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【妊娠出産のウソ&ホント】ウオーキングをすれば出産日を早められるってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

ヨダヒロコ/六識

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

出産予定日が近づくと、先生から「体を動かしてくださいね」なんて指導をされることがあります。ウオーキングをすると赤ちゃんが下がってくるイメージがありますが、出産を早めることができるということなのでしょうか? 今回は、そんな妊娠中のウオーキングにまつわるウソ&ホントに迫りました! 産婦人科医の尾西芳子先生に解説してもらいましょう。

本日の「ソボクな疑問」

Q.ウオーキングをすると出産日が早められるってホント?

rf10205411_l<読者の声>

・どれくらいの運動をしていいのか疑問。(24歳/医療・福祉/専門職)
・たくさん運動すれば赤ちゃんが下がってきて予定日が早くなると聞いたことがある。(28歳/情報・IT/秘書・アシスタント職)
・体にはよさそうだけど、出産予定日と関係があるのかは不明です。(25歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・運動をすると子宮口がひらくと思う。(33歳/生保・損保/事務系専門職)

尾西先生のアンサーは!?

う~ん答えは……
う~んです!

この説は、「運動をすると子宮が収縮しておなかが張り、子宮の入り口が広がっていくために出産が早まる」という説が根拠になっているのだと思います。たしかに、妊娠後期は体が重く、運動をするのがおっくうで体重が増えてしまう人が多いため、ウオーキングなどの有酸素運動はオススメです。ただし、ウオーキング程度では、陣痛につながるような張りは起こりません。

出産予定日を過ぎてしまい、早く陣痛がきてほしいのであれば、ウオーキングよりも“上下の動き”が入るほうがおなかが張りやすくなります。たとえば、スクワットなどが有効ですね。また階段をのぼるのもいいでしょう。階段を下りるのは足元が見えなくて危ないので、私が指導する場合は、「階段をのぼってエレベーターかエスカレーターで下りてきてくださいね」と言っています。なお、上下の動きがいいからといって、縄跳びなど激しい運動は赤ちゃんや胎盤へ負担がかかりすぎるのでやめましょう。

「どれくらいの運動をしていいのか疑問」というコメントがありますが、私は「筋肉痛になるくらいまで」と伝えています。スクワットや階段をのぼるといった運動は、1日3回程度が目安ですね。スクワットなら1回につき10回でも、臨月の妊婦にはそれなりに負担がかかると思います。

とはいえ、誰もがたくさん運動すればいいというわけではありません。赤ちゃんが週数に比べて小さい場合は、お母さんから栄養がうまくもらえていないことも多いのです。そういうお母さんが運動をして自分でエネルギーを使ってしまうと、余計に赤ちゃんへ栄養がいかなくなってしまうということも起こります。それなら、お母さんの体重が多少増えていてもおとなしくしておいたほうがいいこともあるので、医師の指導に従うようにしましょう。

いくら早く産みたいからといっても、運動は正期産=妊娠37週に入ってから。正期産に入るまでは赤ちゃんも未熟ですので、それまではしっかり待ってあげてくださいね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※一部画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.24)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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