「鑑みる」の意味は? 使い方と例文・類語との違い
間違い・誤用に注意! 「鑑みる」を使う時の注意点
「鑑みる」は似た言葉が多く存在し、きちんと意味や使い方を理解していないと、間違いを生んでしまうこともある表現です。
従って、使用する際の注意点をチェックしておきましょう。
「~に鑑みる」と「~を鑑みる」どっちが正しい?
「先例や手本などを参考に考える」という意味の「鑑みる」という言葉。「~に鑑みる」と「~を鑑みる」など、助詞の使い方を誤用していないか迷う人も多いはずです。
参考に『広辞苑』や『大辞林』で「鑑みる」の使い方を探してみると、どちらも「に」の助詞を使った「~に鑑みる」の例が紹介されています。
従って、本来「〜を鑑みる」という表現はあまり好ましくないと解釈できるかもしれません。
「鑑みる」は、対象のもの「に」照らし合わせて考えるという意味なので、「先例に鑑みる」や「現状に鑑みると」のように、「に」をつけて使うのがきれいな表現だと言えるでしょう。
とはいえ、現在では「~を鑑みる」という表現も一般的に使われるようになってきています。中には「~を鑑みる」とした例文を扱う辞書もあるそうです。
助詞が「に」なのか「を」なのかによって、伝わる意味は大きく変わりません。言葉は常に変化していくものとして、こだわる必要がないという意見もあります。
「鑑みる」は目上の人に使ってOK?
会話の相手によって、表現の仕方に迷う瞬間は多々ありますよね。では、「鑑みる」はどうでしょうか。
「鑑みる」はそこに要求や謙譲、尊敬などの他意を強く含まないフラットな言葉と言えるでしょう。従って、相手を選ばず使える表現のはずです。
ただし、使う場面には注意が必要です。苦言を呈する時、「先例を鑑みるにちょっと……」伝えると、相手によっては角が立っているように感じることもあるでしょう。
もちろん、言葉を正しく使って意見をはっきり言うことは大切です。大事なのは伝え方。どの言葉にも言えることですが、相手をバカにしたり、強く否定したりするニュアンスを含ませた話し方にしないことがポイントです。