「いとおしい(愛おしい)」の意味は? 漢字や類語、使い方を解説
「いとおしい」の類語(例文つき)
最後に、「いとおしい」と似たような意味を持つ言葉を紹介します。
「愛くるしい」
子どもなどがあどけなくて、とてもかわいらしい様子。「可愛い。かれん」という意味の「いとおしい」に近いニュアンスです。
自分の子どもだけでなく、他人の子どもについても使えます。例えば、上司のスマートフォンで家族の写真を見せてもらった時などに例文のように使えます。
例文
・愛くるしいお嬢さまですね。課長も、かわいくてしかたがないことでしょう。
「いじらしい」
哀れで、思わず心を打たれるようなさま。漢字表記は「可憐しい」。「気の毒でふびん」という意味の「いとおしい」に近いニュアンスです。
子どもや、か弱い存在について使えます。
例文
・朝早くから懸命に働くいじらしい少年は、やがてたくましく成長した。
「いたいけ」
弱くて小さくて、痛々しい様子。また、「いじらしくて、かれん」という意味もあります。
「気の毒でふびん」という意味の「いとおしい」に近いニュアンスです。
例文
・その少女のいたいけな様子が心に刺さった。
「いとおしい」という言葉を生み出した心のありか
「いとおしい」を調べると、もともとは「かわいそう」という意味の「いとほし」から由来する言葉であると分かりました。
一見意外な気がしますが、そもそも、その対象に愛情があるからこそ、つらい様子や嫌な思いをしている様子を余計ふびんに感じる、ということかもしれませんね。
日本人には古くから判官びいきという言葉もあり、弱い立場の人に同情するところがあります。「いとおしい」もそんな日本人の心根から生まれた美しい言葉だと思います。
言葉だけでなく、そんな言葉を生み出した心も大切にしていけると良いですね。
(前田めぐる)
※画像はイメージです
※この記事は2021年10月20日に公開されたものです