今も昔も問われ続ける「LOVEとLIKEの違い」。
「好きだけどLOVEではない」なんて言われると、混乱してしまうでしょう。
では、果たしてLOVEとLIKEにはどういった違いがあるのでしょうか? 今回は、その違いについて徹底解説します。
■LOVEとLIKEの違いって?
早速、本題です。LOVEとLIKEはどう違うのでしょうか?
◇LOVEとLIKEの言葉の意味とは?
まずは「LOVE」と「LIKE」の言葉の意味を確認しておきましょう。
LOVEは、「愛する」「愛される」という態度や状態になります。
そしてLIKEは、「好き」「惹かれる」という感情や感じ方になるんですね。
つまり、LOVEは“行動”が伴い、LIKEは“思い”にとどまります。
◇LOVEは“能動的”でLIKEは“受動的”
では次に、LOVEとLIKEの違いを解説します。
世界的ベストセラーになった『愛するということ』の著者である、エーリッヒ・フロムはこのように述べました。
「愛は能動的な活動であり受動的な感情ではない。そのなかに『落ちる』ものではなく『みずから踏みこむ』ものである。愛は何よりも与えることであり、もらうことではない」
この言葉の意味を端的に言うと、「愛は恋と違って落ちることはなく、人に強制されなくても、自らすすんで与えるものである」ということです。
つまり、愛とは能動的に生み、与えるものであるということです。
一方でLIKEは感情なので、僕たちが「好き」という感情が生まれた時、その後の行動を選択することはできても、「そう思った」「そう感じた」ことについては、「(感情が)降りてきている」といってもいいので、その瞬間は完全に受け身であり、受動的であるといえます。
以上のことから、LOVEは相手の感情に左右されず愛を与えるもので、LIKEは感情的に「好き」だけど愛を与えるほどではない思い、ということになります。
ちなみに、「愛を与えるほどではない思い」という部分に補足させていただきますと、これは「そこまでじゃない気持ち」という意味でだけではなく、愛の概念や愛し方が分からないという意味も含まれます。
後述いたしますが、見返りを求めて愛そうとしている間は、LIKEの域を抜けてないんですね。
■LIKEからLOVEになることはあるの?
LIKEの方の「好き」だと判断されていた人が、LOVEになることはあるか?
結論から申しますと、あります。
しかし、残念ながら世の中のほとんどの人が、愛という無形の言葉の意味をよく知らないですし、いくら本人は愛しているつもりであっても、その愛し方が独りよがりな行いになっていることが、驚くほど多いです。
フロムは、次のような言葉も残しています。
「愛は技術だろうか。
技術だとしたら、知識と努力が必要だ。」
愛という言葉の意味を知らなかったり、愛し方が分からなかったりする人が、LIKEからLOVEになるためには、愛の知識と、それを知った上で実践する努力が必要になります。
なので、前段でお伝えしたLOVEの概念と正しい愛し方を知っている人や、愛を学んで実践している人であれば、LIKEからLOVEに変化することはあるといえるでしょう。
■相手のLOVEを判断する基準
ここでは、相手から向けられる思いが「LOVE」なのか「LIKE」なのかを、見極める方法について解説いたします。
◇(1)見返りなく時間と労力を使ってくれるなら「LOVE」
本気の男性を見極める時、「その女性に対してどれだけ時間と労力を使ってくれているか?」という点に着目することがあります。
しかし、ここで注意しないといけないのが、「相手が掛けてくれた時間と労力が、自己都合によるものではないか?」という点です。
いくら最初に時間と労力を使ってくれたのだとしても、それが長続きしないのであれば、LOVEであるとはいえません。
◇(2)見守ってくれるなら「LOVE」
必要に応じて相手のことを見守れる人は、その人のことをちゃんと愛そうとしています。
例えば、相手が何かに思い悩んでいる時、考える時間も必要だと思って、そっとしておく。本当は手を貸したいけど、それをすると相手のためにならないから、あえて助けない。
このように、しっかりと相手のためを考えて見守れる人は、あなたに対してLOVEであると判断できます。
◇(3)ちゃんと指摘してくれるなら「LOVE」
相手のためにならない行いは、衝突覚悟で指摘してくれるならLOVEでしょう。
相手の都合が悪いことを指摘してくれる人って、めちゃめちゃ損な役割なんですよ。なぜなら、指摘したらけんかになるかもしれないし、それで仲違いする可能性だってあるからです。
