アラサーになるとみんな、口々に「結婚」の話をする。
2日に1回くらいのペースで「ケッコン」というワードを使っているのではないかと思うくらい、脳内を占拠する結婚問題。
実際、結婚しないという選択はアリなのか?
ナシなのか?
結婚しないと幸せになれないのか?
人生の分岐点に立つひとりのアラサー独身女として見解を述べたい。
■生涯未婚率が上昇している原因
内閣府男女共同参画局発表の生涯未婚率は現在、男性20.1%、女性10.6%である。
生涯未婚率とは、50歳時の未婚率であり、45~49歳と50~54歳の未婚率の単純平均により算出されるそうだ。
正直、私は算数が苦手すぎてイマイチ意味がわからない。ただ、コレを理解したからといって婚期が早まるわけでもなさそうなので、適当に流すことにする。バカで申し訳ない。
とにかく生涯未婚率は近年、うなぎのぼりに増え続けている。その理由について考えてみよう。
◇生涯未婚率が上昇している原因
☆1.女性の社会進出
本当に女性が働きやすい時代になったものである。
今まで男社会だった業界にも、女性たちが一気に流入している。
「女性はお茶汲みOLからの寿退社」という価値観は廃れ、女性も生涯働く時代が到来。
それなら、無理して結婚しなくてもひとりで生きていけちゃうよね。わかる。
ひとりで生きていけちゃうんだわ、これが。
☆2.草食男子の増加
男女平等の弊害なのか恩恵なのか、とにかく優しい男が急増している。
家事ができること、育児に協力的(という言葉自体、批判の対象になりそうだが……)であることが、世の女性の理想の男性像なのではないだろうか。
それゆえに、「肉食男子はいずれ絶滅危惧種となるのでは?」と思うくらい、激減の一途をたどる。
「オスがメスを口説く」という生物の大原則が崩れかけている人類、一体どうするのか。女性が肉食化すべきなのか。
時代の狭間でどうしたらいいかわからず、ただひたすら独身として年齢だけを重ねる私たち。
☆3.世間の目の変化
私たちの両親、祖父母の時代と比較したときに、明らかに世間の目は変化している。
独身者はみな、「独身だと変人なのではと思われるのが辛い」と口々に言うが、コレが数十年前ならば現代とは比べ物にならないほど変人扱いされていたはずだ。
なんだかんだいって時代の変化に伴い、世間は独身者に優しくなったといえる。
いよいよ生涯未婚の独身者たちが市民権を得られる、新しい時代に突入するのだ。
■結婚のメリット・デメリット
◇結婚のメリット
次に、結婚のメリットを考えていこうと思う。
☆1.金銭面
ひとり暮らし×2の状態から2人暮らしになれば、家賃光熱費などをお得におさえることができる。
いつも一緒にいたいと思える2人なら、とりあえず一緒に住めばいいよね。わかる。一緒に住むならもう、結婚したらよくない? って話よね。
もちろん税金面などでも多少メリットがある。
☆2.病気や災害時に心強い
病気や災害時に頼れる人がいることは、とても重大なメリットだ。
もちろん友人や恋人を頼れないわけではない。
しかし家族であるということで、お互いに最優先に救出すべき人物として真っ先に思い浮かべるわけだから、心強さはひとしお。
緊急時に誰からも真っ先に思い浮かべてもらえない……という状況は、想像するとけっこうホラーじゃない?
☆3.寂しさの軽減
私はたくさんの老人を見てきた。
子どもや孫などの若い家族がたくさんいる老人は、いきいきしている人が多い。
彼らの口から出るワードは「入学祝」「結婚祝」「ランドセルを買う」など、前向きなものだ。
反面、子や孫のいない老人の話題といえば「病気」「葬式」「白内障の手術」ばかりで、とにかく楽しくない。明るいムードにならない。
この歴然たる差を見て、私は「絶対結婚しなければ……」と身震いしたので、この恐ろしさを積極的に人々に伝えたい。
家族のいない老人は、暗い!!
どれだけ裕福だろうと、家族以外の人間が優しく接していようと、みんな、暗い!!
☆4.人間的に成長できる
独身というのは気軽なもので、子どもとそう変わらない。我々は自由な時間とお金を手に入れた最強の子どもだ。
人生の経験値レベルは、結婚して家庭を築いている人のほうが高いはず。経験しなければ学べないことは多い。
結婚している人のリアルな状況や悩みは、独身者には十分に想像できず、気づかぬうちに不躾な発言をしてしまっているかもしれないと思う。
◇結婚のデメリット
上記を踏まえ、独身の私が結婚のデメリットを語るに足る人物なのか、はなはだ疑問だ。しかし、「私が結婚したくない理由」くらいのテンションでデメリットも挙げてみることにする。
☆1.他人との共同生活の窮屈さ
自分以外の他人と共同生活をするというのは面倒が多い。
価値観のちがいにイライラすることもあるだろう。
さらに、人生選択も自由にはできなくなり、転職や転居も自分ひとりの意思だけでは決められなくなることもある。
☆2.親戚付き合い
今まで家族でなかった人たちが急に「義理の家族」となる。
これはどう考えても、強烈なストレスである。どれだけ良心的ないい人たちであろうと、気をつかうことはまちがいない。
既婚の友人の年末年始の過ごし方を聞いたとき、実家で紅白を見ながらひたすらダラダラと新年を迎える自分の幸福を痛感した。
☆3.財産を搾取されるリスク
家族になるというのは恐ろしいことで、「家計」というひとつのお財布に財産が集約されてしまう。
そして愛し合って結婚したとて、「浪費癖」のようなものは習性なので、本人に悪気がないケースもある。
☆4. 簡単に別れられない
「思った以上に簡単に別れられない」という声を、何人かの既婚者から聞いた。
戸籍をいじっているわけだから、当然といえば当然である。
しかし一生を添い遂げる覚悟など、考えれば考えるほどできる気がしない。だから、私はなかなか結婚を決意できない。
結婚しないと幸せにはなれないのか
当たり前のことだが、自身の幸せは自身で決めることだ。
誰かに幸せにしてもらうわけでもなければ、結婚すれば幸せなわけでもない。
「結婚=幸せ」は、女性に対して世間が植えつけてきたすりこみである。
結婚するかどうかに軸を置かず、どのような人生選択が自身にとって一番適しているかを考えたいものだ。
気構えずに自由な選択をしよう
私も自身に言い聞かせているところもあるが、せっかくこのような自由な時代に生まれたのである。
他人の意見に左右されずに自由な選択をし、選んだ道を力強く切り拓いていきたいものだと思う。
(E子)
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