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2度の婚約破棄、失恋。それでも水田あゆみが進み続ける理由

藤谷千明

マイナビウーマンのコア読者は“28歳”の働く未婚女性。今後のキャリア、これからどうしよう。結婚、出産は? 30歳を目前にして一番悩みが深まる年齢。そんな28歳の女性たちに向けて、さまざまな人生を歩む28人にインタビュー。取材を通していろんな「人生の選択肢」を届ける特集です。

取材・文:藤谷千明
リモート撮影:大嶋千尋
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

2019年、社会現象と呼べるほどの話題を呼んだ、婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン シーズン3(以下・バチェラー)』。

最終回でバチェラーに結婚相手候補として選ばれた女性、水田あゆみさん。番組内ではみんなのお姉さんのような優しい振る舞いが注目された彼女。その後も著書『選ばれる理由』(宝島社)を出版するなど、さまざまな場面で活躍している。

水田さんが関西在住のためリモート取材だったものの、Zoom画面越しの彼女は、気遣いのできる大人の女性という番組そのままのイメージ。

水田さんにとっても「大きな分岐点」だったという、28歳の頃の話から取材はスタートした。

「結婚のためにホステスを辞めた」28歳の分岐点

18歳の頃から大阪・北新地でホステスとして働いていた彼女。

仕事に対してやりがいを感じていたけれど、結婚を考えていた当時の恋人から「ホステスを辞めてほしい」と言われる。30歳までに結婚したかったこともあり、「お昼の仕事」に転職したものの、恋人から別れを切り出されてしまったという。

「28歳は私にとっても分岐点でした。彼のことが大好きで、結婚したかったので、勇気を出して10年間やってきたホステスのお仕事を辞めたんです。

だけど、お店は『辞めたい』と言ってすぐに退店できるものでもないので、数カ月かけて辞める準備をしていたのですが、その間に彼の気持ちが冷めてしまったんです。

タイミングが良くなかったんですね。……もう『明日から何をすればええんやろ』と放心状態でした。あはは」

そんなふうに、笑顔で「28歳の分岐点」を振り返ってくれたけれど。

人生で大きな割合を占めていた仕事と、これからの人生の大半を一緒に過ごしていきたいと考えていた最愛の人。その二つを一度に失った傷は大きくて、立ち直れたと思えたのは約半年後のことだったという。

「もう“絶望”って感じで、友達や家族にいっぱい話を聞いてもらって、いっぱい泣いて、一緒に楽しい時間を過ごしてもらって、半年くらい経ってようやく『私、大丈夫かな』と思えるようになりました」

2度目の婚約破棄。自分に足りないものは?

その後、30歳の時にハワイ旅行で出会ったアメリカ在住の男性にプロポーズをされる。しかし、結婚のためのビザ取得に時間がかかったことから、お互いの気持ちに徐々に変化が起きてしまった。

「この時も1度目の婚約破棄と同じく、やっぱりタイミングが良くなかったんですよね。結婚するために必要なビザの申請に1年必要で。それは仕方のないことなんですけど、ポンッと結婚できるものだと思っていたところに、1年も時間がかかると言われると、歯車が狂ってしまいますよね」

これまで過ごしてきた日本では、「気遣い」や「思いやり」など、相手の気持ちを察することが女性に求められがち。特に水田さんのアイデンティティーとなっていたホステスという仕事は、そういった日本的なマインドが必要とされるもの。

その気遣いが原因で、アメリカ在住の婚約者家族との価値観の違いを感じることもあったそう。

「ホステスって、お客様をおもてなしすることが一番で、相手に自分を合わせる仕事なんですね。彼のお母さんと一緒に買い物に行って、『何が食べたい?』と聞かれても『何でもいい』って言うじゃないですか。そしたら『あゆみには自分がないの?』と指摘されることもありました。

