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【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠したらハゲるってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

妊娠中や産後の先輩ママに会ったとき、「あれ? 髪の毛が少なくなった?」と感じることはありませんか? また実際に抜け毛がひどくて、「このままだとハゲてしまうんじゃ……」と心配する先輩ママの声を聞くことも。妊娠や出産によって体に変化が出るのは仕方がないことだとしても、本当にハゲてしまうこともあるのでしょうか? 今回は、そんな抜け毛にまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊娠したらハゲるってホント? 

<読者の声>

・栄養が取られ、細くなりそう。(23歳/自動車関連/秘書・アシスタント職)
・産後の抜け毛が多いと聞いたことがある。とても不安。(28歳/医薬品・化粧品/販売職・サービス系)
・前髪部分が、一時的ではあっても抜けると聞いている。(32歳/ホテル・旅行・アミューズメント/その他)
・髪の毛に変化が起きるというのは聞いたことがない。もし何かしら変化があるのならどういうものか知りたい。(30歳/その他/その他)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ホントです!

ただし、妊娠中にハゲるというよりも、産後のほうが抜け毛はひどくなります。これは、妊娠を維持する働きをする「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンの増加により、毛周期が変化してしまうことが関係しています。

毛というのは本来、成長期、退行期、休止期という3つのサイクルで生え替わりを繰り返しているのですが、そのサイクルをプロゲステロンが狂わせてしまうと言われています。個人差はありますが、毛周期が延びてしまうことにより、妊娠中は毛が濃くなったり、生え替わりが悪くなってしまったりする傾向にあるのです。逆に、出産後はプロゲステロンの数値ががくんと下がるので、毛周期のサイクルが通常に戻り、一気に退行期に入ってしまうため、ばっさり抜け落ちてしまって髪の毛がなくなったように感じます。またプロゲステロンだけでなく女性らしさを作るエストロゲンも出産後に急減するのでそれも産後の脱毛の原因です。

とはいえ、妊娠中はみんな一様に髪の毛が増えるというわけではありません。「栄養が取られ、細くなりそう」と読者のコメントにもある通り、赤ちゃんに栄養を取られてしまい、妊娠中に髪の毛が細くなってしまうことはあります。また、妊娠によるストレスで、毛が抜けてしまうことも。なぜなら、精神的な緊張度が増せば血行が悪くなり、髪の毛まで栄養が行き届かなくなるからです。もちろん、これらは産後の抜け毛の原因にもなります。

「前髪部分が、一時的ではあっても抜ける」という声がありますが、特に前髪部分がよく抜けるということはありません。ただ、前髪部分はもともと毛が細いので、人によってはそこだけが抜け落ちたように感じやすいのかもしれませんね。また、前髪部分に限らず、たとえば「一部分だけがハゲる」といった場合は、ストレスによるものがほとんどです。

少しでも抜け毛を予防したいのであれば、タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富な食生活を送ることが必要不可欠です。特に、タンパク質、ミネラルの中でも亜鉛や鉄が、髪の健康に役立っているので、しっかり摂るようにしましょう。また髪に十分な栄養が届くよう、頭皮マッサージなどで血行をよくしておくのもいいと思いますよ。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※次回の更新は8月27日(土)です。お楽しみに!

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