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苦い経験も人生というドキュメンタリーの一部。ジャルジャルの働くスタンス

小沢あや

マイナビウーマンのコア読者は“28歳”の働く未婚女性。今後のキャリア、これからどうしよう。結婚、出産は? 30歳を目前にして一番悩みが深まる年齢。そんな28歳の女性たちに向けて、さまざまな人生を歩む28人にインタビュー。取材を通していろんな「人生の選択肢」を届ける特集です。

取材・文:小沢あや(@hibicoto
撮影:須田卓馬
編集:鈴木美耶/マイナビウーマン編集部

今年芸歴18年目を迎えるジャルジャル。高校時代の同級生として出会い、今まで8000本以上ものネタを作り続けてきた。

「若い頃は、インタビューでお笑いのことを全然聞いてもらえんこともあって、悔しかったです」「相方のほっぺをツンツンするとか、『アイドルっぽいジャルジャル』が求められてしんどかった時期もあります」と語る二人。

お笑いが好きで、「芸人」として売れたい気持ちが強かっただけに、モヤモヤを抱えることも多かったそうだ。しかし、若手時代の二人は、「好きなネタだけをやっていたいです」とは言わず、周囲から求められるさまざまなジャンルの仕事を、どれもまっすぐにやりきってきた。

「迷走時代があったからこそ今があるし、全部やって良かったです」と、ポジティブに言い切る彼らに、これまでのキャリアを振り返り、仕事観の変化と自分らしく働き生きることについて聞いた。

何でも取り組んで「向いてない」ことを見極める

若い時は、漠然と「売れたい」という気持ちが強かったというジャルジャル。20代の頃は、メディアのインタビューでも本心を伝えられないことも多かった。ライバルと自分たちを比べてしまったり、仕事の失敗を引きずって落ち込んでしまうこともあったという。

年齢を重ねて落ち着いたことにより、仕事に対する過剰なプレッシャーも、薄れていったそうだ。

「昔は、自分の中の『売れる』の定義もぼんやりしていたし、どうしていいか分からないまま日々悶々としてたんですよね」(後藤さん)

「そうやね。今でこそ『僕らはネタをやっていこう』って軸をしっかり持つことができていますけど、昔は正直苦手な仕事もやってきました。言われたことはなんでも、素直にね」(福徳さん)

現在はネタに一極集中できるようになった彼らだが、昔はトーク番組やロケで空回りすることもたくさんあったのだという。しかし、その失敗がキャリアの糧になった。

「面白映像を観て、スタジオでコメントする仕事とか、本当に難しかった。『俺ら、なんで面白いこと言えへんのやろ……』って、力不足を感じたこともあります。でも、全部やって良かったですね」(福徳さん)

「得意なことも苦手なことも、やってみないと分からない。僕らは、まずは何でも取り組んでみて、向いてないと思ったことをやめてきたからこそ、今があるんですよ」(後藤さん)

ジャルジャルのキャリアを語る上で外せないのが、7年以上レギュラー出演していた「めちゃ×2イケてるッ!」(以下、めちゃイケ)だろう。ギリギリの笑いを探求した二人は、番組内での言動がきっかけでの炎上も経験した。

「めちゃイケの仕事、『やっぱり僕ら、合わへんのちゃうかな』と後ろ向きになったこともあったんです」(後藤さん)

「番組スタッフの方にも、『ジャルジャルは、今のめちゃイケにそんなにハマってない。君たちも不甲斐なく思ってるかもしれないけど』とはっきりと言われたことがあって」(福徳さん)

追加メンバーとして番組に出演するのは、とても大変だっただろう。思い悩むことも多かった二人を支えたのは、プロデューサーからの一言だった。

「『今は、将来的にジャルジャルが大成功するまでの、ドキュメンタリーの撮影中だと思ったらいい』と言っていただけて。気持ちもラクになったし、ホンマにありがたかったですね」(福徳さん)

他者を認め、自分たちの強みを見出した30代

ジャルジャルのターニングポイントといえば『M-1グランプリ』だろう。2017年に披露したネタ「ピンポンパンゲーム」は、お茶の間のみならず、ネット上の話題をかっさらった。翌年も勝負作「国名分けっこゲーム」で大健闘したものの、優勝を逃してしまう。

