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オメガ3脂肪酸の効果と摂取方法

豊永彩子

ファナティック

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青魚や亜麻仁油などに含まれるオメガ3脂肪酸は、人間にとって欠かせない栄養素のひとつです。最近ではオメガ3脂肪酸が入った食品も販売されていますが、どんな効果があるのでしょうか。オメガ3脂肪酸の働きや効率的な摂取方法、サプリメントで摂取する場合の注意点などについて、管理栄養士の豊永彩子さんに教えていただきました。

<目次>

オメガ3脂肪酸って意識してる?

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最初に、普段からオメガ3脂肪酸を意識して摂取している人はどれくらいいるのか、女性のみなさんにアンケート調査をしてみました。また、「意識している」と答えた人には、体感している効果についても聞いてみました。(※1)

オメガ3脂肪酸を意識している人の割合

Q.普段、オメガ3脂肪酸を意識して摂取していますか?

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・摂っている……6.4%
・摂っていない……93.6%

日頃からオメガ3脂肪酸を意識して摂取している人は、わずか6.4%という結果になりました。まだまだオメガ3脂肪酸は浸透していないようです。では、どんな食品からオメガ3脂肪酸を摂取しているのでしょうか。

オメガ3脂肪酸の摂取源

Q.オメガ3脂肪酸を何から摂取していますか?

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・魚類……35.0%
・ナッツ類(くるみやナッツなど)……30.0%
・油類(亜麻仁油やえごま油など)……25.0%
・豆類……5.0%
・その他……5.0%

魚類が一番多く、次いでナッツ類や油類などから摂取している人が多いようです。そこで、オメガ3脂肪酸を摂取して感じている効果についても聞いてみました。

オメガ3脂肪酸を摂取して感じている効果

肌がきれいになった

・「お肌がきれいになっている気がする」(21歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

・「肌の荒れがましになった気がする。花粉症もましになったような」(34歳/運輸・倉庫/その他)

オメガ3脂肪酸を摂取することで、肌に変化を感じている人もいるようです。質のよい脂が肌にいい影響を与えているのかもしれませんね。

体調がよくなった

・「意識して摂取していなかった頃よりも、体の細胞が活性化しているのか体が軽い気がする」(34歳/その他/その他)

・「体調がよくなっている感じがする」(28歳/学校・教育関連/専門職)

体調がよくなったと感じている人もいました。オメガ3脂肪酸には、脳や細胞にもいい影響があるのかもしれません。

オメガ3脂肪酸の効果

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オメガ3脂肪酸を普段から意識している人は少数でしたが、摂取している人は肌や体調によい変化を感じているようでした。そこで、オメガ3脂肪酸とはどんな栄養素で、摂取すると体内でどんな働きをするのかについて、管理栄養士の豊永彩子さんに聞いてみました。

オメガ3脂肪酸とは

豊永:オメガ3脂肪酸は、不飽和脂肪酸に属する脂肪酸の一種です。脂肪酸は、3種類の原子(炭素C/水素H/ 酸素O)が鎖のように連なり、カルボキシル基(COOH)という化合物と繋がって構成されています。脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類があり、不飽和脂肪酸にはオメガ3、オメガ6、オメガ9などがあります。

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少し難しい内容となってしまいましたが、飽和脂肪酸は冷やすと固まるバターやラード、肉の脂肪などが代表的な「脂」、不飽和脂肪酸は冷えても固まらない液体の「油」が代表的なものです。

オメガ3脂肪酸の体内での働き

豊永:オメガ3脂肪酸は、α-リノレン酸、EPA、DHA などの脂肪酸に分類できます。少し難しい言葉が並びますが、「体内のメカニズムを正常に働かせるために必要な材料」という前提でお読みください。

α-リノレン酸

α-リノレン酸は、抗炎症作用やアレルギー症状の緩和などの効果が期待でき、体内でEPAとDHAに変換されるという特徴があります。

EPA

EPAは、細胞の分裂や増殖、ホルモン分泌といったあらゆる働きに関与する「エイコサノイド(体内の生理機能の調節に関わっている物質の総称)」を合成します。それにより、心疾患や脳卒中の予防を助ける可能性があるとされています。

DHA

DHAは、脳内の主要な脂肪酸であり、脳の発達や情報伝達機能に大変重要であるとされています。炎症抑制効果や、「ハッピーホルモン」と呼ばれる「セロトニン」の血中濃度を上昇させる働きがあることから、メンタルヘルスへの効果も期待されています。

「脂肪」と聞くとネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれませんが、健康に対するさまざまな効果が期待でき、注目されている栄養素であることは事実です。日々の食事の中で摂り入れる意識は大切だと言えるでしょう。また、最近ではアトピーや皮膚炎の緩和、花粉症の症状改善などにも有効であると言われており、中にはそのような効果を感じている人もいるかもしれませんが、はっきりとした効果を証明するには十分な研究結果が出ていないという現状もあります。

オメガ3脂肪酸を含む食材と摂取方法

オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸に属し、体内メカニズムを正常に働かせるために必要な栄養素だとわかりました。それでは、オメガ3脂肪酸はどんな食品に多く含まれていて、どうすれば効率よく摂取できるのでしょうか。豊永さんに教えていただきました。

オメガ3脂肪酸を含む食材

豊永:オメガ3脂肪酸は体内で作り出せないため、必ず食品から摂取する必要があります。「オメガ3脂肪酸の体内での働き」でも解説したように、代表的なオメガ3脂肪酸はα-リノレン酸、EPA、DHAの3種類で、α- リノレン酸は、一部体内でEPAやDHAに変換できるという特徴があります。それでは、オメガ3脂肪酸を多く含む食品の代表例をご紹介しましょう。