そういった理由から、「都合の悪いことを指摘してくれる人」は、LOVEの存在であるといえるでしょう。
◇(4)気持ちを理解してくれるなら「LOVE」
LOVEな人は、例外なくちゃんと気持ちをくみ取ってくれます。
たとえ自分がそうは思わなくても、相手の感情を否定することはないし、むやみに肯定することもありません。「この人はこう思ってるんだな」という部分にだけ目を向けて、共感するのです。
◇(5)あなたを心配させないなら「LOVE」
あなたを心配させたり悲しませたりするような行いをしないのも、LOVEな人の特徴といえるでしょう。
もし不安にさせそうな場面があるなら、少しでも安心してもらうために、事情や理由の説明を怠りません。
「それぐらい許せよ」「我慢しろよ」というのは、愛がない人の主観であり意見であって、LOVEな人は相手の気持ちをまず考えます。
そもそも、相手が心配しそうなことや悲しがるようなことをしようという発想がないんですね。
◇(6)「傷つけてごめん」と言えるなら「LOVE」
案外男性の多くが言えない謝罪の1つに、「傷つけてごめん」があります。
なぜ言えないのかというと、相手は傷ついていたとしても、自分は同じことがあった時に傷つかないから、なぜ謝らなければいけないのかが分からない人が多いのです。
しかし、相手を愛したいという気持ちがある人は、相手の心の傷にも目を向けることができるので、自分のせいで相手が傷ついた時は、「傷つけてごめんなさい」と言うことができるんですね。
■「愛したい」という気持ちに導く方法
では、少しでも相手に愛したいという気持ちを抱いてもらうことはできるのでしょうか?
その方法を、いくつか解説いたします。
◇(1)自分が誠実である
愛がある人は、例外なく誠実です。
うそをつかない、思っていないことは言わない、できない約束はしない、逃げない、筋が通らないことはしないなど、人と物事に対し誠実に振る舞っているのですね。
逆に、不誠実な人ほど愛がないのは当然で、その状態なのにも関わらず、誰かに愛してもらおうとするなんて、虫が良過ぎるといえます。
なので、相手に愛してもらいたいなら、まず自分がそれに値する人間であることが大前提です。
◇(2)相手に与える
愛はもらうものではなく、能動的に与えるものですから、先に相手に与えることを習慣化しましょう。
愛がある人は分け隔てなくLOVEを発動することができるので、普段からいろんな人に対して与えることを意識してみてください。
ただし、その際に「与え続けたら愛してもらえるかも」という下心を抱えていたり、すでに与えてきて自分を犠牲にし過ぎたりすると、後々になってから「自分ばかりやってるのに!」という不平不満が出てくるのでご注意を。
◇(3)自分自身を愛する
愛は、ある意味お金と同じなので、ないところから循環させらないのです。
例えば、僕たち人間は調子が悪い時に、人に優しくしきれないですよね。ということは、愛を与える人間でいるために、自分で愛を自家発電しないといけないんです。
大切な人を扱うように自分を大切にする、やりたいことをやって心が喜ぶ行いを心掛ける、気持ちがすり減るような出来事に身を置かないなど、自分自身をちゃんと愛しましょう。
◇(4)愛してもらおうとしない
身も蓋もありませんが、相手に愛してもらおうと画策している時点で、それはLOVEじゃなくてLIKEになっています。
愛し愛される人が存在するのは、「自分が相手をちゃんと愛したらから愛された」という結果論であることが多く、「愛してもらおう」と思って、働きかけてないんですよね。
それに、愛してもらおうとした分だけ、それは相手のことじゃなくて自分の欲求を満たそうとする行為になってしまうので、そうなるほどに愛から遠ざかると思った方がいいでしょう。
■愛を返してくれる人に目を向けることも必要
いくら見返りを求めないのが愛だと言っても、何も返してくれないような相手に愛を注ぎ続けることに意味があるのかは、ちゃんと考えた方がいいでしょう。
というか、僕たちはお釈迦さまでも神さまでもないので、何1つ返してくれない相手に対し、愛し続けることは不可能です。
愛は循環させるものであり、返してくれる相手がいて成り立つものでもあるので、その点はお忘れなく。
(藤本シゲユキ)
※画像はイメージです
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