それまでは、自分がそこまで自己主張しない人間だと思ってなかった。10年間それが当たり前だと思っていたので。そういうことが重なって、結局は別れてしまいました」

20代の悲しみをカバンに入れて歩く

「20代の悲しみや挫折を、カバンに入れて歩くのが30代」

30歳で婚約が破談となってしまった時、母親がくれたこの言葉によって勇気付けられたと語る水田さん。

「20代でいろいろ経験して、成功や失敗も全部カバンに入れて歩くのが30代だと。すごくかっこいいなと思って、『悲しんでる暇なんかないわ!』と、新しい刺激的なことにすぐ挑戦したくなりました」

そしてそれから2カ月後、一人の男性を巡って20人の女性が火花を散らす、婚活サバイバル番組『バチェラー』のオーディションに応募し、合格。そこで彼女はまた大きな経験をカバンに増やすことになったのは、皆さんもご存知の通り。

「『バチェラー』を通して、初めて自分を客観視できたんです。ありのままの自分は、ああいうふうに見えるんだと。ホステス時代に培った気遣いや自分らしさを、番組で全部出して、それをみんなに認めてもらったことが自信につながりました。もっと自分は自分でいていいんだと気付いたんです」

番組出演女性たちとの共同生活も、ホステス時代とは違う新しい発見ばかり。現在はインフルエンサーとして活躍している水田さん。その人生の選択においても、バチェラーの女性たちから大きな影響を受けたそう。

「いろいろな女の子たちがいて、年下の子も多かったし。仕事も、会社員からモデルやインフルエンサー、美容系事業とバラバラだけど、みんなそれぞれ個性的。なんていうか、“自分を生きている”んです。『すごいなぁ、でもこれが今の時代の女性なんだ』と憧れましたね」

『バチェラー』の最終回では、バチェラー・友永真也さんに結婚相手候補として選ばれたけれども、わずか1カ月でスピード破局。

その後、同じく番組参加者として水田さんと一緒に最終回まで残っていた、もう一人の女性・岩間恵さんとバチェラー友永さんの交際が発表される。一視聴者として番組を楽しんでいた筆者も、この衝撃の展開には驚きを隠せなかった。

水田さんは、優しい表情で、この結末を振り返り、自身の想いを語ってくれた。

「『バチェラー』で、私は“愛を与える”タイプで、愛を受け取ろうとしていなかったことに気付いたんです。ずっと、自分から“好きです”と与えるばかりで、愛情のキャッチボールができていなかった。

だけど恵を見ていると、ちゃんと愛情を欲しがっているんです。どういう言葉が欲しいとか、何をしてほしいとか、言葉や態度にしている。やっぱり恵は上手だったなぁって(笑)」

偶然にも、この取材の翌日、友永さんと岩間さんの結婚が発表された。

水田さんのTwitterには、番組のシンボルである真っ赤なバラの写真を添えて、「バチェラージャパンシーズン3 これにて完結でございます」という、粋なメッセージが投稿されていた。

本当に優しい人だ。彼女は、大切な経験をカバンに詰めて、再び新しい世界に進んでいくのだろう。

INFORMATION

水田あゆみ『選ばれる理由』(宝島社)

婚約破棄が私の人生を変えた。人生は、どう転んでも楽しい。選ばれなくてもあなたの価値は変わらない……。人気番組『バチェラー・ジャパン3』で最も視聴者の心を奪った「ファイナルローズ」が教える、“誰からも愛される私”になるルール。

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藤谷千明

1981年生まれ。自衛官、書店員、DTPデザイナーなどの職を節操なく転々として、フリーランスのライターに。∨系、YouTuber、恋愛リアリティ番組、ヤンキー系コンテンツなど趣味と実益を兼ねたサブカルチャーの領域での仕事が多い。

共著に「すべての道はV系へ通ず。」(シンコーミュージック)、「想像以上のマネーとパワーと愛と夢で幸福になる、拳突き上げて声高らかに叫べHiGH&LOWへの愛と情熱、そしてHIROさんの本気(マジ)を本気で考察する本」(サイゾー)など。

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