ずっとこだわり続けてきたM-1での敗退は、相当悔しかったのでは? 当時の心境について聞くと、二人は穏やかな表情でこう語った。

「M-1が終わってから、良い意味で、競争心が薄まったんですよ。『誰かと戦うんじゃなくて、あくまで僕らのネタと笑いをやっていこう』と、腹が決まった。他の人のネタの粗探しばかりしてた時期も以前はあったんです。でも、今はもうないな」(後藤さん)

「昔は正直、後輩のネタを見ている時も『年下に笑わされたくない』みたいな気持ちがあったんですよ。でも、今は丸く、おっちゃんになってしまったんかな(笑)? 前のようなライバル感覚はなくて、別物として見られるようになりました」(福徳さん)

30代になり、他者を尊敬できるようになった二人。バランス感覚が身に付いたことで、より自分たちの強みに自信を持つことができるようになったという。

「尊敬といえば、同世代のオリラジのあっちゃん(中田敦彦さん)に対しても、『しっかり戦略立てていて、本当にすごいな。僕らもあんな才能があったらな』と思うんです。でも、『僕らは僕らで、流行とか数字とか、戦略性を持ってこなかったからこそ、自由にやれている』って思っているんで」(福徳さん)

「それぞれのスタイルがありますからね。自分ができないことは他の人に任せて、僕らはただ、得意なネタをやればいいと思えるようになりました」(後藤さん)

若いうちは、力んでもいい。肩凝ったら、休めばいい

もともとのネタの強さに加え、柔軟さを手にした二人。新型コロナウイルスが猛威を振るい、劇場でネタを披露できなくなった期間も、彼らは強かった。

「リモートでコントするようになって、ウケ具合とか一切気にせず、やりたいことができるようになりました。ネタ時間も伸びるし、生の舞台ではできない雰囲気のコントができています」(後藤さん)

▲後藤さんお気に入りのネタ

「30代後半に今の流れがきて、ホンマに良かったなと思いますよ。20代だったら、危なかった。どこまで言葉で言っちゃうのかとか、情報の出し方とか、今でさえ悩みますもん」(福徳さん)

▲福徳さんお気に入りのネタ

「あと、リモートになったのを追い風に、オンラインサロンで会員さんと一緒にネタをやってるんですよ。一般の方とやる機会なんて、普通ないじゃないですか?」(後藤さん)

「みんなと一緒にコントやるの、本当に楽しいですね。打ち合わせなしで、いきなり本番なんですよ。これまで、単独ライブとかで人が欲しい時は、エキストラさんにお願いしてたんですけど、やっぱりプロ過ぎちゃうんですよね。一般の方だからこそ、リアルになるし、面白いなと」(福徳さん)

“ファンとお笑いを作る”彼ららしい革新的な取り組みで、今を楽しんでいるようだ。

最後に、これまでのキャリアを振り返って、「仕事を一生懸命に頑張りつつも、モヤモヤしている28歳の女性」にかけたい言葉はあるか、聞いてみた。「僕ら、普通の会社で働いたことがないので偉そうなことは言えないんですけど」という丁寧な前置きの後、二人は力強く語った。

「『若いうちのミスなんて、失敗でもなんでもない』かな。僕らも散々ミスったし、失礼なこともやったけど、『あの頃は若かったし、至らなかったです、ごめんなさい』でいいのかなと」(後藤さん)

「若いうちは、力んでもいい。力みまくって、肩凝ったら、休めばいい。そうすると、自然と見えてくるものが絶対にあるんですよ。僕らも、28歳くらいの時期が一番つらかったかもしれないですね。若手特権もなくなったし、中堅でもない。でも、『休んで復活したら、30代くらいから楽しくなりますよ』って伝えたいですね」(福徳さん)

大好きな仕事を、最高の相方と楽しんでいるジャルジャルにも、「迷い」の時期はあった。

たとえ今は、やりたい仕事ができなくても――その経験は、自分のスタイルを作るための過程、人生というドキュメンタリーの一部なのかもしれない。いつか、肩の力を抜いて笑える日が来る。

INFORMATION

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小沢あや

フリーランスのコンテンツプランナー/編集者。音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業勤務を経て、2018年に独立。エッセイのほか、女性アイドルやミュージシャン、経営者のインタビューを多数執筆。 ●Twitter:https://twitter.com/hibicoto

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