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「ご縁がありましたら」にはどんな意味がある? 使い方・例文・注意点

にほんご倶楽部

ビジネスシーンでは、相手からの提案を断らなければいけなかったり、自分の提案が断られたりすることも少なくありません。そんな時に役立つフレーズが「ご縁がありましたら」という表現。今回は「ご縁がありましたら」の意味や使い方、例文、注意点、言い換え表現まで紹介します。

「ご縁がありましたら」は、商談・採用を断るときや退職・転勤のあいさつに使われる言葉です。

関係が途切れてしまう相手に対して「ご縁がありましたら」と伝えることで、今後も継続した付き合いを望んでいることが伝えられます。

ビジネスシーンや就職活動など幅広い場面で使われる言葉であるため、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。

「ご縁がありましたら」の意味

「ご縁がありましたら」は、「また機会があったらよろしくお願いします」という意味を持つビジネスフレーズです。

よく使われる言葉なので、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

間違った使い方をしないよう、改めて言葉の意味を確認しておきましょう。

えん【縁】
1.へり。ふち。
2.家の外側に添えた細長い板敷。縁側。
3.原因をたすけて結果を生じさせる作用。直接的原因に対して間接的条件。また、因と同義にも用いる。
4.ゆかり。つづきあい。関係。
5.人と人とのつづきあい。婚姻の関係。
(出典:岩波書店『広辞苑 第七版』)

「縁」は複数の意味を持った言葉ですが、ビジネスシーンにおいてはつながりや関わり合いという意味として使われ、相手との継続した取引を望む気持ちが伝えられる言葉となります。

取引先からの商談や提案を断るときに、ただ「お引き受けできません」と伝えるだけでは冷たい印象を与えてしまいます。相手によっては「もうこの会社との取引は見込めないな」と捉えられてしまうこともあるでしょう。

このような場合に「ご縁がありましたら」と伝えることで、「今回は不成約となったものの、今後も引き続き取引を続けたい」という気持ちが伝えられます。

「ご縁がありましたら」は目上の人にも使える敬語?

「ご縁がありましたら」は、目上の人に使える正しい敬語です。

「チャンス」や「機会」という意味を持つ「縁」の頭に「ご」を付けていることや、「ありましたら」という丁寧語を用いていることから、取引先や上司に対して用いても問題ありません。

特にビジネスシーンにおいては、よく使われる表現になるので言葉の意味も含め理解しておくと便利です。

「ご縁がありましたら」の使い方と例文

「ご縁がありましたら」は、商談や採用を断る際や、退職・転勤のあいさつの際に使われる言葉です。

「ご縁がありましたらよろしくお願いします」というフレーズは定型句にもなっており、相手との継続的な付き合いを願う気持ちが伝えられます。

ただし、「ご縁がありましたら」は社交辞令として用いられることもあります。相手から「ご縁がありましたら」と言われたからといって、取引やお付き合いを必要以上に期待するのは控えた方が無難です。

「ご縁がありましたら」は目上の相手や取引先にも使用できるので、ビジネスシーンで問題なく使えるよう、例文を参考に用法を覚えておきましょう。

例文

前述の通り、「ご縁がありましたら」は、取引先との商談を断るシーン、就活活動で採用を断るシーン、退職・転勤でのあいさつ時など、幅広い場面で使われます。

断る立場が用いることもあれば、断られる立場が用いることもある汎用性の高い言葉です。

特に、取引先から商談を断られた場合などは、「ご縁がありましたら」と伝えることで今後の取引につながる可能性もあります。破談となった場合は「分かりました」とすぐに了承するのではなく、「ご縁がありましたら」と今後の取引をアピールすることも心がけましょう。

・大変残念ではございますが、今回のご依頼は見送らせていただくこととなりました。またご縁がありましたら、その際はどうぞよろしくお願いいたします。

・この度の人事異動により○○部への異動を命ぜられました。この部で過ごした3年間は、周りの皆さまに助けていただき、大変感謝しております。またご縁がありましたら、一緒の部署で働けることを願っております。

・先日は、私どもの提案に貴重なお時間をいただきありがとうございました。今回のお返事は大変残念ではございますが、貴社のお役に立てるよう引き続き精進してまいります。またご縁がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

「ご縁がありましたら」を使うときの注意点

「ご縁がありましたら」は相手との継続した付き合いを望む気持ちが伝えられる言葉ですが、使う際にはいくつかの注意点があります。

場合によっては相手に誤解を与えてしまうこともあるため、あらかじめ注意点を押さえて使用しましょう。

継続的に取引している相手には使わない

「ご縁がありましたら」は、継続した取引がある相手には使いません。

今後も取引が続く相手に「ご縁がありましたら」という言葉を使うと、「取引を断られたのだろうか」と誤解を招く可能性があります。

「ご縁がありましたら」は、相手への断り文句と一緒に使う言葉であることを覚えておきましょう。

今後取引が発生する見込みがない相手には使わない

「ご縁がありましたら」は、継続した取引を望む相手へ使われる言葉です。社交辞令として用いられることはあるものの、言われた相手は今後の取引を期待する気持ちを持つことも考えられます。

その後の不要なやりとりを防ぐためにも、明らかに取引が発生する見込みがない相手へ使うのは控えた方がよいでしょう。

「ご縁がありましたら」の言い換え表現

「ご縁がありましたら」は、他にもいくつかの言葉に言い換えができます。

相手やシーンに応じて適切な表現ができるようにチェックしておきましょう。

「また機会がございましたら」

「ご縁がありましたら」は「また機会がございましたら」に言い換えができます。

「ご縁」と「機会」は同じニュアンスを持つ言葉であるため、「ご縁がありましたら」と同様の場面で使える表現です。

ビジネスシーンではよく使われる表現で、提案が通らなかった際なども「今回は残念でしたが、また機会がございましたらご提案させてください」と使われることが多いでしょう。営業の人は、特に覚えておきたい言葉です。

「また何かございましたら」

「ご縁がありましたら」は、「また何かございましたら」に言い換えができます。

「また何かございましたら」は、「何か要望があったら言ってください」や「疑問点があったら言ってください」など、複数のニュアンスが込められた言葉です。

「遠慮なく言ってくださいね」という姿勢が伝わる言葉であるため、商談を断る立場ではなく、断られる立場が用いることが多いでしょう。

ただし、「ご縁がありましたら」と比べるとカジュアルな表現となるため、すでに関係性が構築されている相手に使うことがおすすめです。初めて商談を持ちかけた相手や付き合いが浅い相手には、「またご縁がありましたら」を使う方が好ましいといえます。

「ご縁がありましたら」は継続した取引を望む相手に使える言葉

「ご縁がありましたら」は、商談・採用を断るときや、退職・転勤の際に使える言葉です。

「また機会があったらよろしくお願いします」という意味があり、相手との継続した付き合いを望む気持ちを伝えられます。

また、「ご縁がありましたら」は、商談を断る立場と断られる立場のどちらでも使用できます。ビジネスシーンや就職活動など汎用性の高い言葉であるため、ぜひ正しい使い方を理解しておきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年04月24日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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