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「恋愛すると女性ホルモンが増える」が嘘な理由【医師が解説】

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

女性ホルモンが出る仕組みについて

ホルモンというと「脳から分泌される」というイメージを抱く人がいるかもしれません。ですが、じつはホルモンは体のあちこちで分泌されていて、女性ホルモンが分泌される場所も、脳ではありません。

女性ホルモンは卵巣から分泌される

女性ホルモンが分泌される仕組みは少し複雑です。最終的に分泌されるのは卵巣からですが、それまでには以下のような順序を経ています。

1.脳の視床下部から下垂体に指令が出る
2.下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌される
3.性腺刺激ホルモンが卵巣に作用する
4.卵巣からエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが分泌される
5.女性ホルモンが血流にのって全身に作用する

女性ホルモンはコレステロールを原料としています。また卵巣からは、微量ではありますが男性ホルモンも分泌されています。女性の体にも男性ホルモンは分泌されているのです。

女性ホルモンの役割は「健康の維持」

女性ホルモンのうち、エストロゲンには皮脂の分泌を抑えてコラーゲン合成を促進するといった、肌をきれいにする作用もあります。髪がツヤツヤになるのも、エストロゲンの働きです。

逆にエストロゲンが適切に分泌されていないと、肌や髪がカサカサになってしまうことも。そのため、「女性ホルモン(の作用)できれいになる」というのは、あながち間違いでもないのです。

ただ、女性ホルモンは美容のために分泌されているわけではありません。女性の健康を維持するのが、おもな役割です。また、分泌量が多ければ多いほどよいというわけでもないのです。

分泌量が過剰に増えれば、それはそれで乳がんを発症しやすくなるなど、別の不調を招く原因になることもあります。適切な量が、適切なときに分泌されているのが良い状態といえます。

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