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「恋愛すると女性ホルモンが増える」が嘘な理由【医師が解説】

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

恋愛すると女性ホルモンが出るのは本当?

女性ホルモンはおもに生理周期に伴って分泌され、恋愛やセックスによって増減することがあったとしても、体に影響を与えるほどの量ではないでしょう。

恋愛をしたときなど、ドキドキしたときに分泌されるのは、女性ホルモンではなくPEA(フェニルエチルアミン)、ドーパミン、オキシトシンといった神経伝達物質だと考えられています。

これらの物質は脳内ホルモンと呼ばれることもありますが、同じ「ホルモン」という呼び方をしていても、女性ホルモンとはまったくの無関係です。これら脳内ホルモンには、感情をたかぶらせて脳に快感を与えたり、幸せや癒やしの感覚をもたらしたりする作用があるといわれています。

ただし、恋愛は必ずしも幸せな感情ばかりを運んでくるわけではありません。場合によってはつらく、悲しい感情やストレスを生み出すこともあるでしょう。そうなった場合は、要注意です。

ストレスは女性ホルモンの分泌に影響し、生理周期の乱れなど体に影響を与える可能性があります。恋愛など、感情の浮き沈みのある出来事では、マイナスの影響も考えておく必要があるでしょう。

恋愛しないとオス化する?

恋愛しないとヒゲが生えて、オス化するといった話を耳にした人もいるのではないでしょうか。「オス化」という言葉はとてもインパクトが強いため、そうした話を聞くと心配になる人がいるかもしれませんが、そもそも人間の女性の体が、恋愛の有無によって勝手に男性化することは考えられません。

男性ホルモンは女性にも分泌されており、場合によっては分泌量が増えることもありますが、それは恋愛しないことが原因ではなく、「多嚢疱性卵巣症候群」といった病気などの影響だと考えられます。恋愛しないからといって、オス化することはありません。女性ホルモンと恋愛や美容を結び付けて考えるのはやめましょう。

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