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「正直ベース」は正しい言葉? 意味や由来、言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

ビジネスシーンで「正直ベース」「お願いベース」といった言葉を耳にしたことはありませんか? この記事では、俗語「正直ベース」の意味や由来、使い方を例文と共に解説。併せて、類語・言い換え表現を紹介します。

「正直ベース」とは、正直な気持ちや本音を隠さず伝えることを意味する言葉です。日常会話では耳慣れない表現ですが、ビジネスシーンではよく使われます。会社の同僚や上司が使っていて、その意味が気になった人も多いのではないでしょうか。

この記事では、正直ベースが正しい日本語なのかどうか、意味や由来を含めて詳しく確認していきます。また、その他の類語・言い換え表現もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

「正直ベース」の意味とは?

「正直ベース」とは、「正直に言うと」「実を言うと」という意味の言葉です。ビジネスでしばしば使われる俗語ですが、辞書に載っているわけではないので、賛否の分かれる表現でもあります。

「正直ベース」を分解すると、「正直」と「ベース」に分かれますが、それぞれの辞書での意味の定義は以下の通りです。

正直(しょうじき)の意味
[名・形動]正しくて、うそや偽りのないこと。また、そのさま。「―なところ自信がない」「―に非を認める」「―者」

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

ベースの意味
もとになるもの。基礎。基本。土台。「ラム酒を―にしたカクテル」

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

これらの意味を組み合わせた結果、正直ベースは「うそや偽りのない、正しい気持ちを基準にして」という意味になります。

ただし、「ベース」をつけずに「正直に……」と言ってもほとんど意味が変わらないため、中には「正直ベース」という表現をあまり快く思わない人もいるようです。そのため、使う相手を選ぶ表現だと言えます。

「正直ベース」の由来は?

「正直ベース」という言葉の由来は、『日本俗語辞書』で以下のように説明されています。

正直ベースとは賃金ベースや情報ベースといった「~を基礎(基準・土台)に」といった意味の「~ベース」に正直をのせたもの。社会人が仕事上で「正直であることを基準に=正直に言いますと・・・」というニュアンスで使ったり、若者が「実のところ・・・」「本当のところ・・・」といった軽いニュアンスで用いたりする。特に社会人の間では、NHKのバラエティ番組『サラリーマンNEO』内の「サラリーマン語講座」というコーナーで取り上げられたことにより、浸透した。

出典:(『日本俗語辞書』)

ここから分かるように、「正直ベース」はサラリーマンをテーマにしたTV番組に取り上げられたことをきっかけに、ビジネス業界で広く使われるようになったと考えられます。

そのため、当時番組を見ていた人を中心に使用者が多いですが、そこから時代が下るに連れて使用者が減り、年代によって使用率にギャップが生まれているものと推測されます。

「お願いベース」の意味とは?

正直ベースから派生した言葉に「お願いベース」というものがあります。こちらは「お願い」と「ベース」が組み合わされ、^「お願いする気持ちを基準にして」という意味。

^主に、無理なお願いをする際、断られても仕方ないという気持ちを込めて使われます。

「正直ベース」と同様、「お願いベース」も「ベース」を省いて「お願い」だけでも充分意味が通じるため、人によって使用の賛否が分かれる言葉です。

「ゼロベース」の意味とは?

「正直ベース」と同じく「ベース」がつく言葉に、「ゼロベース」というものがあります。こちらは「ゼロを基準にして」という原義から、物事を振り出しに戻して、最初からやり直すことを表します。

「正直ベース」や「お願いベース」と異なり、「ゼロ」だけでは意味が通じないこともあり、「ゼロベース」は広く使用されている言葉です。

実際、辞書にも以下のように意味が掲載されています。

ゼロベースの意味
物事を最初からやりなおすこと。ゼロの状態から検討しなおすこと。

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

▶次のページでは、「正直ベース」の使い方を例文と共に解説します。

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