当事者意識とは? 当事者意識がない原因と持つ方法5つ
当事者意識を持つってどういうこと? 今回は、当事者意識が持てないと悩む人のために、原因や高める方法を心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいました。主体性や責任感を持って仕事をするコツをつかみましょう。
仕事において、大切だといわれている「当事者意識」。上司から「当事者意識を持ってほしい」と言われたものの、どうすれば持てるのか分からない人もいるかもしれません。
そもそも、当事者意識とはどういうものなのでしょうか? 当事者意識が低い人の特徴や心理と、当事者意識を高める方法について詳しく解説します。
当事者意識とは?
まずは、当事者意識とは何かを整理していきましょう。
当事者意識の意味
当事者意識とは、「自分自身が、その事柄に直接関係すると分かっていること」「関係者であるという自覚」のことをいいます(出典:『デジタル大辞泉(小学館)』)。
特に、仕事において当事者意識を持つことは大切だとされており、「組織の課題を自分事として捉え、何ができるのかを自ら考えて行動をすることができる人」が重宝される傾向にあります。
一般的に「当事者意識が有る・無い」という時は、自分が関係者であるという自覚を元にした“姿勢”や“行動”までを求められることが多いです。
例えば、トラブルがあった時に他人任せにして責任を取ろうとしなかったり、与えられた仕事を言われるがままにこなすだけで自ら創意工夫をしようとする姿勢が見られなかったりすると、「当事者意識が無い」と言われてしまうのです。
当事者意識は高い方が良いのか?
当事者意識が高いと、自分が関係する物事を自分事として捉えられるようになるので、自ら考えて創意工夫をする余地が生まれます。また、主体性を持って仕事に取り組むようになるので、やりがいが生まれモチベーションもアップします。
すると、周りから信頼されるようになり、新しい仕事が舞い込むチャンスにも恵まれます。結果的に実力が付き、自分でできることの範囲が広がるので、ますます仕事が面白くなるという良いサイクルに入れます。
その他には、うまくいかなかった時も他人のせいだと感じずに済むので、もやもやした気持ちになることが減るメリットもあります。
当事者意識が低いとどうなる?
一方、当事者意識が低いと、どうしても他力本願になってしまうので、周りからは「この人に仕事を任せても、最後までやり切ってくれるのだろうか?」と不安に思われます。そして、だんだん仕事を振ってもらえなくなることも……。
すると、経験が不足して、いつまで経っても自信が持てないという悪循環にハマりやすいです。主体性が無いと頑張っていると認めてもらえないので、困ったことがあっても周りのサポートを得にくくなることもあります。
こういった理由から、当事者意識は高い方が良いといえますね。
当事者意識が低い人の特徴
ただ、自分では当事者意識が低いとは気付きにくいもの。そこで、ここからは当事者意識が低い人に見られる言動・性格の特徴を紹介します。
自分に当てはまる特徴はないか、チェックしてみましょう。
言動に見られる特徴
(1)文句が多い
当事者意識が低い人は、問題が発生した時に、それを改善するのは自分ではないと思っているので、自然と会社や他人に対する文句が増えます。
例えば「うちの会社は雰囲気が悪い」と言ったとしても、その雰囲気を作っているメンバーに自分も含まれているという自覚はないのです。
文句が多い人の心理をひも解きます。
(2)自分で調べようとしない
分からないことがあった時に、自分で調べる手間を惜しみます。
当事者意識が高い人は「調べてみて××は分かったのですが、△△が分からないです」と具体的に聞くのに対し、当事者意識が低い人は「〇〇について教えてください」と丸投げします。
(3)できないと思ったら途中で投げ出しがち
当事者意識が低い人は、やってみて無理そうだなと思ったら途中で投げ出してしまうことがあります。また、「最後までやり切るぞ」という気持ちが最初から無いことも多いです。
性格に見られる特徴
(1)周りに流されやすい
「これがやりたい!」と主張することもあまりなく、周りに言われるがままに流されてしまう傾向があります。
仕事についても「自分がやりたくてやっている」という感覚ではなく、「何となく今の仕事をしている」「やらされている」といった受け身の感覚を持っています。
流されやすい人の心理を解説します。
(2)人の気持ちをくみ取ることが苦手
当事者意識が低い人は、傍観者というポジションを取るので、あまり周りが置かれている状況に気持ちが向きにくい傾向があります。
相手の立場に立って物事を考えることができず、自分に何が求められているのかをくみ取ることが苦手です。
相手の立場に立って考えられる人になるためのコツを紹介します。
(3)現状維持を好む
面倒事が嫌いなので、うまくいかないことがあっても現状維持を好みます。行動しようとしても、「何か大変なことになるのではないか」と不安になってしまうのです。
(4)責任感がない
当事者意識が低い人の性格は、責任感がないという特徴もあります。
“自分のせい”になりそうだと逃げたり、他責にしたりするかもしれません。自分ではない誰かがやってくれて当たり前、だと思っているのでしょう。
従って、責任を取ることを顕著に嫌がります。
責任感がない人の心理を解説します。
▶次のページでは、当事者意識を持てない理由を解説します。