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【新連載】親友からの突然の結婚報告を、素直には喜べなくて……

「……ふう」
婚活パーティから5日後。
再びの休み前なのに気持ちは晴れない。

休みの日も別にヒマなわけではない。
春物の服の用意やブーツの手入れなど、
やることはいくらでもある。
そう、憂鬱の理由はわかっている。
何を楽しみに暮らしたらいいのか解らないから。
要するに、希望がない……。
何か決定的なことに気づいた感じがして、
心底ぞくっとした瞬間、ひどく能天気な声で
「先輩ーっ!」と呼ばれて振り向いた。
呼んだのは、お店の後輩のカズちゃんだ。
「 ん、なあに?」
「あの、もしよかったらこれから、
駅前のボックスでカラオケしませんか?
東池袋店の北泉さんが彼氏にふられたんで、
応援会するんです。」
「そうね。気分転換も兼ねて参加しますか」
「わーい、よろしくお願いします」

「イェーッ、みんな行っくぞー!」
何でこうなったんだろう。
ちょっとした気分転換のつもりだったのに、
気づいたらソファの上に立って歌ってる。

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