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「オープンクエスチョン」とは? 具体例や効果的な使い方を解説

浅野寿和(心理カウンセラー)

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの効果的な使い方

では、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンをどのように使えば良いのか。

具体的に会話へ落とし込んで確認していきましょう。

相手の本音を聞き出しづらい質問例

まずは、相手の本音を聞き出しづらい、あまりおすすめできない質問の例から紹介します。

A:あなたは今の仕事で悩みを抱えていますか?

B:はい、抱えています(いいえ、抱えていません)

A:では、今までつらくなかったですか?

B:はい、つらかったです(いいえ、つらくありません)

A:その悩みを上司に相談しましたか?

B:はい、話しました(いいえ、話していません)

これは極端な例ですが、全てクローズドクエスチョンによる質問の投げかけです。

質問者が想定している答えをピンポイントで引き出すことができますが、クローズドクエスチョンばかりとなると、答える側から主導権を奪い、不満を抱かせるリスクがあります。

相手の本音を聞き出しやすい質問例

では次は、先ほどと同じ質問を、オープンクエスチョンを交えることで本音が聞き出しやすいものに変えてみます。

A:あなたは今の仕事で悩みを抱えていますか?

B:はい、抱えています(いいえ、抱えていません)。

A:それは「どのような」悩みでしょうか?

B:〇〇です。

A:それは「いつから」抱えている悩みなのでしょうか?

B:〇〇です。

このように、クローズドクエスチョンの中にオープンクエスチョンを織り交ぜると会話の流れも自然になり、相手の深い意見も引き出せるようになります。

また、オープンクエスチョンで相手の言葉を引き出すことができたら、さらにオープンクエスチョンを続け、じっくり相手の回答を知ることでその内容を明らかにしていくことも可能です。これを「チャンクダウン(※)」と呼びます。

※「チャンク」とは「かたまり」のこと。チャンクダウンとは「かたまりをほぐしていく」という意味です。

ただし、質問者が回答者の答えを受け止めずに「なぜ」「どうして」と質問を続けると詰問のようになってしまいますから、注意が必要です。

特にオープンクエスチョンは答えにくい場合があること、回答に時間が必要であることを意識し、相手が答えるまで丁寧に待ち、「なるほど」「そうお考えなのですね」など相手を受け止めた上で、更に質問を重ねていくと対話の質が上がりますよ。

質問の質は対話の質につながる

必要な質問を適格に投げかけることで、質問者、回答者双方に大きなメリットが生まれます。質問の質は対話の質だと考えて、効果的な質問を使うことを意識してみてくださいね。

(浅野寿和)

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※画像はイメージです

※この記事は2021年04月27日に公開されたものです

浅野寿和(心理カウンセラー) (心理カウンセラー)

カウンセリングサービス所属・心理カウンセラー・講師

20代に苦難を心理学で乗り越えた経験から、カウンセラーとなった。恋愛・夫婦問題、男性心理分析、家族・職場などの対人関係、自分らしさを取り戻すなどジャンルに多数の実績を持つ。年間400件以上の面談カウンセリングを行う現場主義の実践派。行政の自作対策事業にかかるカウンセリングや外部ビジネスセミナー講師も担当。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。ちょっとだけ予約の取りにくい人気カウンセラー。

名古屋を活動のベースに、東京・大阪・福岡&オンライン上で活動中。

心理カウンセラー浅野寿和オフィシャルサイト:https://asanohisao.jp

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