ダイエット中なのについついお菓子を食べてしまう。貯金したいのに洋服を衝動買いしてしまった。
目標があるのに遠ざけてしまうのは、あなたの自制心の弱さが関係しているかもしれません。
自制心を鍛えて、自分の目標を遠回りせずに叶えていく力を身に付けていきませんか?
■自制心の意味とは
自制心とは、「自分の欲望や感情をコントロールする力」という意味です。
自分の心の中に湧き上がってきた感情や気持ちに流されずに対応できることを指します。
「この洋服が欲しいけど、今は我慢しておこう」と自分の欲望を制御する力のことですね。
また、自分の心を制御して目標や目的に向かって集中していることを表現する場合もあります。
◇自制心がないとは
「自制心がない」とは、自分の感情や気持ちをコントロールできなくて振り回されている状態です。
自分の気持ちに正直と言えば、そうかもしれません。
しかし、現在の自分の気持ちを優先してしまうことで、計画性のある行動ができなくなってしまうこともあります。
■自制心がない人の特徴と心理
自制心がない人と自制心が強い人の違いは何でしょうか?
まずは、自制心がない人の特徴と心理を見ていきましょう。
◇(1)感情的になりやすい
自分の感情をコントロールすることが苦手なので、感じたことをすぐに外に表現してしまいます。
素直な人という印象を与えることもありますが、その感情で相手を振り回してしまうこともあります。自分の感情を我慢できない自制心のない人と思われてしまいます。
参考記事はこちら▼
心理カウンセラーの高見綾さんに、感情的になる原因と感情をコントロールするコツを解説してもらいました。
◇(2)物事が長続きしない
目標があっても目の前のことに流されやすいので、長続きしません。いわゆる「三日坊主」になってしまいます。
何かを始めることが思いつきであることも多く、その時の感情に任せているので、「そもそも本当にやりたかったのかな?」ということもあります。
◇(3)時間や規則にルーズ
自分のことを優先させてしまうことが多いので、時間に遅れることや会社の規則を破ってしまうこともあるかもしれません。
怠惰な性格や自己中心的に思われることもあります。
参考記事はこちら▼
心理カウンセラーの小日向るり子さんが、時間にルーズな人の特徴とそうなる原因、克服方法を解説します。
◇(4)浪費癖がある
その時の気持ちを優先させてしまい、本当に必要かどうか見極める前に買い物をしてしまうことがあります。
買ったものが必要かどうかというよりも、「買う」こと自体が目的になっているので、それが満たされることを優先させてしまう場合も。
参考記事はこちら▼
浪費癖のある人の特徴や心理を解説し、浪費癖を直すためのアプローチ方法を紹介します。
◇(5)コミュニケーションが苦手
相手の言葉や行動に、すぐ反応してしまうので、コミュニケーションが円滑にできないことがあります。
相手の話を聞いていても、「だって」「でも」と、自分の話をしたくなってしまうかもしれません。
■自制心が強い人の特徴と心理
一方で、自制心が強い人の特徴と心理にはどのようなものがあるのでしょうか。自制心がない人との違いを比べてみましょう。
◇(1)集中力がある
目標に集中できるのは、その目標に不必要な気持ちや感情を制御できているからです。「今自分が何を優先するべきなのか?」それを軸にぶれることがありません。
◇(2)計画性がある
仕事や目標のために何が必要なのか? 計画性を持って考えて準備できます。
その場の流れや出たとこ勝負にならないように全体像を把握しながら必要なタスクを進めていくことができます。
◇(3)責任感が強い
目の前のことに左右されずにやり遂げる力があるので、責任感も強くなっていきます。
逆の見方をすれば、目標や目的を最後まできっちりやり遂げる責任感が強いので、目の前のことに左右されないよう自制心が強くなったともいえますね。
参考記事はこちら▼
責任感がある人の特徴や、責任感の強さを長所として自己PRする時のコツなどを紹介します。
◇(4)健康維持、ストレスケアへの意識が高い
身体的にも精神的にもストレスがかかっている場合は、自分の感情や気持ちをコントロールするのは難しくなってしまいます。
自制心の強い人は、そのような状況に陥らないように自分の体調をメンテナンスしていることが多いです。しっかりとした生活リズムを作っていくことも、自制心を強めるためには必要ですからね。
◇(5)相手のために行動できる
相手に合わせて行動できることは、自分の気持ちをきちんとコントロールできているからです。
ただし相手に合わせ過ぎて、自分のするべきことも見失ってしまうこともありますから、自分に負荷がかからない範囲で、相手のために行動できることが大切です。
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あなたの精神力を10の質問で診断します。
▶次のページでは、自制心が強いことのメリットと、自制心を鍛える方法を解説します。
■自制心を強くするメリット
では、自制心を強くすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。いくつか例を挙げていきます。
◇(1)感情のコントロールができると精神的に楽
生きていると、うまくいかずにイライラするなど、感情的になってしまうような出来事がたくさん起こります。
それをそのまま相手にぶつけたり、自暴自棄になったりした結果、余計に自己嫌悪に陥る……なんて経験をしたことがある人もいるのでは?
