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甘いスイーツは冷えのもと!? 生理痛を漢方で診断してたら?

草鹿砥先生「A子さんには、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を処方しますね」

A子「ト、トウキシャク……。それってどういう漢方薬なんですか?」

草鹿砥先生「簡単に説明すると、(1)血をつくる働きを強くする、(2)血を巡らせて体を温める、(3)体内の水のバランスを整えるなどの効果があります」

↑当帰芍薬散

A子「そんなに?」

草鹿砥先生「漢方薬のなかでもよく使われるもののひとつなんですよ。A子さんの、貧血の傾向があったり、顔が青白かったりという特徴は、『血が不足気味』ということが多いんです」

A子「それで疲れやすいのかな……?」

草鹿砥先生「それも考えられますね。またA子さんは甘いものが好きとのことですが、甘味の成分は水と結びついて、水が体の中に残りやすくしてしまう作用があります。ですので、甘いものが好きな人はむくみやすくて、そのために体が冷えてしまうということが起こりがちです」

A子「甘いもの、ちょっと控えたほうがいいでしょうか?」

草鹿砥先生「そうですね。甘いものと塩分の多いもの、味の濃いものも控えましょう。また、A子さんは元から体が強いほうではなく、血が足りないようです。これも当帰芍薬散で血をつくる力を強くしていくのと同時に、腹巻きをして腹部を冷やさないように。特に月経時は腹巻きの上からカイロを当てて、血の巡りをよくしましょう」

A子「わかりました。不調の原因は全部つながっていたんですね。自分の体に対する疑問が少し解けた気がします」

草鹿砥先生「はい、お大事にね」

A子「ありがとうございました!」

 

~約4週間後の再診~

草鹿砥先生「漢方薬を約1カ月飲んでみて、調子はどう?」

A子「この間の生理は痛みがだいぶ楽で、下腹部に少し鈍痛を感じる程度でした。あと、そういえば立ちくらみの回数が減りました。昔からよく立ちくらみするので、生理痛ほど気にしていなかったんですけれど、立ちくらみもやっぱり不調のひとつだったんだなあって思いました」

草鹿砥先生「漢方薬で、自分ではあまり気にしていなかった不調がよくなることに気づく人は多いんですよ」

A子「飲み続けるのは大変かな? って思っていましたが、飲みはじめて数日で冷えの改善を実感できたのでがんばれました。生理後の疲れも軽くなっていると思います」

草鹿砥先生「漢方治療では経過を見て処方を変えていくこともあるので、1カ月に1度ぐらいの頻度で、病院へ来てくださいね」

A子「はい!」

 

草鹿砥千絵

日本東洋医学会漢方専門医。日本産科婦人科学会専門医。山梨医科大学(現・山梨大学)卒業。東京大学附属病院、関東労災病院、社会保険中央総合病院などで産婦人科、女性外来を担当。PCU College of Holistic Medicineに短期留学後、現在、小菅医院・横浜朱雀漢方医学センター副センター長。著書に「かるたde漢方」(源草社)。

(取材協力:草鹿砥千絵、構成:小池直穂・小川たまか、イラスト:miya)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年04月19日に公開されたものです

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