【第5話】年の差恋愛がうまくいく方法とは?
コラムニストのトイアンナさんが、TBS火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』を毎週考察&展開予想するコラム。無一文、無職、宿なしの人生崖っぷちバツイチアラサー女子がつかむのは、愛か金かそれとも……?
※このコラムには『プロミス・シンデレラ』エピソード第5話までのネタバレが含まれます。
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ドラマに出てくるようなスーパーお金持ちの友達と話していた時です。
彼女の家は代々資産家で、食べるのには困ったことがありません。ところが、家族仲は冷え切っていて、年末年始に会う以外は交流すらありません。
「いい家に生まれたから幸せ」とは、限りません。どの家にも、それぞれの悩みがあるものです。ドラマ『プロミス・シンデレラ』第5話は、そんな家庭の地獄へスポットライトを当てたお話でした。
家庭がしんどい同士は惹かれ合う
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通常、恋愛関係になる男女はある程度家庭環境が似るもの。現代の結婚は「同格婚」が多いのではないでしょうか。シンデレラストーリーは、めったにないのです。
ですが、そういう垣根を超えられる時があります。それは「悲惨な家庭環境を持つもの同士」など、生育環境が似たもの同士が出会った時。
『プロミス・シンデレラ』の主人公である早梅(二階堂ふみ)は10代の頃、アルコール依存症の父親に悩まされていました。そして、偶然出会った誠実な王子様・成吾(岩田剛典)もまた、家庭に悩まされていました。
老舗旅館を経営する家庭に生まれ育った成吾は、一見順風満帆な家庭育ちに見えます。しかし、実際には母親が古参の仲居さんとうまくいかず、家を出ていってしまったのです。
ショックを受ける弟、女将不在で慌ただしい実家。嫌気がさした成吾が見つけた憩いの場が、早梅との逢瀬でした。早梅のシンデレラストーリーは、くしくも生育環境を通じて生まれたのです。
そんな二人は、デートを約束します。ただ、父親の暴力のせいで、早梅は待ち合わせ場所に来ることができませんでした。
早梅に飛んでくる一升瓶。早梅が追い詰められたその時、成吾が助けに来てくれるのです。
成吾に手を引かれ、靴も履かないまま走って逃げる早梅。そして渡される、成吾の革靴。
「好きだ。ちゃんと働いて、君を守れる男に、きっとなるから」
差し出された革靴を早梅が履くことはなかったのですが、早梅に対する成吾の誓いは、時を超えて旅館の後継ぎとなることで果たされたのです。
年齢がハンデになる壱成の恋
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そんな思い出話を盗み聴きしていたのが、成吾の弟・壱成(眞栄田郷敦)です。壱成は母親が家を出て行ってから、旅館に近づきもしませんでした。成吾は早梅との出会いで救われましたが、壱成には助けてくれる人が誰もいなかったのです。
そしてすっかりひねくれてしまった壱成は、あろうことか早梅と成吾のデートを尾行。さらに二人の会話を盗聴までしてしまったわけでした。しかし、あまりにもよくできた成吾と早梅の初恋に、打ちのめされる。
さらに、早梅が居候している壱成の家を出ないことについて、成吾が問いかけます。
「もしかして、壱成といたいとか? 異性として恋愛対象になる、とか」
早梅は盗聴されていることもつゆ知らず、キッパリと恋愛感情を否定。
「まさか。そもそも向こうがそういう対象として見てないでしょ。10個も(年齢が)離れてるし。ないよ」
がっくり落ち込む壱成……。このヘコむ壱成を見ただけで、胸がときめいた視聴者はとても多かったはず。早梅のあまりにも毅然とした態度に、その場に偶然居合わせて壱成を盗聴をしていた早梅の同僚・黒瀬(金子ノブアキ)も、思わず壱成の敗北を宣言します。
「まるでシンデレラじゃん。ガラスの靴ならぬ、革靴だけどね。それに、早梅ちゃんは(靴を)履かなかったけれど」
兄の成吾は28歳、対して壱成は17歳。精神的な成熟度が違うのは当然です。堪え切れなくなった壱成は、二人の前に駆け出してしまいます。……が、大人の余裕を見せる成吾の前に、壱成はすごすごと帰るしかないのでした。
家を出ていく早梅、そして……
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「成吾のパンツをずり下ろして、恥をかかせたら100万円。それが終わるまで、次のミッションも渡さないから」
と、デート前に早梅へ宣言していた壱成。要するにただの嫉妬ですが、早梅への感情を上手に表せない壱成は、家具を蹴るなど八つ当たりします。すったもんだのやり取りの末、早梅はとうとう家を出ていくことに……!
そして、やはりあらゆるイザコザの裏には、芸者の菊乃(松井玲奈)が絡んでいるようなのです。
「どうだった、デートは。食事だけで済ませたみたいね?」と、菊乃は成吾へ語りかけます。
「なんで知っているんだ」と、おののく成吾。そりゃそうだ。成吾と早梅のデート、見守られすぎです。もうYouTubeでライブ配信されてたと言われた方が、まだ理解できるんですけど。
これまで、早梅は「靴を隠される」「大事な顧客メモを握りつぶされる」など、数々の嫌がらせにあっていました。その犯人も菊乃であることに勘づいた成吾は、目的を問いただします。
その問いに、「幸せの後押し」と、不敵な笑みを浮かべる菊乃。
ここまで展開を見ていて、ようやく見えてきました。菊乃は成吾の成功や幸福を作りたいと思っている。けれど、早梅は成吾にふさわしくないと思っていそうなのです。
とはいえ、成吾が望む女性として早梅がいる現在、成吾に何を言っても無駄。そう思った菊乃は、嫌がらせをしようと考えたのでしょう。
そんな菊乃が打つ次の一手は……早梅の元夫を、旅館へ呼び出すことでした! 心臓がバクバクして止まらない、急展開からの急展開。次の話も、待ちきれません……!
(トイアンナ)
※この記事は2021年08月17日に公開されたものです