「所存です」の意味と正しい使い方。類語・言い換え表現を解説【例文付】
「所存です」は、ビジネスメールなどでよく使われる丁寧な表現で「~だと思います」という意味があります。この記事では、「所存です」の正しい使い方を例文と共に解説。併せて、上司や取引先など、目上の人に使える言い換え表現も紹介します。
「所存です」は、「~だと思います」や「~だと考えています」を丁寧に表現した言葉で、ビジネスメールや履歴書の志望動機、スピーチなど幅広いシーンで利用できます。
しかし実際に使うとなると、「この使い方は正しいの?」と不安になる人が多いのではないでしょうか。
この記事では、「所存です」の意味と正しい使い方、言い換え表現を解説します。
「所存です」の意味
「所存」は「しょぞん」と読み、次のような意味を持つ言葉です。
しょ‐ぞん【所存】
心に思うところ。考え。「精いっぱい努力する―です」出典:『デジタル大辞泉』(小学館)
「所存」には「思い」や「考え」という意味があります。つまり「所存です」という表現は、「~だと思います」「~だと考えます」を丁寧にした言葉です。
ビジネスシーンなどで、目上の人やお客様に対して丁寧な言い方をしたい場合は、「所存です」を用いてみましょう。よりスマートに自分の意見や考えを伝えられますよ。
「所存です」の使い方(例文有)
「所存です」は、自分の考えや思いを丁寧に伝えられる言葉となり、基本的には目上の人や取引先に対して使う言葉となります。
メールや文書などで使用する場合が多く、口語では、使う相手にもよりますが、「○○していきます」「○○のつもりです」などで代用されます。
「所存です」の例文を紹介していきますので、参考にしてみてください。
自分のやる気や意欲を伝える場合
「所存です」は、自分のやる気や意欲を伝える時に使える言葉です。「精進していきたいと思います」でも誤りではありませんが、やや幼い印象を与えてしまうかもしれません。
この場合は、「精進していく所存です」という表現の方がよりビジネスシーンに適した言い方となります。
入社時や異動時のあいさつ、履歴書の志望動機など幅広い場面で使えるため、ぜひ正しい使い方を理解しておきましょう。
例文
・「1日でも早く○○部の戦力となれるよう、日々精進していく所存です」
・「微力ではございますが、今後も御社のご期待に添えられるよう日々尽力する所存です」

「精進してまいります」の使い方について例文を交えながら解説します。

ビジネスコミュニケーション指導に従事する大部美知子さんに、「ご期待に添えるよう」の意味や使い方を教えてもらいました。
自分の反省点や改善点を伝える場合
「所存です」は、お詫びを伝える場面でも使われます。例えば「同じ過ちを繰り返さないように気をつけます」と伝える時に「所存です」を用いることで、よりかしこまった印象になるでしょう。
社内の先輩や上司だけでなく、社外の取引先にお詫びをする時にも使える言葉です。
例文
・「今後は再発防止に努め、リスク管理体制を強化していく所存です」
・「同じミスを繰り返さないよう、気を引き締めて業務に取り掛かる所存です」
自分の意見や考えを伝える場合
「所存です」は、自分の意見や考えを伝える時にも使われます。
上司や先輩など目上の人に自分の意見を伝える際は、ぶっきらぼうな言い方とならないよう気をつけなければいけません。
例えば、直属の上司から「A社の件の進捗はどう?」と聞かれた時に、「来週中には報告します」とだけ答えると、やや雑な印象を受けてしまいます。
そこで「来週中には報告させていただく所存です」と言い換えることで、相手の立場にも配慮した柔らかい言い方となります。
「自分の意見を伝えたいけれど、押しつけがましい印象にならないようにしたい」という時は、「所存です」を用いるのがおすすめです。
例文
・「A社の件については、来週中に課長へご報告させていただく所存です」
・「先方には、本日午後にお伺いさせていただく所存です」
「所存でございます」はより丁寧な表現
目上の人に対してより丁寧な印象にしたい時は、「所存です」を「所存でございます」と言い換えてもOKです。
「です」を謙譲語にした「ございます」という表現を使うことで、さらに丁寧な謙譲表現になるでしょう。
例文
・精一杯務めさせていただく所存でございます。
・今後はグローバルな人材育成に力を入れていく所存でございます。
また、今後の意気込みや決意を伝える際にへりくだった印象を与えたい時には「~したい所存です」と表現することもできます。例えば、「微力ではござますが、課の目標達成に貢献したい所存です」のように使っても良いでしょう。
▶次のページでは、「所存です」を使う時の注意点を紹介します。