α-リノレン酸

・えごま油
・亜麻仁油
・しそ油
・くるみなど

聞き慣れない人もいるかもしれませんが、最近ではスーパーの油売り場などで簡単に手に入るようになりました。見た目は液体の油ですが、サラダ油(=調合油)や大豆油とは脂肪酸組成が異なります。また、油ではありませんが、くるみにも豊富に含まれています。

EPA・DHA

・ハマチ
・サバ
・マダイ
・アユ
・イワシ
・サンマ
・ブリなど

魚類に多く含まれていて、特に青魚には豊富に含まれています。

オメガ3脂肪酸の効果的な摂取方法

豊永:オメガ3脂肪酸は不安定な構造をしていて、空気に触れたり、加熱・光にさらされると酸化しやすいという特徴があります。そのため、えごま油や亜麻仁油、しそ油は加熱せずに、そのまま摂取することがポイントです。

1日に小さじ1杯(約4g)程度を目安に、サラダにかけたりスムージーに混ぜたりして摂取しましょう。これで1日に摂りたいオメガ3脂肪酸の量(※2) をクリアすることができます。EPAとDHAは魚類に多く含まれますが、100gで約1.5~2gを摂取することが可能なので、週3回程度食事に魚類を取り入れることも大切です。

オメガ3脂肪酸を摂取するときの注意点

豊永:魚からオメガ3脂肪酸を摂取する場合は、加熱料理よりも生で摂れるお刺身やカルパッチョなどがおすすめです。もし加熱が必要なときは、なるべく鮮度が高い魚を選ぶようにしてください。えごま油や亜麻仁油、しそ油は、先ほどもお伝えした通り、加熱せずに生の状態で摂取しましょう。

オメガ3脂肪酸を含む食品の保存方法

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オメガ3脂肪酸は酸化しやすい性質があるとわかりましたが、保存方法で気をつけるべきポイントはあるのでしょうか。豊永さんに教えていただきました。

豊永:魚の場合は鮮度が高い状態が理想的なので、お刺身はその日のうちに食べるようにしてください。加熱用の魚や油類の保存方法は、以下の通りです。

魚の保存方法

・ラップでぴったりと包む
・密封可能なチャック付きの袋に入れる
・冷蔵庫や冷凍庫などで保存する

油の保存方法

・黒い遮光瓶や箱に入っているものを選ぶ
・小ぶりなサイズの商品を選び、短期間で消費できる量をこまめに購入する
・直射日光や照明の当たらない場所で保管する

オメガ3脂肪酸を多く含む食品は、なるべく空気や光に触れないようにして、酸化を防ぐことがポイントです。

サプリメントでオメガ3を摂取する方法

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最近では、オメガ3脂肪酸が含まれたサプリメントも販売されていますよね。食品ではなく、サプリメントからオメガ3脂肪酸を摂取することについて、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。サプリメントの摂取方法について詳しく解説します。

オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂取するメリット

豊永:さまざまな理由で、食事からオメガ3脂肪酸を取り入れることが難しい人は、サプリメントを有効活用するとよいでしょう。しかし、サプリメントを摂取したとしても、食材から取り入れた場合と同じように体内に吸収されるとは限らないため、あくまで食事の「サポートアイテム」という位置付けで考えることが大切です。

オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂取するデメリット

豊永:サプリメントの場合、食品から摂ることが難しい量の栄養素を、簡単に摂取できてしまう可能性があります。しかし、適切な摂取量などを把握せず、過剰な量を摂取してしまった場合などには、健康障害のリスクもゼロではありません。

オメガ3脂肪酸のサプリメントの選び方

豊永:オメガ3脂肪酸は不安定な脂であるため、加工過程における酸化(劣化)で品質が低下している可能性があります。サプリメントの形態はカプセルや粉末、ゼリータイプなどさまざまなので、加工過程の酸化が考慮されているかどうかが重要なポイントです。

選び方としては、「低温抽出」「低温製造」などの加工方法で、加熱による酸化を回避していること。またはビタミンEを添加して酸化防止を試みていること。パッケージに記載されている「原材料表示」の上位に、主要成分が表示されているかどうかをチェックしましょう(原材料表示は含有量の多い順番に表記されています)。

サプリメント購入時のチェック項目

・低温抽出、低温製造などで酸化を防いでいる
・ビタミンEを添加して酸化を防いでいる
・原材料の上位に主要成分が表示されている

オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂取する場合の注意点

豊永:最近はコンビニや100円均一でもサプリメントを見かける時代です。そのため、表面の商品パッケージだけではなく、裏面の原材料表示やパンフレットをしっかりとチェックし、含有量や品質を自分自身で見極める必要があります。よりよいものを選択するスキルが必要になるでしょう。口コミや売り上げランキングだけではなく、製造元に問い合わせるなどして、品質を確かめることをおすすめします。

まとめ

オメガ3脂肪酸は、最近注目されている栄養素です。さまざまな食材からオメガ3脂肪酸を取り入れる意識を持つことで、日々の食事のバリエーションが充実し、自然と栄養素の種類も豊富になるでしょう。ただし、オメガ3脂肪酸は薬ではありません。効果や効能を期待するのではなく、習慣的に取り入れることで、自分にどのような変化があるかを観察してみてください。

(取材協力:豊永彩子、文:ファナティック)

(※1)マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年5月2日~5月8日
調査人数:309人(22歳~34歳の女性)

(※2)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」
n-3系脂肪酸目安量(年齢により異なる)
女性1.6~2g/日、男性2~2.4g/日

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.09)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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