「持っていく」の敬語表現とは? 使い方と例文・言い換え表現
「持っていく」の類語
ここでは「持っていく」と言い換えできる類語を紹介します。
(1)「用意する」
文脈によって、「持っていく」を「用意する」と言い換えることができるでしょう。
よう‐い【用意】 の解説
[名](スル)1 前もって必要なものをそろえ、ととのえておくこと。したく。「食事の—がととのう」「招待客の車を—する」
2 細かいところまで気を配ること。用心。
「いみじう—して車のもとへあゆみ寄るを」〈枕・三五〉
→準備[用法]
(『デジタル大辞泉』小学館)
丁寧語は「用意します」、謙譲語は「ご用意いたす」「ご用意いたします」、尊敬語は「ご用意なさる」「用意される」です。
例文
・資料は明日までにご用意いたしますね。
・当日はスリッパをご用意ください。
(2)「持参する」
「持っていく」は「持参する」と言い換えることも可能です。
じ‐さん〔ヂ‐〕【持参】
読み方:じさん[名](スル)品物や金銭を持っていくこと。また、持ってくること。「願書は本人が—すること」
(『デジタル大辞泉』小学館)
丁寧語+謙譲語では「持参します」「持参いたします」、尊敬語では「ご持参ください」と変換できます。
ここで尊敬語の「ご持参ください」に違和感を抱く人もいるかもしれません。「持参」には謙譲語である「まいる」が含まれるため、尊敬語として相手に対して用いるのが不適切だと感じるでしょう。
ただし、文化庁『敬語の指針』によると 、問題ない表現であると説明されています。
【解説1】「参る」や「申す」は,謙譲語Ⅱに当たる敬語である。しかし「御持参ください「お申し出ください」「お 申し込みください」などといった表現の中に含まれる「参る」や「申す」は,謙譲語Ⅱとしての働きは持っていないと言ってよい。したがって,これらの表現を「相手側」の行為に用いるのは問題ない。
【解説2】 「御持参ください」「お申し出ください」という表現が気になる場合には「お持ちください」「おっしゃってください」などと言い換えれば良い。「お申し込みください」は,状況によっては「御応募ください」などに代えることができる。
それでも、やはり気になるという場合には「お持ちください」を使うのが無難でしょう。
例文
・来週、新製品のサンプルを持参いたします。
・お手数ですが契約書をご持参ください。
「持っていく」はビジネスシーンに応じて言い換えを
「持っていく」を目上の人に対して丁寧に伝える場合は、丁寧語・謙譲語・尊敬語などを用いて敬語表現にしましょう。
言い換え表現もいくつかあるので、シーンに合わせた表現のレパートリーを持っておくのがおすすめです。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年12月27日に公開されたものです