医師に聞く、五月病の症状と対処法。漢方薬も有効!
五月病の症状とは?
はりきって新学期、新生活に挑んだものの、周囲となじめなくて憂鬱。4月に頑張り過ぎた分、ちょっと気力がバテ気味。期待していた状況とのギャップを埋められない……。最近、こんな「五月病」を感じている人もいるかもしれません。
五月病は具体的にどこかが痛むというような身体症状が現れないことも多いため、「気のせいだ」「そのうち治る」と思ったり、病院へ行くことを躊躇してしまう人も多いもの。でも、いつもより気持ちが落ち込んでいる状態を放っておくのは考えものです。そこで、東京・自由が丘にある「たまきクリニック」の玉木優子先生に、五月病の対処法について聞いてみました。
「自分がリラックスできることをして、症状が改善されればいいのですが、下記のような症状が続く場合は、一度病院に行ってみることをおすすめします」
・眠れない、朝起きられない
・食欲がない、食べられない
・今まで楽しめたことが楽しめない
・いつの間にか涙が出てくることがある
・仕事の効率が落ちた、ミスが増えた
「心療内科や精神科に行くのは抵抗があるという方も多いと思います。でも、不調はため込まないことが大切。症状が軽いうちに対処すればすぐよくなることも、放っておいたら悪化して対処が大変になってしまうことも。『こんなことで病院に行っていいのかな?』という小さな悩みでも、気軽に相談に来ていいんですよ」と玉木先生。
五月病に有効な漢方薬とは?
また、「西洋薬の向精神薬に不安を抱えている方もいるかもしれません。そういった場合は、漢方薬を処方することもできます。漢方薬は、症状にダイレクトに効くというよりは、穏やかに、気がついたら調子がよい、そんな効き方をします」
五月病に処方することの多い漢方薬として、玉木先生が教えてくださったのは、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」と「加味逍遙散(かみしょうようさん)」の2つ。それぞれ、どのような漢方薬なのでしょうか。
「半夏厚朴湯は、気のつまりを解消し、全身の気を穏やかにしてくれる作用があります。不安を感じるとき、喉や胸に何か詰まったような気がすることがありますよね。ああいった状態を解消し、動悸や吐き気にも効果があるといわれています。加味逍遙散は、落ち込んでいる状態というよりは、イライラして気持ちが収まらない状態のときに用います。半夏厚朴湯は気がつまっている状態の場合に使いますが、加味逍遙散は体の中で気の偏在が起こっている状態に用います。女性に対して処方する場合が多く、五月病以外にも更年期障害のときに用いることも多いです」
「向精神薬を使わなくても、漢方薬やカウンセリングで吐き出しただけで症状が改善することもあります。できるだけしんどくなるより前に来院するようにしてください」と玉木先生。
体も心も、自分が思っているほど無理はできないもの。異変を感じたら、早めに対処することが必要なようです。
※漢方薬の服用は医師の診断を受けてからをおすすめします
(取材協力:玉木優子、文:マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください