【第5話】恋人の余裕のなさに安心する男、呆れて冷める女
2023年1月から配信がスタートしたABEMAの『隣の恋は青く見える4』。悩める8組のカップルが7日間、公認で“浮気ありのお試し破局旅”を楽しむ恋愛番組です。今回は、恋愛ライターのミクニシオリさんが、毎週の配信話を追いながらガチ考察します!
※このコラムは『隣の恋は青く見える4』第5話までのネタバレを含みます。
浮気旅行も5日目に突入した第5話では、とうとう自身の元恋人、そしてその浮気相手とも対面。この瞬間が『隣恋』全体の、大きなハイライトでもある。いくら「破局寸前」とはいえ、これまで一緒に過ごした日々の思い出もある元恋人との対面に、メンバーはどんな気持ちを抱えることになるのか。
元カレの余裕のなさに、呆れる元カノ
再会の街に向かうバスの中、メンバーの態度はそれぞれだ。新しい恋の相手の挙動が気になって、元恋人など目に入らないか、新しい恋など吹き飛ぶほど、元恋人の現在が他の異性とイチャイチャする姿が気になるのか。
自身たちもその時の自分の気持ちに想像がついていないのか、バスの中では落ち着かない様子のメンバーも多かった。
再会の街・ニャチャンに到着した16人は、プール付きのヴィラに到着。合流パーティでは、全員そろっての自己紹介タイムから始まるため「自己紹介では好きな異性のタイプを言おう!」と盛り上がるダラットメンバーだったが……。
いざ顔合わせとなると、旅の途中から明らかに未練たらたら感のあったカイトが、元カノ・リカの姿を見ただけで涙を浮かべていた。
好きな人が心離れしていく様子を目の前で見なくてはいけないということ自体が酷だし、かわいそうだとも思う。
でも、顔合わせ序盤のタイミングからそんな様子だと、元恋人にもその浮気相手にも、なんだかなめられるような気もしてしまう。
そんなことは考えすぎかもしれないんだけど、視聴者であるこっちが考えすぎるくらいの、ヤバい空気が伝わってくるのだ。
案の定、リカに触る男全員にガンを飛ばすカイトには、リカもそばにいたシンイチロウも呆れ顔。「男子の余裕のなさは女子の恋の熱を覚ます説」がここでも立証されてしまうのだろうか。
反面……元カノの余裕のなさは、元カレを安心させる?
実際に顔を合わせてみると、元恋人に未練のあるメンバーは相手の様子をかなり気にしている様子で、そうでないメンバーは場を楽しむかのように浮気相手とのイチャつきを見せつける。
その姿にもかなりメンバーそれぞれの性格や余裕が出ていて、人間観察としては面白いのだが、元恋人に未練のあるメンバーからすれば「ぶん殴りたい」という眼光すら感じるシーンもあった。
クイニョンメンバーは「バチバチしたくない」と穏便に自己紹介を進めていくが、ダラットメンバーの中には「元恋人を煽る気満々」といった様子で、実際に好きな異性のタイプを発表していく人も。
タツヤやサニー、シオン、リュウヘイなど、多くのメンバーが元恋人を煽るかのように、恋人にはない特徴を挙げていく。ここで元恋人を煽る意図とはなんだろう。あなたに戻る気はないよ、という意思表明なのか、復縁デートに備えて、嫉妬心を煽る駆け引きなのだろうか。
特に気になったのは、ずっとミチルと過ごしてきたニアスに対し「かっこいいと思っちゃいました」と褒めちぎりながらも、ミチルに対しても「気持ちはある」とはっきり伝えたリュウヘイ。
浮気相手のニアスにすら余裕を見せるのは、重りを一個しかもらっていなくても、ミチルは自分のところに戻ってくることが分かっているから、といった素振りだ。ミチル自身、顔合わせの瞬間から余裕のなさが見て取れたが、そんなミチルを見てこその行動である可能性もある。
男性の場合は余裕がないと女性に冷められるが、女性の焦りは男性を安心させることもあるのかもしれない。
ミチルの方は気持ちの整理がつかない様子だが、優しく話しかけてくるニアスにも頼ってしまい、その胸で泣き出してしまう。そんなミチルに対して、どうしても言葉での答えを速攻で求めようとするニアス。本気さは伝わるが、自己中心的なようにも見えてしまう。
復縁デートを前に気持ちを確かめたかったのだろうが、元カレに心の動いているミチルには逆効果だ。ミチルから言葉を聞き出すのではなく、その態度を見て一歩引くのが正解だったのではないか……。
本気になればなるほど、焦りが目に見えるニアスは素直で意外とかわいいけれど、追いかける恋愛にはあまり向いていないようにも感じた。
復縁デート前、男女の反応の違い
顔合わせの後、それぞれのメンバーは男子会と女子会をしながら、この日の感想を振り返った。男性メンバーは全体的に、気持ちは決まっているような人も多かった。
結局、どれだけ浮気写真や重りで揺さぶりをかけても、男子にはそんな「駆け引き」はあまり意味がないのかもしれない。決め手となったのは、顔合わせの瞬間の自分の感情だけと言った様子で、相手にどんな浮気相手がいようとも、やるべきことをやるだけというメンバーも多かった。
しかし女子は、男子以上に元恋人への理解が深いといった様子で、相手の人間性を知っているからこそ安心する人、または知っているからこそ悩む人、といった具合だ。自分の気持ちは決まっていても、相手の挙動が気になるのが女性という生き物なのかもしれない。
残酷にも必ずやってくる明日には、復縁デートが控える。頭でどれだけ考えても、元恋人にいざ会えば計算や駆け引きなんて吹き飛んで、気持ちがあふれ出てしまうメンバーもいるだろう。恋は、余裕を持っている方が操作するものなのかも。そんなことを感じた第5話だった。
(ミクニシオリ)
※この記事は2023年02月27日に公開されたものです