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悩むのは恥ずかしいことじゃない。鈴木奈々の幸福論

【特集】28歳に贈る28の選択肢

太田 冴

マイナビウーマンのコア読者は“28歳”の働く未婚女性。今後のキャリア、これからどうしよう。結婚、出産は? 30歳を目前にして一番悩みが深まる年齢。そんな28歳の女性たちに向けて、さまざまな人生を歩む28人にインタビュー。取材を通していろんな「人生の選択肢」を届ける特集です。

取材・文:太田冴
撮影:洞澤佐智子
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

「よろしくお願いしまーす!!」

取材当日、撮影現場に現れたのは、テレビで見たままの元気いっぱいな「鈴木奈々」だった。

東京は記録的な猛暑日。ジリジリとした暑さにうなだれていた私も、彼女の突き抜けるような明るい声と笑顔を見ていると、なんだか元気になってしまった。

撮影の様子を見ている私たちスタッフに「お水、飲んでますか?」と声を掛け、読者プレゼント用のチェキを撮ろうとすると「別のポーズでも撮りましょう!」と自ら撮り直し、インタビューでは「あの話もしましょうか?」と前のめり。

このサービス精神、一体どこからくるのだろうか? なんでこんなに、いつだって元気でいられるのだろうか?

次々と湧き上がる疑問を率直にぶつけてみると、そこには確固たる“鈴木奈々の哲学”があった。

夢を叶える秘訣は“宣言すること”

18歳で雑誌『Popteen』のモデルとしてデビューした鈴木奈々さん。芸能界入りのきっかけは、同誌でカリスマ的人気を誇っていた益若つばささんだったという。

「小学生の時から『Popteen』とか『egg』みたいなギャル雑誌が好きで、とにかくギャルモデルになりたかったんですよ。小学校の卒業文集にも“ギャル雑誌のモデルになれますように”って書いていたくらい。

益若つばさちゃんのことが大好きで追っかけをしていたのですが、ある日つばさちゃんの握手会に行ったら、そこにいた『Popteen』の編集さんにスカウトされたんです。『モデルやらない?』って。文集に書いたことが、そのまんま実現しちゃった。ほんと、びっくりしましたね」

当時から「書くこと」で夢をかなえてきたという鈴木さんは、言霊(ことだま)を信じている。

「自分の夢や願い事は全部ノートに書いてきたし、全部かなってきた気がする。本当に不思議。でもね、大事なのは“宣言すること”なんです。『こうなればいいなぁ』じゃなくて『こうなる』って。

他人に見せなくたっていいから、自分に対して『絶対かなえてみせるんだ』って宣言するの。月給1万円アップとか、〇〇のCMに出るとか、具体的であればあるほど良いと思う!」

“自分は運が良い”と思うようにしています

デビューから5年間は芸能事務所に所属することなく、フリーで『Popteen』モデルとして活動。ある時“小森純の友人”として『踊る!さんま御殿!!』に出演したことをきっかけに、バラエティ番組で大ブレイクを果たした。

この快進撃をどう捉えているのか、と聞くと「めっちゃ運が良いから!」と返ってきた。……といっても、ただ単に運が良かった、と思っているだけではなさそうだ。

「私、常に“自分は運が良い”と思うようにしているんです。ネガティブに考えていると、そっちの方に本当に流されて行っちゃう。つらい時や悩むことがあっても、今この状態は必ず意味があるんだと捉えるようにしてます。

すっごいプラス思考だし、とにかくポジティブ! お母さんにも『どこからその自信が出てくるの?』ってよく言われます(笑)。でも、別に自信があるわけじゃないんですよね。ポジティブでいれば、本当に全部が良い方向に進むっていう確信があるだけ」

成績不振で高校退学。それでもポジティブでいられたワケ

そのポジティブマインドは、一体どこでどんなふうに形作られたのだろうか。話を聞いてみると、どうやら元からポジティブだったわけではないらしい。

「元々の性格は、めちゃくちゃネガティブでしたよ! でも、お母さんがすっごくポジティブな人で、いつも前向きなことしか言ってこなかったんです。悩んだり落ち込んだりしていても『なぁちゃん、悩んでるの? すてきだね!』って。

すてきだねって言われると、そうかもっていう気持ちになってくるじゃないですか。それから、悩むことも壁にぶつかることもそんなに悪いことじゃないのかも、と思えるようになりました」

高校を退学するという挫折を味わった時も、お母さんのポジティブな姿勢が変わることはなく、鈴木さんは大きな影響を受けたという。

「成績通知表で1が7個以上付いたら退学処分になる高校に通っていたんですけど、まさかの1が9個付いてしまって……。学校には毎日行っていたし、先生とも仲は良かったんですけど、とにかく勉強ができなかったんです。

