介護食資格とは?介護食マイスターになるには?資格や仕事内容は?
介護食マイスターは、高齢者の食べる力をサポートする介護食の専門家です。『超高齢社会』とも言われている現代、介護食の知識は介護現場や家庭でもより必要とされてきています。そんな介護食マイスターについての知識をまとめました。
介護食マイスターとは?
介護食マイスターは、介護食のスペシャリスト。加齢や疾患などによって食べる力や飲み込む力が低下した高齢者の、食べる楽しみや栄養などの『食』を守る職業です。
私たちが普段何気なくしている食事ですが、ただ食事をするにも実は様々な機能が必要。特に『噛む』『飲み込む』といった機能は加齢や疾患で衰えがちで、誤嚥性肺炎などによる命の危険にもさらされます。
うまく食事が食べられないと栄養状態も悪化してしまい、何よりも生きていく上での楽しみが奪われてしまうのです。しかし、食材や調理法、食事の形態(きざみ食・流動食など)の工夫によって、まだまだ食事は楽しめます。介護する側に知識と技術があると、あきらめずにより適したサポートが可能になります。
介護食マイスターは介護食に関する様々な知識を携え、介護現場や食品業界などで幅広く活躍しています。在宅介護においてもその知識と技術は十分に生かせるため、今注目度の高まっている職業なのです。
介護食マイスターになるにはどうする?
『介護食マイスター』は、日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する民間資格の名称です。毎年偶数月に行われている認定試験に合格すると、『介護食マイスター』として認定されます。介護食マイスターの資格試験には、受験資格は定められていません。
しかし、高齢者の食事に関する基本的な知識や、食事介助についてなどの幅広い知識が必要です。独学では難しい部分も多く、通信講座などで順序立てて学ぶのが良いでしょう。在宅受験で、70%以上の評価によって合格と認められます。
介護食マイスターはこんな分野で活躍!その仕事内容は?
介護食マイスターの仕事はややイメージが難しいかもしれませんが、介護業界を中心に食品関連企業でも活躍しています。具体的にはどのような仕事をしているのか、分野ごとに見てみましょう!
介護施設
介護食マイスターが最も活躍できるのは、やはり介護施設でしょう。介護施設では、入所者(入居者)のために1日3回の食事作りが必要です。施設に入所している人の中には、飲み込みなどに問題を抱えている人も多く、介護食についての知識は介護施設には欠かせません。
介護施設では、介護食マイスターは実際の調理を行ったり調理指導を行ったりします。スタッフの中には介護食についての知識があまりない人もいるため、専門的な知識を持った介護食マイスターの存在は重要です。介護スタッフや調理スタッフをしていて、そこから介護食マイスターの資格を取得するケースも多々あります。
それだけ介護食マイスターの知識と技術は、介護施設の現場で必要とされているのです。
食品メーカー
食品メーカーでは、最近介護食にも力を入れているところが増えています。世間の介護食に対するニーズが増えてきているのです。手軽に使えるレトルト食品やフリーズドライ食品など、最近はその種類もかなり豊富になりました。介護食マイスターは、市販の介護食の企画や開発に携わる場合もあります。
介護食や高齢者の特徴などを十分に理解している介護食マイスターだからこそ、より良いアイデアが浮かぶのですね!実際に施設などでの勤務経験があると、さらに現場の声に寄り添った商品になるでしょう。食品メーカーでの介護食マイスターの需要は、これからどんどん伸びてくると思われます。
配食サービス
最近では、高齢者向けの配食サービスも増えて来ました。高齢者だけの世帯は都心・郊外問わずに増加しているため、配食サービスの需要はかなり高まっています。介護食マイスターとしての知識は、配食サービスのメニュー開発や調理にも十分に発揮できるのです。
特に直接高齢者と接していた人にとっては、実際に高齢者がどのような食事を求めているかが分かるため、さらに重宝されるでしょう。ちょっとした工夫で、食事は高齢者にとってより食べやすくより美味しいものになります。配食サービスは、介護食マイスターとしてのやりがいもある仕事だと言えます。
介護用品メーカー
介護食マイスターは、介護用品などのメーカーも活躍の場です。食事そのものだけではなく、食事介助の方法やコツなどについての知識もあるため、必要な介護用品のアイデアの提案なども現場ではとても重宝します。
実際に調理や介護をする人でしか分からない視点や知識が必要とされるため、介護食マイスターは非常に役に立てる人材と言えます。実際に自分が携わったものが商品になる喜びは、なかなか他の仕事では味わえませんよ!
家庭での介護
介護食マイスターは、家庭での介護のために資格取得する人も多いです。在宅介護や高齢者との生活では、毎日の食事作りが大変。他の家族の食事とは別に作らないといけない場合もあるし、調理法を変えなければならなかったりもするでしょう。毎日毎日必ず繰り返さなければならない食事は、介護の中でもかなりストレスになるものです。
健康状態にも直結するので、おろそかにもできません。介護食マイスターとしての知識を得ていると、介護食を作るのがとても楽になります。自己流で勉強するだけでは分からなかった理論的な部分が分かると、気持ちの持ち方まで変わりますよ!
