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匿名のメールが危険な理由「割れ窓理論」

インターネットや携帯・スマホなどの発達により、いつでもどこでも24時間メールが送れるようになりました。しかし、ハンドルネームを使うことで匿名で利用ができることから、トラブルも頻発しています。

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匿名性という心理

スタンフォード大学の心理学者、フィリップ・G・ジンバルトは、人が匿名という隠れみのに守られている状態での心理について実験を行いました。

「割れ窓理論」と呼ばれ、結果は「人は匿名性が保証されている・責任が分散されているといった状態におかれると、自己規制意識が低下し、「没個性化」が生じる。


その結果、情緒的・衝動的・非合理的行動が現れ、また周囲の人の行動に感染しやすくなる」というものでした。人は、自分という存在が明らかになっている状態では発言や行動に責任が伴うので慎重になるけれど、匿名性が守られている状態では責任感が著しく欠如し、例えばネット上で特定の個人を集団で攻撃するといったような行動をとりやすくなるんですね。

フラストレーション攻撃仮説

J・ダラードとN・Eミラーは、「欲求の充足を阻止する「他人の行動」や目的の達成を難しくする「困難な社会的状況」は、人間にフラストレーション(欲求不満・欲求阻止)の状況を準備する」と定義し、それによって人間の攻撃性が高まるという「フラストレーション攻撃仮説」を提唱しました。


小さな子供を見ていればよく分かるのですが、ママがかまってくれない、幼稚園でお友達とうまく遊べないなどというときは、フラストレーションがたまって弟や妹に意地悪したりして荒れますよね。大人も同じで、欲求不満がたまってしまうと、その不快な気持ちを解消するために、他人を攻撃しようとするのです。

ペンネームは人を大胆にさせる

「ペルソナ効果」というものがあります。これは、「匿名性」という仮面をかぶることによって、大胆な行動がとれるようになるというものです。例えばインターネット上でブログを書いている場合。読む人は自分がネット上に公開している情報しか知ることができないため、いくらでも別の自分に成り済ますことができます。

本当の自分は地味で家にこもっているのが好きな性格なのに、ブログ上では華やかでアクティブに行動しているというように。なってみたい自分を簡単に演出することができるんですね。

※この記事は2013年10月09日に公開されたものです

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