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【第10話】「あなたはあなたよ」。シンデレラの一言

#プロミス・シンデレラ考察

トイアンナ

コラムニストのトイアンナさんが、TBS火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』を毎週考察&展開予想するコラム。無一文、無職、宿なしの人生崖っぷちバツイチアラサー女子がつかむのは、愛か金かそれとも……?

※このコラムには『プロミス・シンデレラ』エピソード第10話までのネタバレが含まれます。

(c)TBS

突然離婚を切り出され、崖っぷちに立たされたアラサーの早梅(二階堂ふみ)。その早梅から夫を奪った菊乃(松井玲奈)の目的は、高校時代から恋をしてきた相手・成吾(岩田剛典)と早梅を付き合わせることでした。

成吾のファインプレーで壱成を救出

(c)TBS

成吾の初恋を叶えるために早梅を離婚させ、成吾の元で働くよう仕向けるところまでは菊乃の思惑通りうまくいきました。が、そこから先は成吾と早梅の気持ちの問題。早梅は成吾ではなく弟の壱成(眞栄田郷敦)と結ばれそうになってしまいます。

怒りに震える菊乃は、強硬手段に出ます。壱成をスタンガンで気絶させ誘拐。そして、早梅へ電話します。

「壱成くんなら、今はまだ無事よ。今はまだ、ね。今日中に私の望みを叶えて。成吾を誘って。必ず、今日中によ。でないと、壱成くんとは二度と会えなくなるから」と。

壱成がさらわれたと知り、早梅は成吾へ助けを求めます。旅館の副社長でもあるだけあって、成吾はファインプレーを連発。見事監禁場所を導き出し、あたかも芸者としてお座敷に呼ぶ体裁で、菊乃をおびき出します。

そして、菊乃を旅館で拘束している間に、早梅は壱成が監禁されている場所へダッシュ。壱成を救出するのです。

「あんだけ、菊乃さんと二人きりになるなって言ったのに! どんだけ心配したと思ってんの!」と、バシバシ殴られる壱成は、ほっとした笑顔を見せるのでした。

早梅になりたかった菊乃

(c)TBS

早梅に救出された壱成は、その足で旅館へ。そこには、成吾から逃走する菊乃がいました。菊乃は何もかもうまく行かないと悟り、包丁で自殺しようとするのです。

成吾が、そこで菊乃に声をかけます。

「信じてもらえないかもしれないが、高校生の頃、僕は君を、醜いともみじめだとも思ってなかったよ。覚えてないか、一緒に日直をした日のこと」

もちろん、覚えているに決まっています。だって、菊乃が成吾に恋をしたのは、その日だったのだから。そして、菊乃は絶叫します。

「早梅さんみたいになりたかった。でも無理だった! 私には自信も勇気もなくて。だから!」

早梅がそこで泣いたり、抱きしめたりしてくれる女性だったらいいんですけどね。『プロミス・シンデレラ』はそうじゃないんだよなぁ。というわけで、ここからは早梅が反撃開始。

「だから死ぬの? バカじゃないの? 私のこと嫌いなら、最初から私の方に来いよ。この自己中女! 私みたいになろうなんて、思わなくてよかったのに。あなたはあなたよ」

殴り合いと、言葉の応酬。しかし、「あなたはあなたよ」という一言に菊乃は涙を流すのでした。

大人のケジメがつける日

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そして、平穏な日々がやってきて……。早梅は、居候していた壱成の家を出ようとしていました。

「でも実際、未成年とそういうことしちゃったら問題でしょ?」という同僚の言葉が、グサグサと早梅に響いたから。

いや本当に、冷静になって考えてみると早梅は27歳で、壱成は17歳。“好きだから付き合う”と気持ちのままに決断できるほど、情熱に任せられる年齢じゃありません。

突然のバツイチ。夫は不倫して、しかも自分が捨てられて。それで、次は17歳の男の子? そりゃあ悩みますよ。それだけで諦める人も多いはず。早梅もそうでした。

「怖いの! 信じるのも信じられるのも怖いの!」

早梅は冷静になって、自分が距離を置く方を選ぶのです。

ですが、それに納得がいく壱成ではありません。

ついにシンデレラに

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なぜ、壱成は納得できなかったのか。それは、自分のバイト代が入ったらサプライズでプレゼントを買い、渡そうとしていたからです。これまで、自分の実家の資産に頼りきりだった身とは大違いです。

しかし、給料日の前に早梅が出ていってしまう。

そんな弟の状況を知った兄の成吾は、「副社長の権限で、バイト代の前渡しだ。追いかけろ」と粋な計らいをします。

急いでプレゼントを買い、車で引っ越し先に向かう早梅を自転車で追いかける壱成。

「ずっと一緒にいろって。次はぜってえ守るって、約束したじゃねえか!」

そう言う壱成に対して、早梅は第1話から変わらず、思ったことを火の玉ストレートで語ります。

「一人で生きていくって決めて、結婚も失敗しちゃって。でも、(壱成には)もっとふさわしい子がいるんじゃないかとか。もうどうすればいいか分かんなくて。私、あんたのこと好きになっちゃった」

と、早梅は告白。素直に言葉をつむぐことを覚えた、壱成が精一杯返します。

「俺はどこにも行かない。年の差なんてどうだっていい! 早梅だから好きなんだ。(俺が)18になったら結婚するぞ! 元旦那よりも、成吾よりも、ずっと幸せにしてやる!」

そして10年前に成吾と早梅が語り合った「思い出の木」にたどり着きます。そこで壱成は、早梅に靴をプレゼントするのです。

こうして10年前にシンデレラにならなかった早梅は、壱成のシンデレラとなったのでした。

パワフルなシンデレラの物語、終幕

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このシンデレラは本当にパワフルです。

早梅は「プロポーズの返事は?」と、急かす壱成にキス。最高潮を迎えて、物語は幕を下ろします。

最初から最後まで、リードは早梅が握っていました。でもそれが、早梅らしさとして輝いていましたね。

さて、ここまで、第1話から『プロミス・シンデレラ』を追いかけてきました。

突然の離婚、ホームレス生活、居候にイジメ、傷害事件に誘拐と、ハラハラする回も多かった名ドラマ! ご視聴、一緒に楽しんでいただけましたでしょうか? また見直したくなったら、いつでもこのコラムに戻ってきてくださいね!

(トイアンナ)

※この記事は2021年09月21日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。

●ブログ「トイアンナのぐだぐだ」
http://toianna.hatenablog.com/

●Twitter
https://twitter.com/10anj10

●公式サイト
https://renaijuku.co.jp/

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