介護食マイスターに向いている人・向いていない人
介護食マイスターは、通常の食事が困難になった高齢者に食べる喜びを提供します。衣・食・住はどれも欠かせませんが、その中でも最も欠かせないのが『食』。介護食マイスターは、生きるために重要な『食』を守る大切な職業です。
介護食マイスターに関連する資格そのものは誰でも取得可能ですが、やはり向いている人と向いていない人がいます。それぞれにまとめてみましたので、参考にしてください。
介護食マイスターに向いている人
- 高齢者との関わりが好きな人
- 調理の工程や工夫を楽しめる人
- 観察が得意な人
- 介護経験がある人
- 好奇心旺盛な人
介護食は、高齢者の生活そのものを支えます。食事に問題を抱えていると、健康状態にすぐに影響し認知症などのリスクも高まりがち。食は介護の中でも優先順位の高いものと言えるでしょう。
しかし、介護食は通常の食事と比べると作るのに手間がかかり、面倒なものです。高齢者との関わりが好きで、生活をより充実させてあげたいなどの志がないと、続けるのは大変でしょう。普段から対象の高齢者とよくコミュニケーションを取っている人は、より細かな思いや希望もくみ取って食事作りに生かせるはずです。
介護食を作るには、やわらかくしたり細かく刻んだりしなければなりません。そのままでは食べられないものも、工夫次第では高齢者でも食べられる場合もあります。今は食べられない好きなメニューを食べさせたいといったケースでは、食材を変えてみたり調理方法を変えてみたりと様々な工夫も必要です。試行錯誤して調理をし、またそれを楽しめる人は介護食マイスターに向いています。
介護食は作るのが目的ではなく、美味しく安全に食べてもらうのが目的。高齢者が介護食を食べる様子をよく観察し、さらに改善点はないか工夫を重ねていけると最高ですよね。対象となる高齢者が思いをすべて口にしてくれるとは限らず、加齢や疾患によっては表現が難しい場合もあります。
細かな反応に気がつける観察力があると、高齢者と接する上でかなり役に立つのです。介護の現場で働いていたり自宅での介護経験があったりすると、高齢者の特徴がよく分かるでしょう。実際の高齢者を知らないと、分からない問題もたくさんあります。
『食』は、ただそれだけの問題ではありません。睡眠の状態・排泄の有無・食事の環境(室温や人数、音、明るさなど)など、高齢者の食は様々な要素が影響しています。高齢者を全体で捉え理解できる人は、よりその人に適した介護食が提供できるはずです。
毎日の食事作りは、介護食でなくても大変なもの。様々な食材や調理法、メニューなどあらゆるものに興味を持てる人は、介護食マイスターに向いています。新しいものにどんどんチャレンジする好奇心も、介護食マイスターには必要です。
介護食マイスターに向いていない人
- 試行錯誤が苦手な人
- 観察力が足りない人
- 料理が大好きな人
介護食は、テキスト通りに作ってもうまくいかない場合があります。高齢者の状態は一人一人大きく異なり、誰にでも合うように介護食を作るのは不可能だからです。常に、どこを変えたら良いのか、どの部分に問題があるのかを観察し、試行錯誤をしなければなりません。これはどうしても必要な過程なので、苦手な人には介護食マイスターは向いていないでしょう。
また介護食を作っていると、せっかく完成した料理を潰したり細かく刻んだりとろみをつけたりする場面があります。介護食では、その料理本来の見た目や味を損なう場合も多いのです。料理が好きな人は、味はもちろん見た目や食感にもこだわりますよね。介護食では自分が思うような料理が作れず、満足が得られないかもしれません。
介護食マイスターになるための資格を紹介
介護食マイスターになるための資格は『介護食マイスター』ですが、他にも介護食作りに関連した資格はいくつもあります。
その中でも代表的なものを紹介しますね。
介護食マイスター
日本安全食料料理協会(JSFCA)が主催し認定する民間資格。介護食マイスターとして、介護食についての基本的な知識を有していることが認定される資格です。
介護食を食べ始めるタイミング、介護食の種類、介護食のつくり方、高齢者と食事の関係、食育と介護食の関係、状態に応じた介護食の種類、経管栄養の種類と手順、流動食の種類と特徴等についての基本的な知識を有していることの証明になります。
調理関連の資格の中でも介護食に特化した資格で、介護関係の仕事をしながら資格を取得する人も多いです。食事介助の方法などについての内容もあり、仕事に家庭にすぐに生かせる資格と言えます。受験資格は特になく試験も2か月ごとに開催されているため、好きなタイミングで取得可能です。
介護食作りインストラクター
日本インストラクター技術協会(JIA)が主催し認定する民間資格。
介護食作りインストラクターとして、介護食の役割や介護食の作り方に関する基本的な知識を持っていることが証明されます。介護食の栄養バランス、施設での食事、誤嚥性肺炎などの高齢者に必要な食事の注意点、高齢者の口腔ケア、高齢者に必要な水分について等、介護食づくりに必要な基本的な知識を有しており、専門的な栄養指導ができることが証明されます。