ノートさえ提出すれば退学にはしないよ、って言われても、私にはどうしてもノートが開けなかった。ギャル雑誌しか読めなかったんです。ひたすらファッションやメイクのことばかりを研究していました」

ご両親からはこっぴどく怒られたのかと思いきや、「全く怒られなかった」と語る鈴木さん。その時の両親への感謝が、今の頑張りへとつながっているという。

「私のことを一切否定せず、怒りもせず、やりたいことをやらせてくれた。人を傷つけるような、悪いことはもちろんダメですよ? でも、自分らしく生きることに対して親は何も言わなかったんです。

結局その後、通信高校を卒業することができました。親にはすっごく迷惑掛けちゃったから、今の一番のモットーは“親孝行”なんです。とにかく、感謝してる」

家族のそばにいて親孝行がしたい。その想いもあり、中学時代の同級生でもある旦那さんと結婚当初から地元・茨城県に住み、今も仕事のために1時間半電車に揺られて東京へ通う日々を過ごしている。

「もちろん、東京に住んでみたいなって思ったことはありますよ! 楽しいもん、東京。でもやっぱり、茨城には東京にはない魅力があるんですよね。

今でも、東京にいると緊張しちゃいます。ずっと気を張っているというか。やっぱりこの仕事ってメンタル的にキツイなと思うことも多いんですけど、毎日茨城に帰ることで、私は自分のメンタルを保てている。だから1時間半の移動時間も、嫌いじゃないです」

“悩み”はあるけど“秘密”はない。オープンマインドの秘訣

何も考えずに元気でいられたら、それが一番良い。でも、常にそうはいかないから、自分で自分をコントロールしなくちゃいけない。それはいつも元気いっぱいに見える鈴木さんも同じだ。

「正直、悩みはいっぱいありますよ! ここでは言えないこともたくさん。でも“秘密”はないんです。悩むんだったら、一人で抱え込まないで、誰かに必ず相談します」

人に悩みを相談する、というのも、そう簡単にできることじゃない。どうしてそんなにオープンマインドになれるのだろう。

聞いてみると、まっすぐな笑顔で「だって、悩むことって恥ずかしいことじゃないから」と答えてくれた。

「悩む自分を、恥ずかしく思う必要なんてない。悲しいことがあったら、もう、ソッコーで誰かに電話しちゃう! で、思いっきり泣く!! 悩みを聞いてくれる人も『嫌だな』なんて思わないはず。『私を頼ってくれたんだ』と、逆に心を開いてくれる部分もある気がします」

嫌いな人は一人もいない理由

自分を美化するわけでもなく、他人のネガティブを批判するわけでもない。実に冷静に、他人を見ている部分もある。

「私、嫌いな人が一人もいないんです。そりゃあもちろん、傷つくことを言われることもあります。でも、人間って一つの心の中にもいろんな種類の感情を持ってると思うんですよ。

自分、今性格悪いな〜って思うことってありません? 他の人もきっと一緒で、幸せな時には人にも優しくできるけど、落ち込んでいると人を傷つけることを言ってしまう時もある。私は人をそういうふうに見ているから、その人自身を嫌いになるっていうことがないんです」

仕事やプライベートでさまざまな岐路に立たされ、悩みの尽きないアラサー世代。悩む読者に贈りたい言葉は? と聞くと「私も皆さんと一緒に頑張りたい」と添えながらも、ポジティブな言葉をくれた。

「つらいかもしれないけれど、悩むことは本当にすてきなことだよ、今すごく成長しているんだよ、って伝えたいですね。私も、これからの人生で何が起きるか分からないけれど、その全てが意味のあることだと思って、絶対良い方向に変えてやるって決めています!」

取材が終わっても「まだまだかなえたい夢がたくさんあるんですよ。言えないけど!(笑)」と話してくれた鈴木さん。

これから先、彼女が何かを成し遂げていたら「あぁ、きっとノートに書いて、宣言していたんだろうな」と、今日のことを思い出すだろう。

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※この記事は2020年09月23日に公開されたものです

太田 冴

ライター/平成元年生まれ。舞台、韓国ドラマ、俳優、アイドルグループ、コスメなどを幅広く愛する雑食オタク。ジェンダー・ダイバーシティマネジメント・メンタルヘルスなどの社会問題にも関心あり。30歳で大学院に入学し、学び直しをしました。

●note:https://note.com/sae8320

●Twitter:https://twitter.com/sae8320

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