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【新連載】後輩から突然の告白! 私って意外にモテるのかも?

もちろん圧倒的に門前払いが多いけれど、
お年寄りの家などでは、そうでない場合もある。

「じゃあ、お話を伺おうかしら」
特におばあさんの1人暮らしの家では、
陽介くんの容姿は絶大な威力がある。
ドアを開けた瞬間から
乙女のように頬を染めるおばあさんたち。
そして契約書の書き方を丁寧に、
根気よく説明する陽介くんの礼儀正しさ。
その様子を見ていると、ふと疑問が湧いてくる。

「陽介くんの容姿のよさは、果たして
この人にとってプラスに働いているかしら?」
たしかに彼の容姿は人を喜ばせる。
でも陽介くんは、人から注目されることや、
期待されることが、たまに辛いのではと、
思える時があるのだ。
それは、わたしの勝手な思い込みだけれど。

帰りの車で、わたしたちは無口になった。
たくさんの人のリアルな生活を垣間見ると、
心身ともに疲れて、口が重くなりがちだ。
しかし陽介くんは銀行へ戻る前の、
最後の交差点で止まった時に口を開いた。

「このまま、菜乃子さんをさらって逃げようかな」

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