きざみ食、ゼリー食、ミキサー食等の高齢者の嚥下能力に適したレシピ、魚、肉、野菜、卵などを中心にした介護食レシピ、介護食のデザートレシピなど、様々なレシピに関する知識があることも証明されます。
介護食作りインストラクターは、実際の介護食の調理を行う他に講師としての活動も可能です。カルチャースクールや自宅でのレッスンができ、主婦や会社員の傍らで行う副業としても人気。介護食が必要な人が増えている現在、注目されている資格です。
介護食士
介護食士は、全国調理職業訓練協会によって認定される資格です。
3級・2級・1級があり、上級になるにつれてより医学的な知識まで深く学びます。それぞれに、調理関係の学校で開催される講習会への参加が必須です。講習会は72時間ずつ。学科と実習があるため、しっかりと技術まで習得できます。2級・1級の講習会受講は、下位の級の資格取得が必須です。
また1級は、2級取得後2年以上の実務経験が必要で、さらに25歳以上でないと講習会を受講できません。介護食士1級には、十分な知識と経験が必要なのです。3級には受講資格がないため、介護系の仕事でなくてもしっかりと実習で学びたい人に人気があります。
管理栄養士
管理栄養士は国家資格。
病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行います。
管理栄養士は、病院や介護・福祉施設の他、学校や企業などでも活躍できます。
特におすすめはこの介護食資格!
介護食士や管理栄養士は実用性の高い資格ですが、受験資格も厳しく誰にでも取得可能なものではありません。
今から介護食マイスターを目指すのであれば、おすすめはこの2つ!
- 介護食マイスター
- 介護食作りインストラクター
『介護食マイスター』だけでなく同時に『介護食作りインストラクター』も取得すると、その後の活躍の幅も広がります。
『介護食マイスター』『介護食作りインストラクター』の資格取得には、こちらの資格講座がおすすめです!
介護食マイスターW資格取得講座:諒設計アーキテクトラーニング
『介護食マイスターW資格取得講座』 は、諒(りょう)設計アーキテクトラーニングの通信講座です。『介護食マイスター』『介護食作りインストラクター』の2資格が同時に取得可能!
最短では2か月で取得できるので、今すぐに役立つ資格が欲しい場合にもバッチリです。1日30分の無理のないペースなら、約6か月ですべてのカリキュラムが終えられます。
通常の講座も人気ですが、おすすめはスペシャル講座。スペシャル講座ならなんと試験が免除になるため、卒業と同時に2つの資格が手に入れられます!課題の提出だけでOKなんて、忙しい方にとってはありがたいですよね。
実際に日々介護食の調理や調理指導に当たっている先生が監修をしているため、内容は実践に即したものです。通信講座ならではの完全個別指導で、安心して受講できます。
諒設計アーキテクトラーニングでは、食に関連する講座も多数。副業や講師活動に興味がある人にもおすすめです!
介護食マイスターW資格取得講座
講座名 | 内容 | 価格 |
---|---|---|
通常の講座 |
試験対策 添削課題5回 |
受講料:59,800円(税込) |
スペシャル講座 |
資格保証付 添削課題5回+卒業課題1回 |
受講料:79,800円(税込) |
介護食資格取得講座:SARAスクール
『介護食資格取得講座』は、SARAスクールの通信講座です。
『介護食マイスター』『介護食作りインストラクター』2つの資格が同時に学べる講座です。1日30分のスキマ時間をうまく活用するだけでも、約6か月で資格取得が可能。ハイペースでの学習によって最短2か月で卒業もできます!
初級⇒中級⇒上級と段階的に学べるから無駄がなく、全く知識のないところからでもOK。プロの先生による監修で、基礎から実践的な知識までしっかりと学べます。
SARAスクールは、基本コースとプラチナコースの2つのコース。基本コースで費用を抑えるのも良し、プラチナコースで試験免除で進むも良し!
特にプラチナコースは忙しい方にも人気です。SARAスクールは女性の活躍を応援しています。食の資格は普段の生活にも活用しやすく、介護職以外にも高齢者と暮らす主婦の受講も多いですよ!
介護食資格取得講座
講座名 | 内容 | 価格 |
---|---|---|
基本コース |
試験対策 添削課題5回 |
受講料:59,800円(税込) |
プラチナコース |
資格保証付 添削課題5回+卒業課題1回 |
受講料:79,800円(税込) |
https://www.saraschool.net/syoku/kaigosyoku/
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