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【新連載】親友からの突然の結婚報告を、素直には喜べなくて……

「有花、おめでとう! 本当にきれい」
「ありがとう」
式が終わった後、二次会に移る前のほんの短い間、
わたしは彼女と式場のロビーで言葉を交わし、
いっしょに写真を撮った。
ウエディングドレスは有花が動くたび、
さやさやとかすかな音をたて、
命が宿っているような神秘的な感じさえした。

そして二次会。
新郎は有花の高校の同級生なこともあり、
どことなく彼女と雰囲気が似ていた。
そして集まった男性も新郎と似て、
明るくて活発で、親しみやすい人ばかりだ。
軽い自己紹介の後で、
新郎新婦にちなんだクイズや、
中に一つ、とびきり辛い具の入った、
餃子アンルーレットなどを楽しみながら、
何時の間にか、そばに座った何人かの男性と、
親しく話ができるようになっていた。

それもたぶん新郎新婦の仲良さそうなオーラが、
その場にいる人たちをさらに明るく、
親しみやすくしているからだろう。
特に有花の心底幸せそうな微笑みが、
みんなを酔わせてしまうからに違いなかった。

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