お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

生理前・生理中にむくみが出るのはなぜ? 原因と解消するための対策とは

松峯美貴(産婦人科医・医学博士)

【むくみ対策】予防・解消法

病気など特別な原因がない“軽いむくみ”は、セルフケアで予防・改善できることもあるので、試してみましょう。

自分がむくみやすい時期の少し前から、むくみやすい期間には特に気をつけてみてください。

同じ姿勢を長時間続けない

ふくらはぎの筋肉は足から心臓に血液を戻すポンプの役目を果たします。休憩時などにふくらはぎを動かすことを意識して軽い運動を!

足踏みやつま先の上げ下げ、つま先立ち歩き程度の軽い運動もOK。社内の別のフロアへの移動に階段を使うのも効果ありです。

足の締め付けに注意する

過剰に体を締め付ける下着や、先の細いパンプスなどはなるべく控えましょう。

極端な食事制限はNG

食事を制限するようなダイエットで必要な栄養が不足すると、体の水分調整がうまくいかなくなり、むくみにつながることがあります。

代謝に影響するだけでなく、貧血や無月経などの生理の異常、骨量の低下といった全身の問題につながってしまうこともあります。

手軽な︎むくみケアを実践

ぬるめのお風呂にゆっくりつかる、弾性ストッキングを利用するなど、手軽にできることを試してみましょう。

十分な睡眠をとる

寝不足のときは、むくみが起きやすくなります。体の求めに応じて十分な睡眠を確保しましょう。心身のコンディションを整えるには25〜45歳の場合、夜間に約7時間、連続して眠れるように工夫を![*3]

普段からなるべくうす味の食事がおすすめ

塩分(ナトリウム)をとりすぎると、体内に水分を留めようとする仕組みがはたらきます。

塩辛い食べ物を続けて食べたり、塩分とりすぎになりがちな麺類が続かないようにしましょう。また、アルコールのとりすぎはむくみのリスクになります。おつまみは塩気が強いものが多いので、気をつけましょうね。

参考記事はこちら▼

むくみを解消する食べ物について医師が解説します。

水分の飲み過ぎはいけませんが、むくむからと言って水分摂取を控えるのはNGです。脱水になると内臓などにかかる負担は大きくなりますし、水分不足の状態では体が水分を貯め込もうとします。

水分を過不足なくとって、トイレを我慢しないで、自然な水分代謝を保ちましょう。

参考記事はこちら▼

お茶に含まれるどんな成分がむくみに効果的なのか、普段飲むお茶をどんなものに変えればいいのかを料理家が教えます。

漢方薬を用いることも

むくみに関しては、利尿剤のほか漢方薬などが用いられることがあります。状況に応じて一番適した治療方法がとられますので、まずは医師に尋ねてみましょう。(松峯先生)

参考記事はこちら▼

むくみに対して漢方がどんな効能があるのかを専門医が教えます。

ひどいむくみは早めの受診して

女性ホルモンの影響などで、生理前を中心にむくみやすさを感じる女性は少なくありません。生理に関連したつらい症状は「仕方がない」と思ってしまいがちですが、我慢せず婦人科で相談しましょう。

また、なんらかの疾患からむくみが起こっている可能性もありますので、ひどいむくみやむくみ以外にも症状がある場合などは早めの受診を。

なお、生活の中にもむくみのリスクは潜んでいます。ある程度であれば生活の中で予防やケアができますので、普段から気をつけてみましょうね。

(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

参考文献

[*1] 「Health Management for Female Athletes Ver.3」p26,29-30
http://femaleathletes.jp/pdf/180315_HMFAver3.pdf

[*2] 産婦人科外来パーフェクトガイ.医学書院,P82,83

[*3] 厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

[*4]大阪大谷大学薬学部 閔 庚善著「生活習慣病におけるミネラル栄養と健康食品」
http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/yaku/sotugo/pdf/h19_02_1.pdf

※この記事は2020年10月28日に公開されたものです

松峯美貴(産婦人科医・医学博士)

医学博士、東峯婦人クリニック副院長、東峯ラウンジクリニック副所長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(いずれも東京都江東区)。

妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします! どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。
http://www.toho-clinic.or.jp/

この著者の記事一覧 

SHARE