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「奇しくも」の読み方や意味とは? 使い方・用例・類語を解説

ino

「奇しくも」は、「くしくも」と読み、「不思議・偶然にも・珍しい」という意味を持っています。今回は「奇しくも」について、正しい使い方や例文、類語、対義語を詳しく解説します。

「奇しくも」は、読み方・意味共に間違われやすい言葉です。また、正しい使い方を知りたい方もいるでしょう。

「奇しくも」について正しい知識を身に付けると、言葉の表現が広がり、誤用の心配も無くなります。また、例文を学ぶことでどのような場面で使ったら良いのかが理解できるでしょう。

本記事では「奇しくも」について徹底解説しますので、参考にしてみてくださいね。

奇しくもとは

まずは、「奇しくも」について、意味と正しい読み方を解説していきます。「奇しくも」は誤読や誤用が多い言葉なのでしっかりと学んでいきましょう。

読み方は「きしくも」ではなく「くしくも」

奇しくもは「くしくも」と読みます。よく「きしくも」だと間違えって読んでいる人もいるので注意しましょう。

ちなみに、奇しくもの漢字に使われている「奇」は、訓読みで「く」という読み方があります。

つまり、奇しくもだけ特別に「く」という読み方をしているわけではありません。以上のことを知っていると、豆知識として役立ちますのでぜひ覚えておきましょう。

奇しくもの意味

奇しくもの意味は「不思議にも。偶然にも。あやしくも」です。辞書には以下のように記載されています。

くしくも【奇しくも】
起こった事態の偶然性を不思議に思うさま。偶然にも。
(三省堂『大辞林 第四版』)

「奇しくも」は、あるはずのないことが起こってしまった時や、思いがけず偶然に起こったことに対して不思議がる気持ちを指しています。

奇しくもの語源や成り立ち

「奇しくも」は、形容詞の「奇し」と係助詞の「も」が組み合わさってできた言葉。

元々「奇し」は神秘的であること、不思議であることを指します。そこに意味を強めることを表す「も」が組み合わさることにより、「普段と違うこと」を強めて言う言葉となりました。

「奇しくも」の使い方は? 例文と共に紹介

続いて、「奇しくも」の使い方が分からない人のために「奇しくも」を使った例文を紹介します。どのような場面で使うのかをチェックしてみましょう。

例文1:誕生日が奇しくも同じ者同士だ

奇しくもは「偶然にも」というニュアンスが含まれています。意図せず起こった出来事を説明する際には使ってみましょう。

また「奇しくも同じ」は特によく使う言い回しなので覚えておくといいでしょう。

例文2:あの人と再会したのは、奇しくも初めて会った場所だった

思いがけない偶然が重なった時にも「奇しくも」は使えます。どれくらい不思議なことだったかを表現することができる言葉です。

例文3:勉強をしていなかったが、奇しくも赤点は免れた

奇しくもは「奇跡的に」というニュアンスも意味に含まれています。そのためほとんど確率のないことが起きたということを伝える際にぜひ使ってみましょう。

「奇しくも」の誤用しやすいポイント

ここからは、「奇しくも」を使う際に誤用しやすいポイントをお伝えします。

「悔しくも」「苦しくも」「いみじくも」とは意味が違う

「奇しくも試合に負ける」という言い回しをする人を見かけます。奇しくもを「惜しくも」や「悔しくも」と同じ意味合いで使用しているようですが、それはNGです。

前述の通り、奇しくもには「惜しい」「悔しい」というニュアンスは含まれません。

また、奇しくもは他に「苦しくも」という意味合いでも使いがちですが、それも本来の意味ではありません。

「奇しくも」の類語・言い換え表現

「奇しくも」には、同じような意味を表す類義語がいくつか存在しています。ここからは、「奇しくも」の類義語を紹介します。ボキャブラリーを増やしておくことで、よりぴったりな表現を使えるようになりますよ。

「奇跡的に」

「奇跡的に」の意味は「極めて珍しいさま」で、ほとんどあり得なかったことが起こった際に使います。

例えば「奇跡的に待ち合わせに間に合った」という使い方ができます。

「偶然にも」

「たまたま・意図せずそうなった」という意味がある「偶然にも」も、「奇しくも」の言い換え表現として使える言葉です。

例えば「偶然にもその場に居合わせた」というような使い方ができます。

「不思議なことに」

2つ目の奇しくもに近い類義語は「不思議なことに」です。

「要因は不明だが」「理由は分からないが」などといった意味合いがあり、あまり起こりそうになかったことが起こった際に使います。

例文としては、「不思議なことに、あの少年は傷1つつけずに犯罪者の元から逃げてきた」などがあります。

「妙なことに」

最後に「妙なことに」という類語をご紹介します。「普通でなく、不思議なことに」といった意味合いで、こちらも他の類語とほぼ同じニュアンスで使用できます。

例文にするなら「妙なことに、ここ数日同じ人にすれ違う」などが適切な使い方です。

奇しくもの対義語

奇しくもと反対の意味を表す対義語についても見ていきましょう。

「案の定」

「案の定」は「予想した通り」という意味の言葉。あるはずのないことを指す奇しくもとは反対の意味となります。

「思った通り」

自分の考えていたことと現実が一致していたさまを意味する「思った通り」。予測や推測が当たった時に使う言葉です。これも奇しくもの対義語となります。

奇しくもを英語で表すと

英語でも奇しくもと似た意味を表す言葉があります。それは「strangely enough」と「by a curious coincidence」という語句。

strangely enoughは日本語で「不思議なことで」という意味であり、by a curious coincidenceは「珍しい偶然で」という意味を指します。

どちらも完全に同じニュアンスではないですが、奇しくもと似た意味を持っていることが分かるでしょう。英語で表現したい方は参考にしてみてくださいね。

「奇しくも」の正しい意味を覚えて使いこなそう

奇しくもは「くしくも」と読み、「不思議にも。あやしくも」といった意味で使われます。

本記事では例文もお伝えしましたので、使い方が分からなければぜひ参考にしてくみてください。

正しい言葉遣いができるようになればボキャブラリーが増え、さまざまなシーンで覚えた言葉を使いこなせるようになりますよ!

(ino)

※画像はイメージです

※この記事は2021年08月27日に公開されたものです

ino

心理学専攻の大学生ライター。得意ジャンルは美容、LGBT、恋愛、心理学。共感させるライティングやコラムを書くのが好き。

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