生理中のダイエットは意味ない? 生理前・生理中の食事や運動方法のコツ
生理中のダイエットでは何に気をつけるべき?
ダイエットの目的は適正な体重を維持することです。近年、特に若い女性の間では“痩せ志向”があって、決して太ってはいないのに「もっと痩せたい」と願い、不必要なダイエットをしていることもあります。
短期間に誤った方法でダイエットをしても、結局リバウンドしてしまい、さらには健康を損なう可能性もあるので注意が必要です。食事内容の見直しや体を動かす習慣をつけるなど、基本的なことから始めるのがポイントといえるでしょう。
無理なダイエットは健康を損なうことも
生理中だけでなく、ダイエットそのものにいえることですが、食事からのエネルギー摂取量を極端に制限したり、特定の食品だけを食べたり飲んだりして偏ったダイエットをすると、一時的には体重の減量が期待できるものの、ストレスがたまる上に、体に必要な栄養素が不足してしまいます。その結果、便秘や骨粗鬆症、月経異常などにより健康を損なうこともあります。
また、急激なダイエットは生理が止まる無月経になる可能性もあるのです。無月経は思春期の女性に多く見られ、極端なダイエットや精神的ストレスが原因となることもあります。ダイエットなどにより体重が急に減ったり、生理が止まってしまった場合は婦人科などの医療機関を受診することをお勧めします。
生理前・生理中のダイエット:食事のポイント
ダイエット中はどうしても食事の内容が偏る傾向があります。不足しがちな栄養素は意識して摂るようにしましょう。また、食べ方を工夫するなどして、食べすぎを防ぐ方法を試してみるのもよいと思います。
(1)鉄分はしっかりと摂る
毎月の生理による出血のために鉄分が失われるので、女性は貧血になることが多いといえます。加えて、ダイエットにより食事量を減らしたり、偏食により栄養が偏ったりすると鉄分が不足する可能性が高くなるので、鉄分を多く含む食品を意識的に摂るように心がけましょう。
特に赤肉や赤身魚に多く含まれる「ヘム鉄」は体に吸収されやすいので、ダイエット中だからといって野菜ばかりに偏らないように注意しましょう。
(2)甘いものはバランスを考えながら
生理前は食欲が増す傾向があり、甘いものを食べたくなる人も多いかもしれません。しかし、甘いものを食べると血糖値が急激に上がって太りやすくなるだけでなく、その後、甘いものが消化されると上がった血糖値が急激に下がるため、疲労感や憂鬱な気分を招きやすくなるといわれています。
また、血糖値が急上昇・急降下することで、食事をしてもすぐにお腹が空いて、甘いもの(糖分)がほしくなったりもします。
ただ、甘いものがまったくダメというわけではありません。あらかじめ量を決めて食べるなど食事とのバランスを考えながら、自分の体のサイクルを理解して食べ方を工夫したいものです。また、生理前はもちろんですが、普段から血糖値を急上昇させないような食べ方を習慣にすることも大切です。
(3)よく噛んで、時間をかけて食べる
早食いは食べすぎの原因となります。生理前のPMSに伴う「ストレス食い」や「やけ食い」では、ついつい早く、どんどん食べてしまいがち。よく噛んで食べることで唾液の分泌もよくなり、消化吸収を助けます。また、時間をかけて食べると食べすぎを防ぐことができます。
(4)ビタミンB群を摂る
ダイエットには脂肪を燃焼させるような長い時間続けられる有酸素運動が適しています。
ビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質からエネルギーを産生するための代謝の過程で欠かすことができません。糖質や脂質を分解し、筋肉を動かす原動力になるATP(アデノシン3リン酸)を産生するために、ビタミンB群を意識的に食事メニューに加えてバランス良く摂取することが重要です。
ビタミンB群を多く含む食材には、穀類の胚芽、レバー、卵、豆類、葉野菜などがあります。