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心理学者が教える、人の心を動かす話し方「話だけでも聞いてください」「おひとりさま3個まで」

恋愛や仕事において、相手と意見が衝突すると「なんで私の気持ちをわかってくれないの?」と強い憤りを覚えるものです。しかし、あなたが相手を納得させられるだけの話術を備えていたら、すべての出来事は顛末が変わってくると思いませんか?

『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』(アスコム刊)著者で、心理学博士として著述や講演活動で活躍中の榎本博明先生によると、人の心を動かすにはいくつかのコツがあるのだとか。その方法を教えていただきました。

■つい要求をのみこんでしまう「キラーフレーズ」とは?

『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』ひとつ目は、「キラーフレーズを使うこと」。その代表例として挙げられるのが、「話だけでも聞いてください」というセールスの言葉なのだそう。

「たとえば、テレアポですすめられた商品にいきなり飛び付く人はほとんどいませんが、『話だけでも聞いてください』と言われると、『買うつもりはないけど聞くだけならいいですよ』と耳を貸す人はいますよね。でも、この時点で実は、すでにさらなる要求を受け入れる心理的準備状態ができあがっているんですよ」(榎本先生)

受け入れやすい小さな要請を最初にのんでしまうと、はじめに言われたらとてものめない法外な要求をも受け入れてしまう心理状態が、知らず知らずのうちに作られてしまうのだそう。

「人の欲望を刺激するキラーフレーズもあります」と榎本先生。たとえば、「おひとりさま3個までに限らせていただきます」と言われると、本当に必要なのかもわからないのに、該当品を3つ抱えてレジに並んでしまう人が多いかもしれませんね。

「このキラーフレーズは、『ひとり3個に限っての販売にしないとすぐになくなるほど人気です』『4個以上ほしい人がたくさんいる人気商品です』との言外のメッセージを伝えることに成功しているよい例です」

[人の心を動かすキラーフレーズ例]

・「詳しい説明は、また次の機会に」
→相手が乗り気でないときは、中途半端に切り上げることが有効

・「そうですか、では……」
→本当の要求は、無理難題のあとに出すと効果てきめん

・「言いたいことは、次の三点です」
→相手の頭に引き出しを作ることで、話が伝わりやすくなる

・「お隣のAさんも、Bさんも」
→判断に迷っている相手は、「まわりの人」を利用して説得

■「仕草の同調」を利用して相手の心をつかむのも◎

榎本先生によると、相手を思い通りに動かすためには、話し方に工夫を凝らすことも有効なのだそうです。

「相手が話している間、うなずきやあいづちなどのボディランゲージを上手に使うことで、共感している姿勢をみせれば、相手は自己開示しやすくなります。相手の動きや話し方に同調するのも大変有効な手。自分の仕草や話し方を真似されると、真似された人は、相手が真似していることには気付きませんが、相手に対して好感を覚えるものです。

つまり、カップルなど気の合う人同士が、一緒にいるうちに自然と仕草が同調してきてさらに居心地がよくなってくることを、他者とのコミュニケーションでも応用しようということですね」(榎本先生)

[相手によってはこんな作戦も有効!]

・「自信のない人」なら、たっぷりの自信で圧倒する
・「競争心の強い人」には、サクセスストーリーを話して興味をひく
・「数字に弱い人」には、データとグラフを使って説明する
・「情に流されやすい人」には、プレゼントを用意する
・「見栄をはる人」には、特別感や限定感を演出する

手ごわい相手の場合は、お茶しながら話すことも有効なんだとか。リラックスした雰囲気だと、友好的な関係を築きやすくなるのでしょうか。

人の心を動かすテクニックを身につければ、恋愛も仕事も理想通りの結果を出すことができるようになり、人生さらに楽しめそうですね。

榎本博明先生榎本博明

心理学博士。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士過程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。著書に、『「上から目線」の構造』『お子様上司の時代』(以上、日経プレミアシリーズ)『「上から目線」の扱い方』(アスコム)など多数。

(OFFICE-SANGA)

※この記事は2013年10月15日に公開されたものです

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