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【第2話】令和に「モテる人」の必須条件

#プロミス・シンデレラ考察

トイアンナ

コラムニストのトイアンナさんが、TBS火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』を毎週考察&展開予想するコラム。無一文、無職、宿なしの人生崖っぷちバツイチアラサー女子がつかむのは、愛か金かそれとも……?

※このコラムには『プロミス・シンデレラ』エピソード第2話までのネタバレが含まれます。

(c)TBS

みなさん、自分の人生でもらった、生涯最高時給はいくらですか?

私はこれまで、アルバイトやパート、派遣の時はもちろん、正規雇用でも「私の仕事って、時給に換算したら……」と考えては、怒ったり喜んだりしてきました。

現在放送中のドラマ『プロミス・シンデレラ』では、2話目から「1万円払うから、飯を2階まで運べ」という展開が見られます。なんだその最高バイトは? その秘密は「令和の王子様」にありました。

令和の王子様は優しい!

「傲慢・王子様キャラ」と聞いて、少女漫画が好きな方は「ああ、あのタイプね」と何人か想像できたのではないでしょうか。少女漫画の歴史あるところに、いけすかない王子様あり……と言われるくらい、女性から不動の人気を誇るのがこのタイプ。

恋愛ドラマ『プロミス・シンデレラ』のメインヒーロー、壱成(眞栄田郷敦)もまさにこの王子様タイプ。とはいえ、ここは令和、2020年代。これまでのオラオラ系王子様なら、パワハラ・モラハラで即座に嫌われて退場です。

横柄よりもカワイイ? 令和の傲慢・王子様

(c)TBS

ではでは、令和の王子様は一体何をしてくるのかというと……。

老舗旅館の次男坊、壱成は大の怖がり。ホラーが大の苦手なので、旅館でも「幽霊が出る」と噂の倉庫には近づけません。

そんな壱成の自宅へ居候することになってしまった早梅(二階堂ふみ)は、幽霊なんてなんのその。怖がる壱成に呆れるばかりです。いじられて自宅のテレビで大音量のホラー動画を流された壱成こと、傲慢王子様は一言。

「1万円やるから、飯を2階に持ってこい」

と、指示を出します。

時給の概念狂ってない!? あなたって、本当に(労働者の)王子様だったのね!

と、別の意味で惚れそうになる視聴者の私をさておき、早梅は生意気な態度から壱成を拒否。なんともプライドの高い。そこでおとなしく1万円もらえばいいのに……(労働者脳)。

そう、令和の王子様こと壱成は、横暴よりも弱さ・かわいさが表に出るのです。いい時代だ……。

パワハラもなんだか悪くない?

(c)TBS

早梅は現在、壱成の家業である旅館勤務。そこでは、壱成の兄・成吾(岩田剛典)が采配を振るいます。旅館では当然「この女、何?」「もしかして、成吾さんのお嫁さん候補?」とあらぬ噂がたち、早梅がイジメの対象に。

ここで私が想像したイジメとは、お座敷にいきなり出されて恥をかかされるだとか、足袋に画鋲が仕込まれているとか、まあまあ陰湿でハラハラする展開だったわけですが……。

『プロミス・シンデレラ』のパワハラは、「目の前でストレートに悪口を言われる」というもの。陰口ですらない! いっそ清々しい! お前ら、本当はいいヤツだろ! と言いたくなっちゃう、仲居さんたちの正々堂々・パワープレイに惚れ込んじゃいます。

さらに先輩が登場し、イジメから庇ってもらえる早梅ちゃん。ええっ、おら、おらこんな職場で働きたかった……!

どんどん”理想の職場ドラマ”味が増していくところですが、話を戻しましょう。

壱成と早梅の友愛誕生?

(c)TBS

壱成は先程の「出る」と噂の倉庫へ、掛け軸を取りに行くよう祖母から指示されます。それが怖かったのもあり、早梅を夜の旅館に向かわせる……わけですが、早梅が倉庫の中でまさかの体調を崩しダウン。壱成は単身、早梅を助けに向かいます。

「普段は弱くても、いざという時に頑張るやつ」っていうのは、男女を問わずモテます。私達が共感できるくらい普通の人が、死ぬ気で頑張っている姿に胸打たれるからです。壱成は初見こそ、強くて傲慢な王子様ですが、実際には弱くて普通の男の子。弱い彼が頑張る姿に、ぐっと来た方も多いのではないでしょうか。

救助して、早梅の弱音を聞く壱成。いつも強気な早梅の苦しみに、壱成が寄り添います。そこで芽生えたのは、恋なのか友愛なのか。いずれにしても、2人の関係は近づいていきます。第2話にしては展開早くないですか? という速度で。

黒幕、そして嫌な予感

(c)TBS

いい感じに進む展開には、障害が訪れるのが世の常です。せっかく旅館から助け出そうとした壱成を阻むのは、兄の成吾でした。成吾は「お姫様だっこで早梅を運ぶ」という、象徴的なシーンで壱成の心を折ります。

先程、壱成は「傲慢な王子様」キャラと言いました。しかし、王子様が王子様でいられるのは、その役割を背負わせてもらえるからです。成吾が王子様の象徴でもある行動を取ったことで、この物語の”王子様”は誰なのか、主導権を奪い合う構図が明らかとなります。成

さらに、ぶっ倒れていた早梅へも暗雲が。第1話で「大事にしたい人ができた」と、夫から離婚を突きつけられた早梅には、旅館の芸者・菊乃(松井玲奈)が接近してきます。菊乃からぶつけられる敵意には、早梅もただならぬものを感じます。

さらに、早梅の夫が「ケジメをつける」と語る浮気相手との電話を切り……。次の場面では、無関係なはずの菊乃が電話を切る様子が。

これって、もしかして、夫の浮気相手って……き、菊乃さんじゃないですかー!? この旅館、人間関係全部入れ込みすぎじゃないですかー!? と、気になる展開は次週に続く。第3話も楽しみに待ちたいと思います!

(トイアンナ)

※この記事は2021年07月27日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。

●ブログ「トイアンナのぐだぐだ」
http://toianna.hatenablog.com/

●Twitter
https://twitter.com/10anj10

●公式サイト
https://renaijuku.co.jp/

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