィルスに汚染されている可能性が高いと考えておいたほうが良さそう。また、スマートフォンや携帯電話など個人使用のアイテムも油断は禁物。電車のつり革などから、自分の手を媒介とし、ウィルスをなすりつけてしまっている可能性もあります。では、こうした接触感染を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。東京医科大学微生物学講座主任教授の松本哲哉先生に伺いました。

■感染対策の基本は手洗い! 洗い残しに注意

「接触感染によるインフルエンザの伝播を防ぐ方法として有効なのは、やはりこまめな手洗いです。ただし、手のひらをこすりあわせるだけでは不十分。石けんをよく泡立て、手の甲から指の間、爪先、手首までしっかり洗いましょう」(松本先生)

とりわけ、洗ったつもりで洗えてないことが多いのは指の間や爪の周囲、手の甲、親指、手首など。きれいにデコレーションされたネイルなども洗い残しの原因になりやすいので要注意。洗い残しやすい場所を意識しながら、少なくとも30秒以上かけて洗うことが大切だとか。

「石けんにはインフルエンザウィルスを殺菌消毒する効果はありませんが、ウィルスを取り除き、洗い流すのには役立ちます。ごく普通の石けんで構わないので、手を洗う際には極力、洗い残しがないようにすると効率的にウィルスを取り除けます」(松本先生)

■ビルの入り口に置いてある消毒液、活用していますか?

さらに、活用したいのがアルコール消毒です。最近、オフィスビルや百貨店の入り口に消毒液のボトルが置いてあるのをよく見かけます。たとえば、通勤時に電車内でつり革にさわるなど、手にインフルエンザウィルスがついている可能性があるときは、入り口で消毒液をワンプッシュ。そうすれば、すぐに手を洗えなくても、インフルエンザウィルスをシャットアウトできるんです。また、ビル内でウィルスに汚染された場所を触ってしまったかも、というときは、ビルを出るときに消毒液を使うのも有効だそう。

「アルコール消毒をする際は、消毒液の量がポイントです。しっかりワンプッシュ押し切って、指の間、爪の周囲、手の甲、親指、手首までまんべんなく消毒液をつけ、消毒液が乾くまで、手をこすりましょう」(松本先生)

ちなみにスマートフォンや携帯電話、パソコンのキーボードなど身の回りのアイテムを消毒することも、接触感染を防ぐのに役立つのでしょうか。松本先生はこう解説します。

「自分だけしか触らないものの消毒はあまり意味がありません。それよりも、ドアノブや電気スイッチなど、不特定多数がさわる場所が要注意です。いくら身の回りのアイテムを消毒しても、インフルエンザウィルスがついている場所を触った手で触れてしまえば、再びウィルスに汚染されてしまうためです」

インフルエンザウィルスがついている場所に触ってしまったかもと思ったら、手を洗う(あるいは消毒液を手にすりこむ)ことが感染予防の第一歩です。1日中家にいるときは家族にインフルエンザに感染している人がいない限り、何度も手を洗わなくても大丈夫。生活スタイルにあわせて、こまめに手洗いし、インフルエンザを撃退しましょう。

(なかむらとも子+ガールズ健康ラボ)

監修者・著書紹介

新型インフルエンザ救急ブック新型インフルエンザ救急ブック(松本哲哉著・アスキー新書)
今回、お話を伺った松本先生の著書。インフルエンザにかかる前にできること、かかったらすべきことを紹介。kindle版もある。

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