【新連載】後輩から突然の告白! 私って意外にモテるのかも?
金曜日、わたしは再び隆也の家に泊まり、
その翌日は雨も降っているせいか、
のんびりとふたりでテレビを見てすごした。
テレビを見ながらボーッとしている隆也は、
最大限に気持ちをゆるめている感じで、
少しマヌケだけれど、そこがまたかわいい。
背後からそっと忍び寄って抱きついてみる。
「なんだよ」
視線を動かさないまま返事だけが返ってくる。
「隆也は、浮気なんてしてないよね」
耳元でささやくと、やっと視線がキョロリと動いた。
「なんだよ、いきなり。してないよ、浮気なんて」
「ホントに?」
「やめろよ。まったく身に覚えがないってば」
隆也は憎らしいくらい、気持ちの揺れを見せない。
「菜乃子だってしてないでしょ?」
逆に問われてドキッとしたけれど、笑顔で返す。
「わたしがそんなに、モテるわけないじゃない」
陽介くんとのことは、きっと恋じゃない。
あれは人として本気で向き合っただけ。
だけど隆也にはやっぱり、
秘密にした方がいいだろうな。
わたしは無言で、彼の背中に頬を押しつけた。
(おわり)
※この記事は2013年05月09日に公開されたものです