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あなたはどのタイプ? 耳鼻咽喉科医に聞く、いびきの原因

木村聡子

「いびきが恥ずかしくて友人と旅行にいけない」「彼氏にいびきがうるさいと言われた」……など、あなたはいびきについて悩んでいませんか? 今回はいびきの原因について耳鼻咽喉科医・木村聡子先生の解説を元に紹介します。

寝ている

<目次>

いびきって何? いびきのメカニズム

そもそもなぜ、寝ているときに鼻や口から音が出てしまうのでしょうか? いびきのメカニズムについて、木村先生に教えてもらいました。

医者

空気の通り道である「上気道」が狭くなっている

「上気道」とは、空気の通り道のうち、鼻からのど(咽頭、喉頭)までの部分を指します。この中でも特に、鼻や咽頭部分の空気の通り道が狭くなることで空気の流れが乱れ、結果として軟口蓋を振動させ、音が出ます。これが「いびき」と呼ばれるものです。

いびきの主な原因3つ

いびきのメカニズムについてわかったところで、次にいびきの原因を見ていきましょう。木村先生によると、寝姿勢や体質など、いびきはさまざまな原因で起こっているようです。

いびき

(1)体質によるもの

肥満・首が短くて太め

首にたくさん脂肪が付くことによって、喉の空気の通り道が狭くなるために起こります。もともと首が太くて短い方も同様です。

のどちんこ(口蓋垂)が長い・舌が大きい・下あごが小さいなど

生まれつきの体質ですが、これも空気の通り道が狭くなる原因となります。

鼻中隔弯曲症

鼻中隔弯曲症とは左右の鼻を仕切る骨が曲がっている病態で、鼻づまりを起こすことがあります。鼻がつまると口呼吸になり、いびきの原因になります。

加齢による筋力の低下

通常、高齢になると筋肉は落ちていきます。喉の筋力が落ちると舌根(舌の付け根)が気道に落ちこみ、その結果として空気の通り道が狭くなります。

女性ホルモンの減少

女性ホルモンにはいびきを防ぐ効果があると言われており、閉経すると女性ホルモンの分泌が減るため、いびきをかきやすくなることがあります。

扁桃肥大

喉には口蓋扁桃(よく言う扁桃腺)、咽頭扁桃(アデノイド)、舌根扁桃などの扁桃組織があり、そのうちのいずれかが大きくなると、空気の通り道が狭くなることがあります。

(2)体調からくるもの

鼻炎やアレルギー

風邪をひいたとき、花粉症を含むアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)など、鼻づまりを引き起こすものは何でも原因になり得ます。

疲れている

疲れているときは、身体が疲れを解消しようとして多くの酸素を取り込もうとします。そのため口呼吸になる傾向があり、いびきの原因となります。

ストレス

ストレスがたまっていると自律神経が乱れ、呼吸が浅くなります。そうなると脳に必要な酸素が十分に取り込めず、身体はより多くの酸素を取り込もうとして口呼吸になる傾向があります。

(3)生活の癖によるもの

あおむけで寝る

重力によって舌が下側(背中側)に引っ張られるので、空気の通り道が狭くなります。横向きで寝た方がこの影響は少なくなります。

バンザイして寝る

両手を挙げて寝ると、下顎が下向きに引っ張られる形となり、気道が狭くなります。

飲酒

お酒には筋肉を緩める作用があるため、お酒を飲んで寝ると喉の筋肉が緩み、気道が狭くなります。

睡眠薬

睡眠薬にも筋肉の緊張をほぐす作用があり、お酒と同様に気道が狭くなることがあります。

原因別! いびきの対策法

いびきの原因には大きく分けて、体質、体調、生活の癖の3つがあることがわかりましたね。体質が原因となる場合、専門医の治療が必要になってくるので病院で受診することをオススメします。疲労やストレスなど体調からくるいびきは、日々の生活を見直しましょう。ここでは、生活の癖によって起こるいびきの対策法について紹介します。

寝てる人

あおむけで寝る人

あおむけで寝るのが習慣になっている場合、急に横向きで寝るのは難しいでしょう。そこで枕の片側下にタオルを入れて、枕を斜めにしてみましょう。横向き寝をサポートしてくれます。抱き枕を使うのもオススメです。抱き抱える姿勢をとることで、楽に横向きで眠れます。

バンザイして寝る人

横向きで寝るようにしたり、抱き枕を使うなどして、なるべくバンザイの姿勢にならないように工夫してみましょう。

喫煙している人

喫煙は、がんや心筋梗塞、呼吸器疾患などさまざまな病気を引き起こすだけでなく、慢性的に喉の粘膜を腫らし、いびきをも引き起こします。お金もかかりますし、タバコを吸っていいことは何もありません。これを機会にぜひ禁煙してみてください。

飲酒する人

飲酒をしないのが一番ですが、どうしても飲みたい場合は、アルコールの吸収をなるべく抑えることをポイントに飲みましょう。

アルコールの吸収を抑えるには、アルコールを飲む前にある程度おなかを満たしておくと効果的です。また、こまめに水(チェイサー)を飲むことも忘れないようにしましょう。

まとめ

いびきの原因や対策法について紹介してきました。いかがでしたか? いびきといってもさまざまな原因があることがわかりましたね。いびきに悩まされている……という人はまず、自分がどのタイプなのか原因を見極めることからはじめましょう。もし体質が原因だった場合は、専門医の治療が必要です。迷わず病院を受診しましょう。

(取材協力:木村聡子、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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