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産み時ってあるの? 妊娠・出産に備え、「いま準備すべきこと」

平野智美/OFFICE-SANGA

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

■計画的な「妊活」。その理想と現実は?

今後の人生設計を考えると、計画的な妊娠・出産を理想としている女性は少なくないもの。しかし、現実にはうまくいくのでしょうか。

「何歳までに妊娠・出産をするために基礎体温をつけて、ここぞという日にセックスをする、なんて話を聞くこともあるのでは? 計画的な妊娠について、相談もたくさん受けます。あせる気持ちもわかりますが、男性にしてみればプレッシャーに。それでダメになっちゃうカップルもいっぱいいるんですよ。

そうならないためにも、今現在、できることは、やはり相性のいい『信頼できるパートナー』を見つけること。そして結婚した暁には、相手との性生活を楽しむことを第一に考えて、その愛の結晶として子どもが授かればいい、くらいの気持ちでいたほうがいいと思います」

■情報に惑わされすぎず、「妊娠・出産」の正しい知識を手に入れて!

ところで、出産用語もその実情がよくわからないものが多くありますが、よく聞くのが「無痛分娩」という選択。出産時の痛みをとりのぞくというメリットを感じる半面、母体にも赤ちゃんにもよくない影響があるように感じる人もいるそうです。また、自然分娩の「痛み」があってこそ子どもに愛着がわく気がするのですが……。

「まず、大切なことは“痛み”で愛情がわくと言うことはありません。陣痛のときには確かに『オキシトシン』という愛情のホルモンが出ますが、痛みをとってもこのホルモンは出ます。だから無痛=子どもへの愛情がわかない、なんてことはありません。無痛分娩を選択したからといって、母になる心構えとしてダメだということはないんですよ。

ただ、無痛分娩にはデメリットもあります。たとえば、お産の時間が延びたり、血圧が下がるなどして赤ちゃんの状態を悪くする可能性も。そのようなことを知った上で、選択するか否かを決めたほうがいいですね。

現代では妊娠・出産について情報過多で、間違った情報も氾濫しています。惑わされず、気になることは専門家に相談することをオススメします」

ひとくちに妊娠・出産といっても知らないことがいっぱい。しかし子どもを望むならば、しっかりと知識を身につけておくことが大切です。また、女性の身体について知り、産婦人科を訪れる習慣をつけておくことは、女性特有の病気から身体を守ることにもつながります。

「まだパートナーもいないし、妊娠についてはそのうち考えよう」ではなく、「いつかは子どもがほしい」と思っているのなら、今からやれることを早速はじめていきたいですね!

(取材協力:宋美玄、文:平野智美/OFFICE-SANGA)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.12)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2015年06月17日に公開されたものです

平野智美/OFFICE-SANGA

埼玉県出身。『TVぴあ』の記者を皮切りにライター・編集稼業スタート。旅行雑誌『エイビーロード』に関わったあたりから旅行記事へとシフト。数々の雑誌、MOOK、ガイドブック、旅行パンフレット、インターネットのサイトで旅行記事、グルメ記事、エンターテインメント記事を手掛ける。旅行記事で得意なのはアジア、ハワイ、アメリカ(主に南部)など。城めぐりやフラダンスが趣味。地元・埼玉をこよなく愛する。

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宋美玄(産婦人科医・医学博士) (産婦人科医・医学博士)

大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。

主な著書に、ベストセラーとなった『女医が教える本当に気持ちいいセックス』がある。

一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

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