こうした時に、自制心を働かせて「うまくいかなくてもやってみよう」とトライできると、たとえ結果がついてこなくても自己肯定感にはつながります。結果的に自分の心を疲弊させることがなく、精神的に楽になると言えるでしょう。
◇(2)掲げた目標を達成しやすくなる
分かりやすいのはダイエットや健康管理。「○kgまで落とすぞ!」といった目標も、自制心を強く持つことで達成しやすくなります。
欲望をコントロールすることでジャンクフードを我慢できたり、ダラダラしていた時間を筋トレに充てられたりするからです。
◇(3)仕事で成果や信頼を得やすい
自制心が強く、「仕事をサボらずにあともう少し頑張ろう」と思える人には、自ずと成果がついてきます。
その結果、「○○さんはいつも真面目に頑張っている」という周囲からの信頼にもつながるでしょう。
■トレーニングできる? 自制心の鍛え方
自制心を鍛えることで、自分の気持ちや感情に振り回されないようにコントロールすることができます。
◇(1)行動する前に一呼吸置く
思い立ったらすぐに行動するのではなくて、少しの時間でもいいので一呼吸置くようにしましょう。
感情的になった時に、「頭を冷やす」という言葉が使われることがありますよね。一呼吸置いている間に自分の欲求や気持ちを冷静的に判断することができますから、少し時間的な余裕を持つことを意識してみてください。
◇(2)小さいことから達成感を積み重ねる
小さなことでいいので、やり遂げた達成感を一つ一つ積み重ねていきましょう。目の前の気持ちに翻弄されずに目標をやり遂げたことが、自信につながります。
その自信が自分の気持ちをコントロールする力になってくれます。
◇(3)ストレスを発散する
自分の心をコントロールできていないことは、コントロールできるほどの余裕がないともいえます。
自分の気持ちをコントロールできないほど、ストレスがたまっていることを自覚して、まずはそのストレスケアから始めてみましょう。
◇(4)片付ける習慣を付ける
机の上などできる範囲から片付ける習慣を付けてみてください。片付けをすると、その行為自体で気持ちよくなれることもあります。
また机の上の片付けならば、次に仕事を始める時に気持ちよくスタートできますよね。一つの行為で現在も未来も心地よく過ごせる持続性があるものです。
目の前の自分の気持ちだけに左右されずに、未来の自分にとってメリットのある判断ができる練習になります。
◇(5)日記や記録を付けてみる
自分のことを客観的にメモする習慣があると、自分の気持ちや感情に振り回されそうになった時にも客観的な視点を持つことができるようになります。
また、自制心が効かなくなってしまった時のことをメモして振り返ることは、今度同じような場面になった時のための解決策をストックすることにつながります。
「今度感情的になってしまったら、トイレに行って手を洗う」など、自分のなりの解決策を見つけていきましょう。
■欲望をコントロールすると人生が楽になる!
自制心を養うことは、我慢する機会を増やすことではありません。
「ケーキを食べる」「遊びに行く!」もし目の前のことがあなたにとって最善の選択肢ならばそれを優先させてもいいのです。
自制心がないことが問題になってしまうのは、今の気持ちを優先させてしまって、それが後にマイナスの結果になってしまうケースです。
自制心を養うことは目の前の感情や刺激にだけ振り回されることなく、自分にとって最善の行動を選択できるようになるために必要です。
振り回されない自分でいることで、心に余裕が生まれていきますからね。
いつも穏やかな気持ちで過ごせるようになりますよ。
(桑野量)
※画像はイメージです