睡眠時間の長さは関係ない!? 眠りの質を上げる「5つの習慣」
身体の不調は老化への第一歩! 専門家監修のもと、不調のメカニズムを解明し、健康的なキレイ女子になるため解決方法をお届けします♪
忙しく働く女子にとって、睡眠時間の確保は難しいもの。平日は気合で乗り切るしかないと思っていても、会議中やランチ後に猛烈な睡魔にお悩みの女子も多いはず。そこで今回は、日中に眠くなるメカニズムと睡眠の質をあげる方法について、専門家の先生に教えていただきました!
今回のお悩み
土日に十分休んだと思っても、疲れが取れず、猛烈な睡魔に襲われるせいで、メモやレポートに誤字脱字が多いです。睡眠の質を上げる方法を教えてください!
(25歳/団体・公益法人・官公庁/女性)
しっかり眠ったはずなのに、日中どうして眠くなるの?
睡眠は、人間の体内時計と深く関係しています。体内時計は1日24時間よりも少し長く、約25時間に設定されています。それが毎朝、朝日の光を浴びることでリセットされ、再び24時間の生活サイクルが繰り返されるようになっています。しかし、生活リズムが崩れて体内時計が狂ってしまうと、昼間に眠りの準備をします。
たとえば、平日毎朝7時に起床して朝日を浴びる人は、約14時間後の21時過ぎに、身体に休息モードを伝えるホルモン「メラトニン」が分泌されて眠気を感じはじめます。しかし、休日(土日)に寝だめして10時に起きた場合、10(時)+14(時間)=24時。つまり深夜0時にようやく身体が眠る準備をはじめてしまうため、体内のリズムが乱れ、普段とは生活サイクルがずれてしまいます。そしてその狂ったリズムのまま再び平日7時に起床することになるため、日中に眠気を感じてしまうのです。そのため休日でもなるべく寝だめをせず、普段と同じ時間に起き、規則正しく過ごすことが体内リズムを維持する上で重要なことです。
また、睡眠は「量(時間)×質」で作られています。どちらが欠けても良質な睡眠をとることはできません。
量(時間)に関しては、1日の睡眠時間が6時間を切ると、日中の眠気をはじめ身体に何らかの不調が出やすくなります。
質に関しては、日々強いストレスを感じていたり、18時以降にカフェインを摂取すると睡眠の質が落ちてしまいます。カフェインには覚醒作用を5〜6時間持続させる効果があり、睡眠を浅くする可能性があります。また、アレルギー性鼻炎や花粉症、睡眠時無呼吸症候群、足のムズムズやぴくつきのある人も、良質な睡眠をとることができません。
睡眠中に現れるこういった症状の解決も、睡眠の質を上げるひとつの手です。
また、就寝前の夜の習慣を少し変えるだけで、眠りの質を上げることができます。寝つきの悪さや日中の睡魔に悩んでいる人は以下の対策をチェックして、今日から早速実行してみてください!
睡眠の質を上げる「5つの習慣」
1.部屋の照明を落とす
ベッドに入る1時間前には、オレンジ系などの暖色の照明の中で過ごすようにしましょう。人の目の網膜には体内時計を調整する光を伝える機能があり、波長の短い青色光を目にすると、スッキリと目覚めてしまいます。夜はその反対で眠気を誘うように、青白く明るい蛍光灯よりも、赤い暖色系の間接照明を用いて、直接目に光が入らないようにしましょう。ホテルの照明が参考になります。
2.パソコンやスマホを見ない
パソコンやスマホは目を刺激して、脳を活性化させてしまうため、就寝1時間前からは見ないようにしましょう。何かを読む場合は、読み飽きた雑誌や難しい本がオススメです。
3.40℃ほどのお湯に浸かる
就寝1時間前に、40℃ほどのお湯にゆったり浸かり、身体をポカポカさせることが大切です。入浴時に上がった体温が下がるタイミングで眠気を感じはじめるため、楽に入眠することができます。
4.アルコールを飲む時間帯に気をつける
アルコールには寝つきをよくする効果はありますが、睡眠の質を落とす危険性があります。お酒は夜早めの時間帯に楽しんでください。また、寝酒は習慣化しやすいため、注意が必要です。
5.冷たいもの、タバコはNG
帰宅後から眠るまでは温かいものを摂取して、身体を温めることが大切です。冷蔵庫の中のものを飲み食いしていては、身体が冷えてしまいます。また、寝る前の喫煙も、手足の血行を悪くし、寝つきが悪くなってしまいます。
しかし、睡眠の量と質の問題が解決しても眠気がおさまらなかったり、仕事中に寝込んでしまう場合、ナルコレプシー(過眠症)などの睡眠障害の可能性もあります。これには精密検査が必要で、眠気を抑える薬を使用することになります。どうしても気になる方、困っている方は病院を訪れてくださいね。
(取材協力:渋井佳代、文:池田園子)
※『マイナビウーマン』にて2013年2月にWebアンケート。有効回答数320件(マイナビウーマン会員:22歳-34歳の働く女性)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
『スリープクリニック銀座』院長。日本睡眠学会睡眠医療認定医師。信州大学医学部卒業後、国立精神・神経センター精神保健研究所、国府台病院精神科睡眠外来、代々木睡眠クリニックを経て現職。共著に『女性のための睡眠バイブル』がある。
●スリープクリニック銀座(http://www.sleepmedicine-tokyo.com/clinic/ginza.html)
※この記事は2013年03月25日に公開されたものです