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【新連載】親友からの突然の結婚報告を、素直には喜べなくて……

「あれ、帰っちゃうの?」
二次会終了後に会場を出ようとすると、
さっきまで隣の席いた、
新郎の友人たちに呼び止められた。

「ぼくたちカラオケにいくんだけど、
和田さんもいっしょに来ない?」
新郎の友人たちの中には、
有花の同級生だった女性も混じっている。
一瞬、どうしようかなと迷ったけれど
「じゃあ、行く」と笑顔で応えた。
今日はお祝いの日でもあるし、
クタクタになるまで遊び倒すことにした。

カラオケボックスまで歩いていく間、
有花と新郎の高校生の頃の話を聞きながら、
あ、もしかするとこの中に将来、
夫となる人がいるのかもしれない、とも思った。

でも今はまだ焦らずに今日この時を楽しみたい。
それで一生ひとりなら、それも仕方がないのかも。
でももし誰かと結婚するのなら、
有花みたいに愛し愛される人とがいい。

そのことが心に定まっただけでも、
有花の結婚式に出て、本当によかったと思った。

 (おわり)

※この記事は2013年02月07日に公開されたものです

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