感情労働とは? 具体例と問題点・ストレスをためない対処法
感情労働でストレスをため込まない対処法
最後に、感情労働を行う上で、ストレスをため過ぎて燃え尽き症候群(バーンアウト)にならないためにも、日頃からできる対策を考え実行しましょう。
(1)仕事を家に持ち帰らない
勤務時間以外にも仕事のことを考えたり、思い出したりすることは誰にでもあることかもしれませんが、その頻度や深刻度は人によって違います。
就業後に仕事中にあった嫌なことを思い出すと、その際に経験したストレスが、何度も何度も自分に降りかかり、悪影響を及ぼしてしまいます。
ですので、仕事が終わったらなるべく「仕事から離れる」という意識を持つことが大切です。
気分転換の方法は人それぞれ違いますが、体を動かす、アロマをたく、ペットと遊ぶなど、気分転換できることをいくつか見つけて、意識的に普段の生活に取り入れるようにしましょう。
(2)一人の時間を確保する
感情労働をしている人は、意識的に「一人の時間」をつくり、自分を解放する時間を持つことが大切です。
常に相手や状況に合わせて感情をコントロールしているため、時には自分の気持ちに正直に行動したり、一人でゆっくりと過ごしたりすることも必要です。
「一人でいてもつい仕事のことを考えてしまう」という方は、物理的に仕事から距離を置くことも仕事のことを忘れるためには効果があるといわれています。たまには一人旅をして、仕事や勉強のことを忘れてリフレッシュするのもいいかもしれません。
(3)感情を吐き出す
感情を吐き出すことは、心身の健康を保つためにとても重要だと分かっています。
まずは、身近な人に素直な感情を吐き出してみましょう。この時「自分を否定しないで聴いてくれる」人を選ぶのがポイントです。せっかく話しても、説教をされたり聞いてもいないアドバイスをされたりしてしまうと、逆にイライラが募ることもあるからです。
親身になって聴いてくれる人がいないという場合には、紙やスマホのメモ帳に書き出すというのも有効です。ポイントは、事実をしっかり振り返ることと、その時に自分はどんな感情を抱いていたのか、「感情や思考」についてをありのまま偽りなく書いてみることです。
ネガティブな側面だけでなく、その出来事のおかげで成長できたというポジティブな面を書いても、もちろん効果が期待できます。
(4)「ねばならぬ信念」を緩める
「感情労働」には、感情をコントロールするためのマニュアルがあったり、「こうあらねばならぬ」という暗黙のルールがあったりしますよね。
そこに誠実に行動することが求められる仕事ではありますが、仕事を離れた時にも「こうあらねばならぬ」という信念を強く持ち過ぎると、疲れてしまいます。
プライベートな時間には、仕事中に求められるルールや信念から解放されて、ダラダラしたり、手を抜いたりして、自分を解放し「素の自分」も大切にしていきましょう。