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【難読】“のち”じゃない?「乃ち」の正しい読み方

ななしまもえ(芸術系ライター)

本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?

社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。

今回考えるのは「乃ち」の読み方です。

“のち”じゃないの? と思った方は、ぜひ答えをチェックしてみてくださいね。

「乃ち」の読み方は?

「乃」は、綾乃(あやの)や乃木坂(のぎざか)のように、女性の名前や地名に使われているのを見ますよね。

“の”という読み方は馴染みがありますが、送り仮名の「ち」をつけて“のち”とは読みません。

気になる読み方の正解ですが……。これ、実は“すなわち”と読みます。

「乃ち」の意味と使い方

『デジタル大辞泉』によれば、「乃ち」の意味は以下のように解説されています。

すなわち〔すなはち〕【▽即ち/▽則ち/×乃ち】
[接]
1 前に述べた事を別の言葉で説明しなおすときに用いる。言いかえれば。つまり。「日本の首都―東京」

2 前に述べた事と次に述べる事とが、まったく同じであることを表す。とりもなおさず。まさしく。「生きることは―戦いである」

3 (「…ば」の形を受けて)前件の事実によって、後件の事実が自然に成り立つことを表す。その時は。そうすれば。「戦えば―勝つ」「信じれば―救われる」

[名]
1 (連体修飾語に続けて)その時。
「綱絶ゆる―に八島の鼎 (かなへ) の上に、のけざまに落ち給へり」〈竹取〉

2 むかし。あのころ。当時。
「若宮は、―より寝殿に通る渡殿におはしまさせて」〈栄花・楚王の夢〉

[副]
1 すぐに。たちまち。
「立て籠 (こ) めたる所の戸、―ただ開きに開きぬ」〈竹取〉

2 もう。すでに。
「頗る出精せしが、今は、―亡 (な) し」〈蘭学事始〉

[補説]この語の語源は、いわゆる「時を表す名詞」の一種であり、平安時代以後、「即・則・乃・便」などの字の訓読から接続詞として用いられるようにもなったと考えられ、現在ではその用法に限られるといってよい。

つまり、まさしくといった意味合いで、普段からよく使いますよね。
漢字で表記されることは少ないですが、漢字だと「乃ち」と書くんですね。

読めない漢字はきっとまだまだたくさん

あなたは「乃ち」を正しく読むことはできましたか?

きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。ひらがなで見ることが多い言葉ですが、漢字での表記は一つではないんですね。

“すなわち”は、ひらがなで表記されるのが一般的ですが、実は「乃ち」と「即ち」と「則ち」では微妙に意味が違うようです。気になった人は、ぜひ調べてみてくださいね!

(ななしまもえ)

※この記事は2021年11月02日に公開されたものです

ななしまもえ(芸術系ライター)

漢字の形の美しさに惚れ込む元ダンサー。漢字はダンスで表現できると信じている。サッカー好きで一時はレッズの追っかけをした経験もあり。おっとりしているが、サッカーの話になると早口で熱くなる。3代続く正真正銘の湘南ガール。

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